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別室 野原のギター部屋 Vol.12 “Murphy Lab 1959 Les Paul Standard Reissue Golden Poppy Burst”

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別室 野原のギター部屋 Vol.12 “Murphy Lab 1959 Les Paul Standard Reissue Golden Poppy Burst”

記事中に掲載されている価格・税表記および仕様等は予告なく変更することがあります。

皆様こんにちは。別室 野原のギター部屋 Vol.12は、私が個人的に気になったギターを皆様にご紹介する「島村楽器で見つけた気になる1本」をお送り致します。

前回はGibson伝統のアーチトップ・ジャズギターの血統を感じることが出来るStinger Head仕様のGibson Custom Shop M2M Historic Collection 1959 ES-335TDNをご紹介しましたが、今回は今最も注目を集めるGibson Custom ShopのNEWプロダクトをピックアップ。

それでは、早速ケースを開けてみましょう。

Gibson Custom Shop Murphy Lab 1959 Les Paul Standard Reissue Golden Poppy Burst Heavy Aged


まるで数々のギタリストの手を渡りながら、60年の月日を過ごしてきたような圧倒的な存在感。こちらはGibsonヒストリック・コレクションのエイジド製品を、新たな領域に引き上げるプロジェクトとして立ち上げられたMurphy Labの1959 Les Paul Reissueとなります。

Gibson Custom Shop内に設立されたMurphy Labを率いるのは、ヒストリック・コレクションの黎明期を支え、エイジングのパイオニアとして知られるマスター・アーティザンのトム・マーフィー氏。トム・マーフィー氏自らが任命した7名のアーティザンがMurphy Labに所属しており、全てのMurphy Lab エイジド製品の特別なラッカー・プロセスと、エイジング作業を行っています。

Murphy Labについての詳しい内容につきましては以前私が執筆を致しましたギタセレニュースをご覧頂くとして、今回はとにもかくにもMurphy Labの雰囲気や質感をお楽しみ頂ければと思います。



不規則に入ったヘッドストックのウェザーチェック。よりリアルなウェザーチェックを施すために、新たなラッカー処理技術が開発されました。写真では分かりづらいのですが、確かに今までの塗装とは異なる質感を持っており、1950~1960年代のギブソンのラッカーに近しい雰囲気になったように見えます。

今回のモデルはHeavy Aged仕様ですので、ツアーなどで酷使されてきたかのような傷が再現されています。アニリンダイが塗布されたマホガニーが露出していますが、深みのある良い色味です。



Heavy Agedにはエイジング・レベルを進めたMurphy Lab heavy agedハードウェアが採用されています。それぞれに好みはあるかと思いますが、個人的にこの錆具合はかなりツボです。



ネック裏2~3フレット付近のマホガニーの露出。掌で擦れる部分ですので、木部とラッカーの境はとても滑らかで段差がありません。周辺のチェリーレッドが汗や体温などで褪色している様子がリアルに再現されています。古いチェリーレッドのギブソンをお持ちの方であれば、思わず唸ってしまうようなリアルな出来ではないでしょうか。

1弦側指板サイド。バインディング際のラッカーが長年の演奏によって剥がれている様子が再現されています。セルバインディング、マホガニー、ニトロセルロース・ラッカーのコントラストが美しいです。

ハイフレットでの演奏で出来るヒール(エッジ)部の傷もご覧の通り。



ストラップ・ボタン周辺やカッタウェイ部の写真からもお分かりの通り、Murphy Lab製品はトップとバックだけではなく、側面も含めたギター全体にウェザーチェックが施されています。





前述の通り塗装が変わったからでしょうか、それまでのグロスフィニッシュとも異なる独特な質感の艶が出ています。ヴィンテージ・ギターの塗装は今のものよりも硬く、濡れた様な艶が出ますが、それに近い艶の出方をしているように思います。







トグルSWプレートの文字の消え方も絶妙です。オリジナルに見られる特徴的な「R」のフォントも良く再現されています。





ピックアップカバーは均一にくすませるのではなく、弦の下とそれ以外でムラを作っています。











多くの場所に持ち出され、演奏されてきたコンセプトを持つHeavy Agedのレスポールには、赤味の褪色したGolden Poppy Burstやlemon Burstがとても良く似合います。

もちろん付属のハードケースは1950年代のブラウンケースを復刻したもので、Heavy Agedのケースには写真のようエイジングが施されています。

当時のケース同様、革には艶があります。擦れたケース・ハンドルや錆びたラッチなど、良い雰囲気でまとめられています。
別室 野原のギター部屋 Vol.12 “Murphy Lab 1959 Les Paul Standard Reissue Golden Poppy Burst”
大きな注目を集めるMurphy Lab。今回はMurphy Lab 1959 Les Paul Standard Reissue Golden Poppy Burstをピックアップしてみましたが、いかがでしたでしょうか。事前に行われたギブソン契約ディーラー向けのMurphy Lab オンライン・プレゼンテーションの時から今までとは違う雰囲気を感じていましたが、実物を目の当たりにし、その出来にただ感心をしていました。

Les Paul Reissueは60th Anniversary 1959 Les Paul Standardで行われたアップデートによって、また一歩往年のギブソンサウンドに近づきましたが、Murphy Labの新しいラッカーの影響か、更に解像度が高く音抜けが良い音に聞こえました。個体差と言われれば否定できない位のものですが、私の手元に届いたMurphy Lab6本は皆同じような傾向にあるように聞こえました。ぜひ皆様も実際に手に取り、その見た目とサウンドをお確かめになってみてください。

最後までご覧いただき、ありがとうございます。記事の内容や商品についてご質問、ギター選びについてのご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。今回の記事に登場しましたGibson Murphy Lab 1959 Les Paul Standard Reissue Golden Poppy Burstの詳細につきましては、ギタセレ商品ページをご覧頂ければと思います。

次回はMurphy Lab 1959 Les Paul Standard Reissue Factory Burstを特集予定ですので、お見逃しなく。それではこの辺で。

ギター部屋の管理人

野原 陽介プロフィール

学生の頃よりバンド活動、レコーディングなど様々な場所での演奏とヴィンテージギターショップ巡りに明け暮れる。
のちにギタークラフトを学び、島村楽器に入社。
入社後は米国Gibson社、Fender社への買い付けなどを担当。
甘いもの好き。

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