2010年5月現在、新型コロナウィルスはその猛威を世界中で振るい続け、日本でも4月に発令された緊急事態宣言が延長されるなど、収束までの戦いはまだ続きそうです。そんな中、ミュージシャンたちは日本を元気づけるべくSNSやYoutubeなどに動画をUPしてパフォーマンスを披露してくれています。
中でもアコースティックギターによる弾き語りによるパフォーマンスは大きな反響を上げ、外出自粛中の日本国民の間ではアコギ熱が盛り上がり、自宅でギターを練習し始める方が増えています。とりわけ人気が高いのが、YAMAHA アコースティックギター、FG / FSシリーズ。初心者が手に取りやすい価格帯のモデルがラインナップされ、カラーも豊富なのがその理由でしょう。今回はそのFG/FSの54年にもなる歴史を紐解きつつ、魅力に迫ってみます。
目次
ギタセレでは人気のYAMAHA FG/FSを緊急特集。その魅力に迫ってみます。ご興味のある項目から読み進めてみてください。
- YAMAHA アコースティックギターの歴史
- FG/FS 現行ラインナップ① (「5」「3」シリーズ)
- FG/FS 現行ラインナップ① (「850」「840」「830」「820」「800」シリーズ)
- YAMAHA × 島村楽器 コラボレーション
- YAMAHA FG/FS 比較表
YAMAHA FGの歴史
創世期
YAMAHAがアコースティックギター制作に取り組んだのが1965~66年。それまでは、クラシックギターにスチール弦を張った、「ダイナミックギター」というモデルを販売していました。通常クラシックギターにはナイロン弦 (もしくはガット弦)を張りますが、このモデルはスチール弦のため音量も大きく、重宝されたようです。

↑ ダイナミックギター
1833年(日本は江戸時代後期)に、すでにC.F.Martinがアメリカでスチール弦のアコースティックギターを発明していました。そこから時を経過すること約180年(!)、国産初のオリジナルデザイン・アコースティックギターがYAMAHAから発売されるのです。

それが1966年発売のFG-150、ならびにドレッドノートシェイプのFG-180でした。この頃はFSというシリーズはなく、小ぶりな0タイプもFGとしてラインナップされていました。サウンドホールから覗くラベルは、ライトグリーン。伝説の赤ラベルはもう少し後に登場します。
また、この頃まではまだVenturesをはじめとしたエレキギター全盛の時代。「ギターは不良が弾くものだ!」と言われていた時代ですね。
しかしながらアメリカで巻き起こるフォークブームは日本にも押し寄せてきており、ブロードサイド・フォーの「若者たち」、マイク真木の「バラが咲いた」などのヒット曲も生まれています。
フォークブーム全盛
1967年、空前のフォークブーム火付け役となったのがフォーククルセダーズの「帰ってきたヨッパライ」。これによって国産アコギであるYAMAHA FG-150は注目され、さらに廉価版も発売されます。
そして1968年、FG-180とFG-150はマイナーチェンジと共に「赤ラベル」が採用されます。ここがYAMAHA「赤ラベル」の原点です。
1971年、フォークブームと共に爆発的ヒットを飛ばすYAMAHA FGに新たなモデルが登場します。

フォークタイプのFG-1500、「新ジャンボタイプ」と名付けられたFG-2000、新ジャンボタイプ12弦のFG-2500です。これらはバックとサイドに最高級ハカランダを使用し、センターメイプルの3ピースバックなど最上位モデルとして位置づけられ、今なお中古市場では高値がつけられます。
エレアコモデルの登場
1972年、赤ラベルはグリーンラベルへと変更され、YAMAHA初のエレアコモデルが登場します。

エレアコとはいえ、マグネティックピックアップが搭載されています。そしてボディトップにはボリュームとトーンのコントロールが。

これ以降、ラベルはグリーン、ブラック、オレンジ、ベージュ、アイボリーなど時代と共に変更されていきます。
Lシリーズとバンドブーム
1974年、YAMAHAは新たなシリーズ、「L」を発売。

Luxury(豪華)の頭文字である「L」の名を関したL-31は、YAMAHAアコースティックギターのフラッグシップモデルとして発売され、その後続くLシリーズの原点となりました。
1975年にはL-31のさらに上を行く最高級カスタムアコースティックギター、L-51、L-52、L-53、L-54が登場。

のちにLLシリーズが発売されるまで定番としてYAMAHAアコースティックギターを支えるLシリーズ。一方、80年代にかけてシーンがフォークブームからまたバンドブームへと移り変わっていく中で、FG/FSは低価格のエントリーモデルとしての役割を担うようになります。
再注目と復刻
1995年、YAMAHA赤ラベルの注目度が高まっていた時期に、30周年を記念して赤ラベルのFG-180とFG-150が復刻されます。さらに90年代後半にかけて、ゆずの人気が高まると同時に、岩沢厚治氏がFGを愛用していることも相まって、さらにFG人気が再燃していきます。
この頃、FGはエントリーモデルとしてラインナップをそろえており、YAMAHA FGシリーズでギターを始めたという方もかなりいらっしゃるのではないでしょうか。
そしてその最中、2002年に発売されるのがこのThe FG。

「FGシリーズの集大成」と銘打たれたこのモデルは、その後さらなるFGラインナップの大人気へのステップとなりました。(同時にThe FSも発売されました)
2016年にはFGの50周年記念モデルとなるFG180-50THが数量限定発売されます。

↑ FG180-50TH
表板にはA.R.E.を施したシトカスプルース単板が採用され、新開発スキャロップドブレイシングと共に、復刻モデルながら新しい時代のギターとして人気を博しました。(ヘッドには初期の「FG180」と同じフォントのワイドヤマハロゴが刻印されています。)
次のページでは、50年以上の歴史を持つFG/FSの現在のランナップのうち、赤ラベルを継承する「Red Label」を見てみます。
FG/FS 現行ラインナップ
「5」 (FG5 / FGX5 / FS5 /FSX5 Red Label)

現ラインナップでFG/FSの最高峰に位置する「5」。

Red Labelと名付けられたシリーズだけに赤ラベルが貼られ、1966年の発売当時のエッセンスを現代に継承しています。
トラッド・ウェスタンタイプ・ボディのFG5、フォークタイプ・ボディのFS5、さらにそれらのエレアコ版、FGX5、FSX5の4モデルが存在します。
共通の仕様は以下のポイント。
- スケールが634mmである (5シリーズ/3シリーズ以外は650mm)
- シトカスプルース単板TOP / A.R.E.
- SIDE/BACKにマホガニー単板を採用
- ネックにマホガニーを採用
- 指板、ブリッジにエボニーを採用
- ペグにクルーソン、・ープンギア(Y1D)搭載
- セミグロス仕上げ
- 「SYSTEM74(ハイブリッド3WAYシステム) Atmosfeel™」ピックアップシステム搭載 (FGX5 / FSX5)
- シンプルで操作性の高いコントローラー部 (FGX5 / FSX5)
- ハードケース付属
- Made In Japan
1. スケールが634mmである (5シリーズ/3シリーズ以外は650mm) / ヤマハ伝統のVシェイプヘッド

1966年当時のYAMAHA FG最大の特徴ともいえるのが、634 mm (約25 inch) スケール。650 mm (約25.5 inch)ではなく、あえて日本人の体形に合わせたのであろう634 mmスケールは5シリーズにも同様に採用されています。また、ヤマハFGのオリジナルヘッドシェイプに輝く音叉ロゴは、オリジナルと現代を融合させたデザイン。トラスロッドカバーには”Since 1966″が刻印されます。
2. シトカスプルース単板TOP / A.R.E.

アコースティックギターでは定番であるシトカスプルースを単板でTOPに採用。さらにYAMAHAの木材改質技術、A.R.E. (Acoustic Resonance Enhancement)が施されることで、長年使い込まれた楽器のような鳴りを生み出します。
※A.R.Eは、温度、湿度、気圧を高精度にコントロールする専用の装置で木材を処理する技術です。詳しくはYAMAHAが公開しているYoutube動画をご覧ください。
3. SIDE/BACKにマホガニー単板を採用

マホガニーは中域が豊かに響いてくれる材。そのマホガニーを採用することで、5シリーズの温かみのあるサウンドを生み出します。
4. ネックにマホガニーを採用
代用材ではなく、マホガニーを採用して強度だけでなく5シリーズのサウンドの礎となります。
5. 指板/ブリッジにエボニーを、ナット/サドルに牛骨を採用

指板とブリッジには木材の中でも気乾比重の高い、エボニーを採用。硬質な木材のため音の立ち上がりがすばやく、クリアに響いてくれます。また、弦が直接触れるナットおよびサドルは牛骨製。これも非常に硬質なため、弦からネック~ボディにかけて、より効果的な音の伝達を実現します。
6. ペグにクルーソン、オープンギア(Y1D)搭載

高い安定性を誇るクルーソン製のY1Dペグを搭載。チューニングを安定させつつ、余分な比重を加えないことで、ギター全体の鳴りを可能な限り邪魔しません。
7. セミグロス仕上げ

最上級モデルならではの上質で独特な質感を、セミグロス塗装によって生み出しています。
8. 「SYSTEM74(ハイブリッド3WAYシステム) Atmosfeel™」ピックアップシステム搭載 (FGX5 / FSX5)

アンダーサドルのピエゾセンサーが中低域を、プリアンプに搭載されたマイクが低域を、 独自開発の非常に薄いコンタクトセンサーが高域を、3つの異なるピックアップを搭載し、それぞれの帯域を拾ってくれます。それによって従来のピックアップでは拾いきれなかったサウンドホールから出る弦振動のまとまり、一弦ごとの余韻、フィンガリング時のタッチ感、高音域の倍音成分によってもたらされる空気感や繊細な音を再現してくれます。
9. シンプルで操作性の高いコントローラー部 (FGX5 / FSX5)

Atmosfeelの3つのピックアップサウンドをミックスし、簡単に音作りをすることができます。コントロールはEQ(Bass)/MasterVolume/Mic Blendの3つ。
10. ハードケース付属

5シリーズには専用ハードケースが付属します。保管、運搬時にしっかりギターを保護してくれます。
永いFGの歴史に現代の技術をプラスし、YAMAHA FG/FSの「今」を体現するシリーズが「5」の4モデルです。
| モデル | FG5 | FGX5 | FS5 | FSX5 |
| メーカー希望 小売価格 |
¥176,000(税込) | ¥209,000(税込) | ¥176,000(税込) | ¥209,000(税込) |
| 販売価格 | ¥158,400(税込) | ¥188,100(税込) | ¥158,400(税込) | ¥188,100(税込) |
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「3」 (FG3 / FGX3 / FS3 /FSX3 Red Label)

「5」同様、Red Labelシリーズにラインナップされる「3」。細かくスペックを見なければ、上位モデルである「5」と区別がつきにくいレベルです。

もちろんラベルは赤。
モデルもトラッド・ウェスタンタイプ・ボディのFG3、フォークタイプ・ボディのFS3、さらにそれらのエレアコ版、FGX3、FSX3の4モデルが存在します。
ここでは「5」との明確な違いのみピックアップして紹介します。これ以外のポイントは「5」と同様です。
- ナット/サドルにユリア材を採用
- ピックガードは木目調ではなく黒
- 付属ケースはライトケース
- 海外生産によるコストダウン
1. ナット/サドルにユリア材を採用

石油を原料にしている一般的なプラスティックとは違い、尿素とホルムアルデヒドとの重合反応によって製造される合成樹脂である、「ユリア樹脂」をナットとサドルの材料に採用しています。熱硬化性プラスティックの中でも安価でありながら、高度が高いため弦の振動をしっかり受け止めることができます。
2. ピックガードは木目調ではなく黒

ここは好みの問題ですが、「5」で採用されている木目調ピックガードに対して「3」では黒ピックガードが取り付けられています。
3. 付属ケースはライトケース

ハードケースよりは劣るものの、しっかりギターを保護できるライトケース。軽量なため運搬性が高く、ギターを頻繁に持ち運ぶ方には重宝されます。
4. 海外生産によるコストダウン
「5」とほぼ同スペックながら価格を抑えられているのは、このポイントが大きいです。海外のヤマハ工場にて生産されるためコストを抑えることが可能となっています。
伝統の赤ラベルを海外拠点生産で入手しやすくなったのが「3」シリーズです。
| モデル | FG3 | FGX3 | FS3 | FSX3 |
| メーカー希望 小売価格 |
¥99,000(税込) | ¥132,000(税込) | ¥99,000(税込) | ¥132,000(税込) |
| 販売価格 | ¥89,100(税込) | ¥118,800(税込) | ¥89,100(税込) | ¥118,800(税込) |
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次のページでは、FG/FSの現在のランナップのうち、低価格のエントリーモデル、「FG/FSシリーズ」を見てみます。
FG/FS 現行ラインナップ① (「850」「840」「830」「820」「800」シリーズ)
「850」

これまでのRed Labelとは違って、モデル名の数字が3桁になるのがノーマルのFG/FSシリーズです。その中でも最も個性的なモデルがこの「850」です。
トラッド・ウェスタンタイプ・ボディのFG850、フォークタイプ・ボディのFS850、それぞれ1カラーずつ2機種のみのラインナップです。
- TOP / SIDE / BACK、ボディすべてがマホガニー製 (TOPは単板)
- 650 mm (約25 inch) スケール
- ナトー・ネック / ローズウッド指板&ブリッジ
- ダイキャスト・クローム・ペグ (TM29T)
- スキャロップXブレイシング
- ソフトケース付属
1. TOP / SIDE / BACK、ボディすべてがマホガニー製 (TOPは単板)

バックとサイドはマホガニー製のギターは世に多く存在しますが、マホガニーTOPのギターはなかなか珍しいです。TOPのマホガニーは単板のため、しっかり弦の振動を効率的にボディ内に落とし込んでくれます。さらにサウンド面では、マホガニー独特の豊かな中音域が、このモデルの個性を際立たせています。

ボディ材だけでなく、バインディングまでマホガニーで制作されているため、他のモデルとはルックス面でも特徴的です。
2. 650 mm (約25 inch) スケール

ノーマルFG/FSのRed Labelと決定的に違うポイントがスケールです。650 mm (約25.5 inch)が採用されており、弦のテンションが上がって振動が増幅しやすくなっています。それによってサイドとバックが合板であるというポイントをしっかりカバーしています。
3. ナトー・ネック / ローズウッド指板&ブリッジ
比較的高価な材であるマホガニーをボディー全面に使用している850。販売価格の高騰を抑えるべく、他のポイントでコストを抑えています。

木材辞典でも掲載しているとおり、マホガニーによく似たナトー材をネックに採用しています。マホガニーはセンダン科マホガニー属、中南米が産地の広葉樹ですが、ナトーはアカテツ科グッタペルカノキ属、東南アジアが産地の広葉樹。産地は全く違うものの、同程度の気乾比重の材であればかなり特徴が近いものです。強度面でも、そこはYAMAHAですから、選定してしっかり乾燥させていると思います。安心できる材といえます。
指板、ブリッジは広くギターに使用されているローズウッド材です。こちらに関してもエボニーよりも気乾比重が低くはなりますが、かなりの硬度を誇る材です。
4. ダイキャスト・クローム・ペグ (TM29T)

YAMAHAらしい、安定感のあるTM29Tペグを採用。チューニングの信頼性も高いです。
5. スキャロップXブレイシング

こちらはRed Label同様、スキャロップXブレイシング。ブレーシング木材の真ん中部分を大きく削り、ブレーシングの強度を落とすことでボディ振動を増幅させる、Xブレイシングです。過去の経験や推測に基づいた開発ではなく、音の実験、解析をとことん行い、科学的に音の進化を解明しているヤマハ技術者によって、ボディ全体の強度と振動効率が計算されつくした設計です。
6. ソフトケース付属
最も可搬性に優れたソフトケースが付属します。ビギナーとして購入後、ストリートへ、スタジオへ、ライブハウスへ、マイギターを持っていくことが容易にできます。
ノーマルFG/FSシリーズの最上位モデルは、他モデルよりも個性が際立つマホガニーモデルです。
| モデル | FG850 | FS850 |
| メーカー希望 小売価格 |
¥55,000(税込) | ¥55,000(税込) |
| 販売価格 | ¥46,750(税込) | ¥46,750(税込) |
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「840」

トラッド・ウェスタンタイプ・ボディのFG840のみがラインナップされている840。一般的なスプルース単板TOPながらサイドとバックにはフレイムメイプルが採用され、これも特徴的なモデルといえます。
- サイド・バックに美しいフレイムメイプルを採用
上記以外は850と同様の仕様です。
1. サイド・バックに美しいフレイムメイプルを採用

フレイムメイプルによる効果は見た目の美しさだけではりません。気乾比重も硬度も高いメイプルは、クリアで歯切れの良いサウンドを生み出してくれます。
数字は「840」ということで850の下のモデルに見えますが、価格はまったく同等。同列の別仕様モデルという位置づけですね。
| モデル | FG840 |
| メーカー希望 小売価格 |
¥55,000(税込) |
| 販売価格 | ¥46,750(税込) |
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「830」

830は840のサイドとバックをローズウッドで制作したモデルです。その他仕様は全く同じです。
- ボディサイド・バックにローズウッドを採用
- カラーラインナップはFG3種、FS3種、合計6機種
サイド・バックにローズウッドを採用

気乾比重を比べると、メイプル:0.7、マホガニー:0.65、そしてローズウッドが1.04。最も比重が高いのがローズウッドです。そのためサウンド傾向も明快でありつつ、弦に振動が残るためサスティンも長めになります。サイド&バックがローズウッドのギターは世の中にも多数存在しますが、TOPのスプルースと共に王道の組み合わせといえるでしょう。
2. カラーラインナップはFG3種、FS3種、合計6機種
上記画像の通り、カラーラインナップが850、840よりも豊富なのが830の魅力とも言えます。
| FG830 | FS830 |
| ナチュラル(NT) | ナチュラル(NT) |
| タバコブラウンサンバースト(TBS) | タバコブラウンサンバースト(TBS) |
| オータムバースト(AB) | ダスクサンレッド(DSR) |
比較的スタンダードなカラーラインナップなので、抵抗なくすんなり持つことができそうです。
| モデル | FG830 | FS830 |
| メーカー希望 小売価格 |
¥46,200(税込) | ¥46,200(税込) |
| 販売価格 | ¥39,270(税込) | ¥39,270(税込) |
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「820」

最もカラーラインナップが豊富なシリーズが820です。830とほぼ同スペックではありますが、ボディサイド、バックがマホガニー製になっています。
- ボディサイド・バックにマホガニー材を採用
- 他シリーズにはない青系が追加された10モデル
1. ボディサイド・バックにマホガニー材を採用

アコギのサイド・バック材としてかなりポピュラーな材である、マホガニー材を採用しています。メイプルやローズウッドと比べると、比較的硬度が低めなので温かみのあるサウンドが特徴です。
2. 他シリーズにはない青系が追加された10モデル
820の最も特徴的な点の一つは、青系カラーでしょう。

FG820にはSB (サンセット・ブルー)カラーがラインナップ。ボディ外周の濃い青から、中心部に向かって鮮やかな青に移り変わるバーストカラーです。

FS820にはTQ (ターコイズ)カラー。天然石のターコイズ(トルコ石)から名付けられたであろうそのカラーは、ターコイズらしい鮮やかな青が特徴的。
他にも魅力的なカラーがラインナップされている820は、全8モデルです。
| FG820 | FS820 |
| ブラウンサンバースト(BS) | ルビーレッド(RR) |
| ナチュラル(N) | ナチュラル(N) |
| ブラック(BL) | ブラック(BL) |
| サンセットブルー(SB) | ターコイズ(TQ) |
| オータムバースト(AB) | オータムバースト(AB) |
YAMAHAアコースティックギターの中で販売数1位に輝く820。価格的にもカラーラインナップ的にも、ビギナーの心を鷲掴みにするのにはやはり理由がありますね。
| モデル | FG820 | FS820 |
| メーカー希望 小売価格 |
¥40,700(税込) | ¥40,700(税込) |
| 販売価格 | ¥34,595(税込) | ¥34,595(税込) |
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「800」

スキャロップXブレイシングやスプルース単板トップなど、他の800番台シリーズの仕様はそのまま継承しつつ、バックとサイドの材を「ナトーまたはオクメ」に変更することでコストダウンを図り、高いコストパフォーマンスを実現したのが「800」です。
- ボディサイド・バックにナトー、またはオクメ材を採用
- カラーはナチュラル(N)のみ
1. ボディサイド・バックにマホガニー材を採用

他の800番台モデルのネックでも使用されている、アカテツ科グッタペルカノキ属、東南アジアが産地の広葉樹であるナトー。マホガニーの特徴に近い材です。
オクメ材はカンラン科オクメ属の広葉樹。産地は西アフリカが中心です。こちらもマホガニーの代用材として一般的な木材です。
「800」はこれらの材を時々に応じて使用することでコストを抑え、高いコストパフォーマンスを実現しています。
2. カラーはナチュラル(N)のみ
カラーラインナップをナチュラルのみにすることでも、コストを抑えていると思われます。低価格で購入できるギターを生み出す努力はいたるところに見受けられます。
| モデル | FG800 | FS800 |
| メーカー希望 小売価格 |
¥37,400(税込) | ¥37,400(税込) |
| 販売価格 | ¥31,790(税込) | ¥31,790(税込) |
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次のページでは、YAMAHAと島村楽器のコラボレーションで生まれたモデルを見てみます。
YAMAHA × 島村楽器コラボレーションモデル

これまで見てきたFG/FSの歴史や現行ラインナップですが、島村楽器ではFG/FSをベースにしたコラボレーションモデルを展開しています。通常のラインナップには無いFG/FSモデルとして、数多くのギタリストから支持を頂いているコラボレーションモデルを、詳しくご紹介していきます。
FGX865

伝統のトラッド・ウェスタンタイプ・ボディ、FGをこのモデルだけの仕様で制作。800番台シリーズながらスケールを634 mmにして演奏性を高めつつ、ピックアップを搭載してスタジオやライブでの演奏も想定したモデルです。800番台のFGでのピックアップ付きはこのFGX865だけです。
- Red Label譲りの635 mmスケール / 指板幅(ナット部)は800番台の43 mmを踏襲
- 800番台FGでは唯一の「単板」サイド&バック (マホガニー)を採用したオール単板モデル
- Red Labelに迫るオープンギアタイプのV93Cペグ搭載
- ピックアップシステム、SYSTEM-66を搭載し、ステージでの演奏も想定
- T (ティンテッド)、TBL (トランスルーセント・ブラック)の2色展開
1. Red Label譲りの635 mmスケール / 指板幅(ナット部)は800番台の43 mmを踏襲

スケール(ナットからサドルまでの弦長)を、800番台モデル共通仕様の650 mm (27.5 inch)ではなく、Red Labelシリーズの643 mm にすることで演奏性が向上しています。逆にナット部の指板幅は800番台モデルの43 mmを踏襲。(Red Labelは44 mm) これによってFGの大きなボディでありながらも、「弾きやすさ」を向上させています。
指板とブリッジにはローズウッド材を採用しています。
2. 800番台FGでは唯一の「単板」サイド&バック (マホガニー)を採用したオール単板モデル

ボディの木材構成はRed Label同様の、スプルース単板トップ、マホガニー単板サイド&バック。生鳴りを重視したオール単板仕様です。
YAMAHAアコースティックギターの中でも、最も低価格で入手できるオール単板FGです!

TBLカラーはサイドとバックもトランスルーセント・ブラックで塗装されています。Red Label同様、センターストリップがあるのも特徴です。
3. Red Labelに迫るオープンギアタイプのV93Cペグ搭載

ギター全体の鳴りを考慮し、質量の軽いRed Label譲りのオープンギア・ペグを搭載。
4. ピックアップシステム、SYSTEM-66を搭載し、ステージでの演奏を想定

ブリッジ下にセットされたバーセンサーピックアップで拾ったサウンドを、3バンドEQ/Master Volume/AMFコントロールを搭載したプリアンプに送信。「エレアコらしい硬質なサウンド」を外部に出力します。
800番台唯一のエレアコ仕様モデルです。
5. T (ティンテッド)、TBL (トランスルーセント・ブラック)の2色展開

Red Labelシリーズを彷彿とさせる、ヴィンテージ感漂うカラーの「ティンテッド」カラー。

ボディ外周のブラックから、中央にかけて薄くなる「トランスルーセント・ブラック」
いずれも他のFG/FSにはないカラーリングです。
Red LabelとノーマルFGの特徴を持ち寄って仕上げられたエレアコモデルとも言えるのがFGX865です。
| モデル | FGX865 |
| メーカー希望 小売価格 |
オープンプライス |
| 販売価格 | ¥84,700(税込) |
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FSX875C / FSX825C

FGX865同様、Red LabelとノーマルFSシリーズの特徴を持ち寄って制作されたFSX875CとFSX825C。最大の特徴は、全モデルを通じて唯一の「カッタウェイ」仕様であるという点。
- 指板幅はナット部43 mm、胴接合部52 mmを採用 (875 / 825共通)
- 800番台FSでは唯一の「単板」サイド&バックを採用したオール単板モデル ※FSX875C
(875:ローズウッド・サイド&バック / 825:マホガニー・サイド&バック) - エボニー調ツマミを搭載したゴールドメッキ・ペグ (FSX875C)
- ピックアップシステム、SYSTEM-66を搭載し、ステージでの演奏も想定
- ナチュラル/N (FSX875C)、オータムバースト/AB (FSX825C)、ターコイズ/TQ (FSX825C)、ブラウンサンバースト/BS (FSX825C)のカラー展開
1. 指板幅はナット部43 mm、胴接合部52 mmを採用 (875 / 825共通)


2. 800番台FSでは唯一の「単板」サイド&バックを採用したオール単板モデル (FSX875C)

FSX875Cのサイド/バック材はローズウッド単板。Red Label同様センターストリップが存在します。

FSX825Cのサイド/バック材はマホガニー。
3. エボニー調ツマミを搭載したゴールドメッキ・ペグ (FSX875C)

FSX875Cはエボニー調ツマミを搭載したゴールドメッキ・ペグ。高級感とチューニングの安定性を両立させています。

FSX825Cもエボニー調ツマミ。クロームメッキ・ペグのTM-29GBを装備しています。

FSX825Cのヘッド&ネック裏はそれぞれのカラーに合わせて、濃いめのカラーリングで塗装されています。
4. ピックアップシステム、SYSTEM-66を搭載し、ステージでの演奏も想定

FGX865同様、エレアコらしい硬質サウンドが魅力のSYSTEM-66を標準装備しています。
5. ナチュラル/N (FSX875C)、オータムバースト/AB (FSX825C)、ターコイズ/TQ (FSX825C)、ブラウンサンバースト/BS (FSX825C)のカラー展開

FSX875Cは、スプルースの風合いを生かしたナチュラル(N)仕上げです。(グロス)

FSX825Cは、FG/FSシリーズで人気のカラーを採用。こちらはオータムバースト(AB)。

FS/FGシリーズではFS820のみに採用されているターコイズ(TQ)も、FSX825Cで採用。

FS820のみで採用されているブラウンサンバースト(BS)をFS825Cにインストール。
YAMAHA FG/FS全品番の中でも、カッタウェイモデルはこのFS875C/FS825Cのみとなり、フィンガーピッカーにも最適なモデルと言えそうです。
| モデル | FSX875C | FSX825C |
| メーカー希望 小売価格 |
オープンプライス | オープンプライス |
| 販売価格 | ¥96,800(税込) | ¥74,800(税込) |
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最後のページでは、島村楽器コラボレーションモデルを含めた全モデルの比較表を掲載しています。
YAMAHA FG/FS 比較表
ここまでRed Labelを含めたFG/FSラインナップを詳しく見てきました。そこで、改めてスペック表で比較してみましょう。
※YAMAHA FGシリーズのFG820-12(12弦モデル)、FG820L(レフティモデル)はFG820と同等スペックのため、記載していません。
FGラインナップ
FSラインナップ

※画像クリックで拡大します。
※FSX825C、FSX875Cのサイド/バック材のスペックが間違えていましたので画像を差し替えました。(2021年9月6日)
併せて文中の表記も準じて変更いたしました。
こうして見てみると、それぞれの特徴が分かりやすいかと思います。Red Labelはやはりオール単板等高スペックが並びます。Made In Japanの「5」はその中でひときわ価格も高いですが、納得の品質かと思います。逆に通常のFG/FSはコストパフォーマンスに優れ、広くギターユーザーを生み出しています。
その間に位置するのが、島村楽器とのコラボレーションモデルということが比較表を見ていただくとわかりやすいかと思います。価格もスペックも、両者から持ち寄って制作していますので、ビギナーだけでなく中級者、上級者であっても満足いただける仕上がりになっていますので、ぜひ一度、店頭でも試してみてください。










