こんにちは!
ギタセレ中の人です。
これからギターという最高の相棒を手に入れようとしている皆さん!
「島村楽器のオリジナルブランド『Laid Back(レイドバック)』って実際どうなの?」という疑問を抱えていませんか?
その疑問を、開発の核心に触れる熱量たっぷりのインタビューで解消しちゃいます!
今回、Laid Back各モデルの生みの親であり、楽器開発の酸いも甘いも知り尽くしたスペシャリスト・鈴木剛太郎氏を直撃しました。
「ギターを制作するために必要な様々な工場に足を運んで試行錯誤を繰り返している」という驚きのこだわりから、初心者さんへの愛が溢れすぎて語り足りないという開発秘話まで、超特盛りボリュームでお届けします!

鈴木剛太郎
1992年島村楽器入社。
ギター製作・修理の専門知識を武器に、店舗での販売・店長職を経て、2004年より商品開発に従事。
以来20年以上にわたり中国を拠点に、オリジナルブランドの開発・製造を主導。
現地に深く根ざした生活を通じて培った、卓越したモノづくりのノウハウと情熱を製品に注ぎ込む。
Laid Backとは
気軽に、つい手にしたくなる。力を抜いて、自由なプレイを楽しめる。
「くつろいだ」「リラックスした」という意味の“Laid Back”。その名のもと、誰でも力まずリラックスして弾ける楽器に仕上げました。
リーズナブルでありながら、確かな作り。ビギナーが初めて手にする1本として、また楽器に親しんできた経験者の遊び心も刺激する1本として、ゆとりを感じながらプレイに没頭できます。
リビングのソファでくつろぎながら、つい手を伸ばして弾きたくなる。そんな手軽さと自由さが、Laid Backにあります。
「初めて買ったギターはLaid Backです!」という学生さんは多く、エレキギター の楽しさを体感できる品質を持ったブランドです。
Laid Backでは現在5モデルのエレキギターと3モデルのエレキベースを展開しており、新モデルの開発も進められています。








始まりは「失われたストーリー」!?Laid Back誕生と鈴木さんの歩み
「Laid Backって、一体いつからあるんですか?」という素朴な疑問からインタビューは始まりましたが、返ってきたのは意外すぎる答えでした。
なんと、正確な発売日は社内にも記録が残っていない「失われたストーリー」なのだそうです!
過去の断片的な資料を繋ぎ合わせると、おそらく2002年から2003年頃に産声をあげたのではないかとのこと。
島村楽器には高品質を追求した「HISTORY」とハイコストパフォーマンス製品をラインナップする「BUSKER’S」という、今なお生産が続いているブランドがすでに存在していました。
この中間に位置する存在するブランドを生み出し製品体系を整備しようとしたのが2001年頃の動きでした。
この動きがエレキギターの「Laid Back」やアコースティックギターの「James」というブランドの設立につながります。
鈴木さんが開発チームに加わったのは2004年のこと。
当時のチームは、マネージャー、開発スタッフ、事務担当者、そして鈴木さんのわずか4名という、超少数精鋭体制でした。

開発部に異動してすぐに中国の工場を訪問しました。
超少数精鋭体制で大変な部分はありましたが、あの頃の怒涛の勢いが今のLaid Backの基礎を作ったんです。




熱血販売員だった鈴木さんが、いきなり世界の製造現場の最前線へ。
この「現場を知る」という経験が、のちのLaid Backに決定的な違いをもたらすことになります。
ぶっちゃけ!Laid Backが他のブランドと「決定的に違う」ポイント


他のブランドの設計や素材は、正直あまり重要ではないんです。
と言い切る鈴木さん。
誤解を恐れずに言えば、それは「他ブランドとの比較」ではなく、常に「目の前のお客さま」だけを見ているからです。
4万円のギターに「40万円の役割」は求めない
世の中には、こだわればこだわるほど高価になる「理想の楽器」が存在します。
しかし、鈴木さんは「価格帯ごとの役割」を明確に意識しています。

40万円のギターにはその良さがありますが、4万円や5万円のギターには、その価格で手に取ってくれるお客さまが最高に喜ぶポイントがある。
コストをどこに使うか。
お店のスタッフから届く『お客さまの声』を聞くことで非常に有益な情報が得られるんです。
島村楽器は全国に店舗があり、毎日多くのお客さまとスタッフが接しています。
鈴木さん自身も、繁忙期には店頭に立ってお客さまの声を直接聞き、自分が作った楽器を買ってくれる人の表情をその目に焼き付けています。
「ギターが苦手なスタッフ」の声こそ宝の山
面白いのが、社内のギターに詳しくないスタッフからの意見も積極的に取り入れている点です。

ギターを知りすぎている人から見れば的外れな質問でも、それって『お客さまも同じように思うこと』なんですよね。
そこをどう解決し、どうお伝えしていくか。
他社のギターを研究することも大事ですが、こちらの方が当社のお客さまの役に立つケースが多いんです。
不良報告などのネガティブな意見すらも「製品改良の最大のポイント」と捉え、悔しさをバネに次の一手へと繋げる。
この執念こそがLaid Backの原動力です。
技術の結晶!日本の過酷な気候から守る「ラウンドエッジフレット」

Laid Backのスペック表で目を引く「ラウンドエッジフレット」。
左手で握る部分、ネックに打たれている金属の棒状のものがフレット。
エレキギターはこれが打たれていることによって音程が取りやすくなっています。
このフレット、演奏しているときに「際」の部分が手に触れます。
なのでフレットの「際」の処理が甘いと演奏に支障をきたすことがあります。
また、日本の気候は、木でできた楽器にとって非常に不利です。
夏は気温30度以上で湿度90%超、冬は氷点下で湿度20%を切る乾燥という激しい変化のある国です。
この環境変動により、ギターのネック(木材)が縮むと、打ち込まれた金属のフレットだけが飛び出して手が痛くなる「バリ」という現象が発生します。
ひどい場合には、演奏中に血が出ることもあるほど深刻な問題です。
前述した『お客様の声』の中には「バリが出て困る」というものがありました。
まずは快適な演奏性を実現する。
そしてバリの発生を抑えてその快適さを維持できる。
そんな方法はないか…。
それを追い求める鈴木さんがギター工場とフレット工場を巻き込んで実現した「ラウンドエッジフレット」
単なる「弾きやすさ」のためだけではなく、日本の厳しい気候への対策から生まれた、まさに執念のスペックなのです!

各メーカーさんも努力していますが、ここ数年の日本の気候変動は凄まじい。
だからこそ、設計そのものを見直そうと辿り着いたのがラウンドエッジフレットです。
フレットの端を丸め、指板の内側に少し追い込む。
皆さんが困っているところを解決したい。
そのアプローチこそがLaid Back開発の核心です。
初心者さんに「痛い」という理由でギターを嫌いになってほしくない。
そんな願いが、この滑らかな指触りに込められています。
「中国製って、実際どうなの?」という不安を、今こそ吹き飛ばせ!
「中国製って大丈夫?」という不安を持つ方もいるかもしれません。

中国製のギターは圧倒的なポテンシャルを持っています。
20年以上現地の工場に通い詰め、一緒に汗を流してきた私が言うんだから間違いありません!
鈴木さんのお話を4点にまとめました。
最新鋭の「夢の工場」
今や中国は世界中から頼りにされる生産拠点です。
日本の老舗工場をも凌ぐような、最新鋭の機械設備が惜しみなく導入された「夢の国」のような工場が数多く存在します。
最強のサプライチェーン
木材、塗料、金属パーツ、そしてケース用の布地。
あらゆる素材が中国に集まります。
大量生産ゆえの「バイイングパワー」により、良質な素材を安定して確保できるのは中国ならではの強みです。
世界中のノウハウが集結
世界中の有名メーカーの生産を受託しているため、世界基準の技術や方法論が自然と集まってきます。
20年の二人三脚
島村楽器は、中国工場の強みを活かしつつ、日本の厳しい要求レベルに応えてもらうための協力体制を20年かけて築いてきました。
弱点さえも課題として共有し、一緒に改善してきた歴史があるからこそ、今の高い品質があるのです。
「中国製だから」ではなく「この信頼関係があるから」良いものが作れる。
これがLaid Backの真実です!
















初心者さんが一本目を選ぶとき、開発者が「ここを見て!」と言うポイント

「最初のギター、どこを見て選べばいい?」という究極の問いに対し、鈴木さんの回答は最高にシンプル、かつ本質的でした。

直感と見た目。それで選んでいいんです!
「自分の楽器が気に入らないと、面白くないですよね。
僕も中学生の時に初めて手に入れた3万円のギターの嬉しさは、今でも強烈に残っています。
学校から帰って毎日弾く時のワクワク感。
あのギターが僕の人生を作ったんです。
もしあのギターが気に入らないものだったら、僕は今ここにいない。
だから皆さんも、自分の感性を信じて『これだ!』と思うものを選んでください。
「これって初心者さんには高すぎるかな?」「色が派手すぎるかな?」なんて悩む必要はありません!
並々ならぬ執念!「ファスナー工場」まで視察するケースへのこだわり
Laid Backの魅力を語る上で絶対に外せないのが、付属の「ギグバッグ(ケース)」です!
実はこのケース、Laid Backを選んだという人の決め手になるほど、驚くべき使い勝手を誇っています。

ギターケースの開発の話ですか。
これ2時間かかる話ですけど、2分にまとめて話しますね(笑)。
鈴木さんのこだわりは、まさに「狂気」のレベルです!





破壊から始まる開発
ケースを「ぐおー!」と力任せに引っ張って壊し、どこで破れるのか、どこが千切れるのかという耐久テストから開発をスタートさせます。
ファスナー工場への潜入

「なんで俺、ギター作ってるのにファスナー工場にいるんだろう?」と自問自答しながら、ファスナーや布の工場を直接視察し、理想のパーツを追い求めているそうです。
学生目線の追求



高校生が毎日学校に持って行っても壊れない耐久性。
そして、リュックのように背負える快適さ。
さらに、「これ一つあれば他に何も買わなくていい」と思えるほどの大きなポケット。
「せっかくギターを買ったのに、ケースがダメですぐに買い直す……なんて思いは絶対にさせたくない」。
そんな開発者の意地が、本体にも負けない情熱としてケースの隅々にまで宿っています。
これからのLaid Backが目指すもの

最後に、鈴木さんはLaid Backの未来について、熱く、そして等身大の想いを語ってくれました。

自分たちで新しい価値、新しい価値観を生むものを作っていきたいんです。
正直、50歳を超えた僕が作ったギターを今の中高生が喜んでくれるかという不安はあります(笑)。
だからこそ、もっとお客さまに近い目線の開発を取り入れて、進化し続けていきたい。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
「いつになっても、あの時のギター嬉しかったんだよねと言ってもらえる楽器を作りたい」。
鈴木さんのその言葉に嘘はありません。
開発者の魂が宿ったLaid Backは、単なる「初心者さん向けギター」の枠を超え、あなたの音楽人生を30年、40年と支え続ける存在を目指しています。
さあ、あなたもLaid Backと一緒に、最高にエキサイティングな音楽の旅へ出かけちゃいましょう!








