皆様こんにちは。バイヤーの平林です。
連載21回目となる今回は、先日入荷した特別な1本をご紹介します。
2026年初頭、メリーランド州スティーヴンスヴィルにある PRS USA ファクトリーを訪問した際に、現地で直接買い付けてきた「CUSTOM 24 10-TOP/-XX-Sprayer’s Choice」です。
こちらの個体は入荷直後に即完売となりましたが、PRS の今を感じる本当に素晴らしい仕上がりでしたので、アーカイブとして皆様にご紹介させていただきます。
CUSTOM 24 10-TOP / -XX-Sprayer’s Choice

続いて、ボディバック全体もご覧ください。

Sprayer’s Choice とは

Sprayer’s Choice は、PRS USA ファクトリーの塗装職人(スプレイヤー)が、自らの感性と独自のセンスでカラーリングを施した特別なプロダクトです。
上記の Crackle カラーに関しては PRS インスタグラム にて塗装の様子がご覧いただけます。

PRS の Employee Spotlight にて、Brad Bowman 氏のインタビューがご覧いただけます。
Product Overview

本個体の特筆すべき点は、バック面に採用された鮮烈な「ブルー・スパークル・フィニッシュ」です。
現地でこの個体に出会った瞬間、その唯一無二の存在感と美しさに、文字通り“一目惚れ”し、その場で即決買い付けを行いました。
職人の遊び心と情熱が宿る、芸術的なルックスをお楽しみいただけます。

一般的に、塗りつぶしのカラー(ソリッドカラー)が採用されるモデルでは、木目の美しさが問われないため、材料選定の基準が緩められることも少なくありません。しかし PRS にその例外は存在しません。
本モデルのボディバックに採用されているマホガニーも、一切の妥協を排したハイクオリティなマテリアルのみを使用しています。
軽量でありながらも、中低域に粘りと深みをもたらす厳選されたこの材は、PRS 特有のロングサスティーンとファットなトーンを生み出す原動力となっています。

本個体は、あえてその上質なマホガニーを鮮烈な「ブルー・スパークル・カラー」で彩っています。
最高級のサウンドクオリティという土台があるからこそ、フィニッシュで大胆に遊ぶことができるという、PRS の自信とプライドの象徴でもあります。

さらに、この個体の顔とも言えるボディトップには、ワイドかつ深く波打つような揺らぎが特徴の素晴らしいフレイムメイプルが使用されています。
驚かされるのは、その杢目の奥行きです。PRS の厳格な基準において「10枚に1枚の美しさ」とされる「10-Top」グレードですが、本作に使用されたマテリアルは、その10-Top グレードを凌駕するかのような見事な立体感です。

センターから外側に向けて力強く、かつ均整の取れたブックマッチで広がるワイド・フレイムは、大自然が生み出した芸術そのものです。
この揺らぎの強い杢目は、PRS 特有の明瞭なアタック感と、煌びやかな高音域の輝きをサウンドにもたらします。

先述した「ブルー・スパークル」のボディバックとのコントラストは「伝統的なトーンウッドの美しさ」と「現代的な華やかな輝き」が同居する、唯一無二のルックスです。

ヘッド・ヴェニアには、上質なインディアン・ローズウッドを採用しています。指板との統一感を持たせることで、楽器全体に落ち着いた高級感を与えています。
2024年から新たに採用されたウィング・ペグボタンですが、PRS の代名詞である12フレットのバードインレイをイメージさせる美しいデザインで、ヘッド周りをよりモダンに彩るだけでなく、その形状から指へのフィット感、自然な弦振動の伝達によりサウンドも向上しています。
デザインと機能性が融合した、最新の PRS を感じるアップデートとなっています。

フィンガーボードには、しっとりとした手馴染みと、粘りのあるトーンを生み出すインディアン・ローズウッドを採用しています。そのダークな色調の上で、PRS の象徴である「バードインレイ」がひときわ鮮やかな輝きを放ちます。
バードインレイは単なる装飾ではなく、瞬時にポジションを把握できる優れた「視認性」を両立させています。指板の上で一羽一羽が羽ばたくような優雅なルックスは、プレイヤーの創造性を刺激し、手に取るたびに高揚感を与えてくれる特別なデザインです。

ヘッドストックの裏側に目を向けると、シリアルナンバーと製造年、10-Top の記載が入ります。
こちらは創業以来継続しているスタイルで、PRS ならではの伝統的なディテールです。

ボディバックからそのまま繋がるように、ネックの裏側も鮮やかな「ブルー・スパークル」で統一されています。
本個体の輝きを、手のひらで感じることができる仕上がりです。

バックパネルには、PRS のファクトリー内で創業者であるポール・リード・スミス氏に直接書いていただいた、直筆サインが入ります。
ポール氏の楽器製作への情熱が、ダイレクトに注ぎ込まれているのを感じます。
Specs
BODY
Body Construction : Solidbody
Top Wood : Maple
Back Wood : Mahogany
Top Carve : Violin
NECK
Number of Frets : 24
Scale Length : 25
Neck Wood : Mahogany
Neck Construction : One-Piece
Truss Rod : PRS Double-Acting
Neck Shape : Pattern Thin
Neck Depth at the 1/2 Fret : 53/64
Neck Depth at the 12 1/2 Fret : 57/64
Neck Width at the Nut : 1 11/16
Neck Width at the Body : 2 1/4
Fretboard Wood : Rosewood
Fretboard Radius : 10
Fretboard Inlay : Birds
Headstock Veneer : Rosewood
Headstock Logo : Signature, Inlaid
NECK/BODY ASSEMBLY
FINISH
Finish Type : High-Gloss Nitro
HARDWARE
Bridge : PRS Patented Tremolo, Gen III
Tuners : PRS Phase III Locking Tuners with Wing Buttons
Hardware Type : Nickel
Nut : PRS
Truss Rod Cover : Custom
ELECTRONICS
Treble Pickup : PRS DMO Treble
Bass Pickup : PRS DMO Bass
Controls : Volume and Tone Control with 5-Way Blade Pickup Switch
ADDITIONAL INFO
Strings : PRS Signature 10-46
Tuning : Standard (6 String): E, A, D, G, B, E
Case : PRS ATA Multi-Fit Molded Case, D1
Options : 10 Top with Hybrid Hardware
※こちらの個体は既に販売済みとなっております。
さいごに
長文にお付き合いいただき、誠にありがとうございます。
本記事が皆様のギターライフが豊かになる一助になれば幸いです。

平林 大一プロフィール
埼玉県出身。現在は静岡県に移り住んで15年が経過。
趣味は釣りとワインで、自然の中でリラックスする時間や美味しいワインを楽しむのが大好き。
2024年現在、PRS USAファクトリーでのオーダーやGIBSONナッシュビルでのバイヤー業務、国内外のギター・ベース、アンプやペダルのオーダーに携わっている。
所有楽器はPRS Private StockやAMPをはじめ、Fender 1963 Stratocaster、Gibson CS LP、Ken Smith BSR5、Vintage Ibanez & Maxonなど多岐に渡る。







