【実機レビューあり】BOSS GX-100|高品位なサウンドと高い汎用性を備えたマルチ・エフェクターが登場!
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BOSS より GX-100 が登場します。
AIRD プリアンプをはじめとした、フラッグシップモデル GT-1000 の高品位なサウンドを継承。
さらにタッチ操作に対応した視認性の高いカラー・ディスプレイや、オーディオ・インターフェース機能と専用アプリに対応したUSB接続、オプションのBluetoothアダプターを装着することでスマートフォンからのワイヤレス・エディットや楽曲のストリーミング再生も可能など、高い汎用性も備えたモデルとなっています。
BOSS GX-100
メーカー | BOSS |
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型名 | GX-100 |
メーカー希望小売価格 | オープンプライス |
販売価格 | (税込) ¥69,850 (税抜 ¥63,500) |
JAN | 4957054517809 |
発売予定日 | 2022年3月26日(土) |
特徴
AIRDプリアンプによる生々しいチューブ・アンプ・サウンドとレスポンス
GX-100 はフラッグシップ・モデル GT-1000 より受け継がれた AIRD アンプを搭載。
ダイナミックなチューブ・アンプ・サウンドと優れたレスポンスを得ることができます。
アンプ・タイプはベース用を含め、高品位な 23 種類を厳選して搭載。
クラシック・スタイルから BOSS オリジナルのモデルまで、幅広いキャラクターから選択できます。
専用アプリを使用し外部 IR データを読み込めば、音作りの可能性はさらに広がります。
高品位なエフェクト群
フラッグシップの GT-1000 から譲り受けた最高峰の BOSS エフェクトを 150 種類以上搭載しています。
定番のオーバードライブやディストーションをはじめ、リングモジュレーターなどの積極的な音作りができるエフェクトまで幅広く網羅。
デジタル最高峰のコンパクト・ペダル、Xシリーズのアルゴリズムを使用したエフェクトやベース専用設計のエフェクトも搭載しています。
また、SEND/RETURN 端子を活用すれば、お気に入りのエフェクト・ペダルだけでなく、アンプを 4 ケーブル・メソッド接続でルーティングに取り込むことも可能。
GX-100 のサウンドと組み合わせてメモリーとして保存、瞬時に呼び出し演奏を行えます。
自由度の高いサウンド・メイキング
GX-100 は即戦力となるメモリーを多数用意していますが、ゼロからのサウンド・メイキングも簡単に行えます。
最大 15 個のエフェクト・ブロックを同時に使用でき、エフェクトの割り当てもドラッグ操作で簡単かつ自由に行えます。
プリアンプは最大で 2 つまで同時に使用できるため、ディバイダーで異なるタイプをパラレルで接続、ミキサーで好みのバランスで音色をミックスするなどの緻密なサウンド・メイキングにも対応可能。
スムーズかつ合理的な操作感
GX-100 のインターフェースは合理的な設計が施されています。
視認性の高いカラー・ディスプレイはタッチ操作に対応しており、ディスプレイ下に搭載された4つのノブと組み合わせることでスムーズな操作が可能。
ルーティング画面でのエフェクト・ブロック追加や接続順の変更など、大きな動きが必要な操作はディスプレイをドラッグ、各エフェクトのパラメーターの微調整は 4 つのノブで行うなど、内容に応じたフレキシブルな操作が快適なエディットを実現します。
柔軟性の高いコントロール機能
音色のコントロールは、あらかじめ作成したメモリーを切り替えて操作する MEMORY モードと、エフェクトを個別に ON/OFF して使用する MANUAL モードを搭載。
8つのフットスイッチは設定したパラメーターを個別に操作するスイッチとしても使用可能です。
選択済みメモリーのフットスイッチを再度踏むことで、任意の機能を発動させるカレント・ナンバー機能も搭載しているので、バッキングからリードにメモリーを変更した後、再度同じフットスイッチを踏むことでディレイのオンを行う、といった操作を行うこともできます。
外部拡張端子も備えているため、エクスプレッション・ペダルを増設してボリューム・ペダルとペダル・エフェクトを使い分けたり、GX-100 からアンプのチャンネル切り替え信号を送ったりすることも可能。
MIDI コントロールにも対応しているため、GX-100 を司令塔として様々な機器を操作することもできます。
便利な機能
GX-100 は、様々なシーンで活躍するマルチ・エフェクターです。
USB オーディオ・インターフェース機能による DAW への録音を始め、ヘッドホン端子を用いた自宅での練習が可能です。
エフェクト・ブロックにルーパーをセットアップすれば、ソロ・パフォーマンスはもちろん、フレーズを繰り返し再生した状態でのサウンド・メイキングも行えます。
専用アプリ『BOSS TONE STUDIO』
GX-100 専用アプリ BOSS TONE STUDIO(Windows/Mac)を使用すれば、PC 上でサウンド・メイキングを行ったり、ライブラリアン機能を用いたメモリーのバックアップや管理、入れ替えも可能。
オプションの Bluetooth® Audio MIDI Dual Adaptor(BT-DUAL)を装着すれば、スマートフォンやタブレットからワイヤレスで BOSS TONE STUDIO(iOS/Android)の使用や、Bluetooth でのオーディオ再生も行えます。
仕様
●サンプリング周波数:48kHz
● AD変換:24ビット+AF方式 ※AF方式(Adaptive Focus method)はAD コンバーターのSN比を飛躍的に向上させるローランド/ボス独自の方式です。
● DA変換:24ビット
●内部演算:32ビット浮動小数点
●エフェクト・タイプ:154 種類
●最大同時使用エフェクト数:15+3 (DIVIDER/MIXER、SEND/RETURN、PHRASE LOOP) ※使用状況により異なります
●メモリー:200(ユーザー)+100(プリセット)
●フレーズ・ループ:38 秒(モノ)、19 秒(ステレオ)
●チューナー内部検出精度:± 0.1cent
●規定入力レベル:INPUT:-10dBu、RETURN:-10dBu
●最大入力レベル:INPUT:+18dBu、RETURN:+8dBu
●入力インピーダンス INPUT:1M Ω、RETURN:1M Ω
●規定出力レベル:OUTPUT L/MONO、R:-10dBu、PHONES:-10dBu、SEND:-10dBu
●出力インピーダンス:OUTPUT L/MONO、R:1k Ω、PHONES:44 Ω、SEND:1k Ω
●推奨負荷インピーダンス:OUTPUT L/MONO、R:10k Ω以上、PHONES:44 Ω以上、SEND:10k Ω以上
●コントロール:BANK ▼スイッチ、BANK ▲スイッチ、CTL1 スイッチ、CTL2/TUNER スイッチ、1 ~ 4 スイッチ、POWER スイッチ、EXP1 スイッチ、GND LIFT スイッチ、EFFECTS ボタン、CTL/EXP ボタン、MENU ボタン、EXIT ボタン、WRITE ボタン、IN/OUT SETTINGS ボタン、PAGE ボタン、1 ~ 4 つまみ、SELECT つまみ、OUTPUT LEVEL つまみ、EXP1 ペダル
●ディスプレイ:カラーグラフィックLCD(480 × 272 ドット)タッチ・スクリーン付
●接続端子 INPUT 端子、OUTPUT(L/MONO, R)端子、SEND 端子、RETURN 端子:標準タイプ、PHONES 端子:ステレオ標準タイプ、CTL3, 4/EXP2 端子、AMP CTL1, 2 端子:TRS 標準タイプ、MIDI(IN、OUT)端子、USB COMPUTER 端子:USB B タイプ、Bluetooth ADAPTOR 端子:専用タイプ、DC IN 端子
●電源:ACアダプター
●消費電流:1.2A
●外形寸法:460(幅)×193(奥行)×73(高さ)mm
●外形寸法(ペダル傾き最大時):460(幅)×193(奥行)×94(高さ)mm
●質量(電池含む):3.5kg
●付属品:AC アダプター(PSB-1U + AC コードセット)、取扱説明書、「安全上のご注意」チラシ、保証書、ローランド ユーザー登録カード
発売前実機レビュー!
こちらの GX-100、なんと発売前に実機をお借りする事ができましたので最速レビューをお届けいたします!
外観
まず筐体ですが奥行きが 193 mm とスリムなデザインとなっています。
単体での持ち運びやすさはもちろんですが、昨今ではセンドリターンにお気に入りの歪みペダルを繋いで一緒に使用するという方も多いので、エフェクターボード内にも組み込みやすくなっていると感じました。
トップパネル
液晶画面と4つの物理ノブによって構成される、BOSS定番のレイアウトとなっています。
液晶はタッチ操作対応となり、さらにカラー表示にもなった事で視認性も大きく向上しました。
その他のボタンも頻繁にコントロールしたい機能へアクセスしやすい数、レイアウトにまとまっています。
特に「IN/OUT SETTINGS」のボタンが独立しているのはポイントだと思います!
「家ではモニタースピーカーに、スタジオやライブではアンプのインプットやセンドリターンに」など接続先を変えるというのはよくある事ですし、ここのセッティングが適切でないと音質にも影響が出てしまいます。
他社のマルチエフェクターだとメニュー画面から階層を潜っていく必要があるものが多いので、プレイヤーとしては非常にありがたいですね!
フットスイッチは 1~4 のプリセット切り替え、バンクの切り替え、コントロール(C1、C2)に割り振った機能の ON/OFF という構成。
フットスイッチ自体はクリックレスとなっているので静音性が高いだけでなく、少ないアクションで操作する事が可能です。
立って演奏している時にフットスイッチを踏もうとすると、意外と踏めていない時があって慌てて踏み直すなんて経験がある方も一定数いらっしゃると思います。
ぜひクリックレスの操作性は一度体感していただきたいところです!
ペダルも筐体と同素材の堅牢なものを装備しています。
あと面白い機能だなと感じたのが、画像のようにペダルを最小位置にすると...
設定次第ではチューナーが自動で ON になるようにできます!
細かなポイントではありますが、ペダルを最小位置に~チューナーがアサインされたボタンを操作という 2 工程の手順が 1 工程になるのは嬉しいです。
リアパネル
入出力もギター・ベースをプレイするのに必要十分なものを装備。
コントロールの拡張端子もあるので、プレイヤーの「できたらいいな」に幅広く対応できます。
隣には話題のBluetoothアダプター「BT-DUAL」の接続端子が。
▲BOSS BT-DUAL
これを使用すると GX-100 の設定がワイヤレスで行なえるようになります。
「必要ないんじゃね?」と考える方もいらっしゃると思いますが、例えばスタジオで音作りをされている際にギターを弾いて「ちょっと違うな」となったら、その場にかがんでエフェクターを操作して再度立ってチェックするシチュエーションは頻繁に発生します。
この動作って意外としんどくないですか?笑
これが発生しないだけでもプレイ中のストレスがかなり減るので、かなり有意義な機能だなと筆者は感じます!
音質・エフェクト
AIRDプリアンプについて
フラッグシップモデルである GT-1000 より実装された「AIRDプリアンプ」を本機も譲り受けています。
ただ昨今のアンプシミュレーターというのはどれも高音質なので正直何を選んでも問題はない世の中になっていますよね。
そんな中、筆者がこの「AIRDプリアンプ」の強みに感じたのは「音の奥行き感」になります。
「AIRD」という技術はそもそも BOSS アンプの設計コンセプトにある「Tube Logic」に基づいたものです。
「Tube Logic」とは実際のアンプの音をプリアンプ、パワーアンプ、スピーカーという各セクションで考えるのではなく「それらの組み合わせによって再生される音を再現する」という技術になります。
▲従来のモデリングは「アンプ」と「スピーカー」を別々に考えていた。
この技術はギターアンプという製品であれば単独で成り立ちますが、マルチエフェクターのような「自己で音を再生する機器を備えていない」製品では不完全なものになってしまいます。
▲ AIRD 技術のイメージ。
そこで開発されたのが「AIRD」で、接続される機器に応じて「プリアンプやスピーカーの組み合わせはそのままに音響特性や電気的な影響を可変させ音質を最適化する」事ができるのです。
テキストとして読むと少し分かりづらいかもしれませんが、実機を触っていただけたらすぐに感じていただけると思います!
筆者はレビュー時はモニタースピーカーにライン出力していたのですが、音の奥行き感にものすごく生々しさを感じました。
特に「X-MODDED」が個人的にはオススメです!
プリセットの中にあらかじめ入ってますので特に設定を変えずそのまま試してみてくださいね!
エフェクトについて
続いてエフェクトですが、ルーティン画面がこちら。
こちらもカラーになった事で視認性が向上しています。
また、BOSS マルチエフェクターの強みというのはやはり「BOSS コンパクトエフェクターの音が入っている」ではないでしょうか?
▲ BOSS コンパクトエフェクターの代表格「SD-1」「DS-1」「BD-2」
▲ OD-1 や BD-2 などのオーバードライブ
▲ MT-2 や HM-2 などのディストーション
▲ PS-6 や DD に内蔵される特有のディレイタイプなど
特に歪みに関して、ギタリストはスタジオやライブハウスの定番アンプ「Roland JC-120」を使いこなそうと様々なエフェクターを試し、次第に音作りの正解が分からなくなってくる事があると思います。
筆者もツマミがたくさん付いている多機能なものから有名アンプブランドが出しているものなど試してきました。
そんな音作りに疲れたときに改めて BOSS コンパクトエフェクターを試すと「あ、シンプルにええやん(笑)」と原点回帰できるんですよね。
本機には元ネタの分かりやすい歪みのモデリングが豊富に搭載されているので、音作りのしやすさも良好です。
その他、モジュレーションやディレイなどで BOSS ならではのエフェクトもしっかり受け継がれていますので、替えが効かなかったコンパクトエフェクターをマルチに集約する、なんて事もできるかもしれません。
直感操作が可能なマニュアルモード
こちらは各フットスイッチにアサインしたエフェクトなどを制御するマニュアルモードの状態。
エフェクトの種類によってフットスイッチ上部の LED カラーも変わるので「今、何のエフェクトが ON になっているのか?」確認がしやすいです。
それぞれのフットスイッチに「何の機能をアサインするか?」も詳細に設定する事ができます。
先ほどの「ペダルを最小位置にするとチューナーが ON になる」もこちらで設定が可能です。
その他
メニュー画面を開くとこのようなボタン表示がされます。
タッチパネル式になってますので直感的に操作する事ができます。
遷移先のページでは上の画像のように「どういう時に選択するか?」が分かる説明文が表示されたりします。
マルチエフェクターあるあるとして「選択すべき項目が分からない」というのもあると思いますので、ユーザーライクな設計になっています。
「ユーザーライクの極みだな!」と感じたのが「マニュアルに遷移できる QR コード」を本体上で表示できる事です。
いちいちスマホで検索して表示させるのって手間なので「さすがは BOSS!分かってるなぁ!」と感動いたしました。
さいごに
いかがでしたでしょうか?
BOSS から満を持して登場したマルチエフェクター「GX-100」ですが、正直想像以上の完成度でした!
こちらの商品は下記の Roland Planet 展開店にて先行展示予定です。
北海道地区:札幌パルコ店
東北地区:仙台ロフト店
東京地区:新宿PePe店
神奈川地区:川崎ルフロン店
甲信越・北陸地区:金沢フォーラス店
東海地区:名古屋パルコ店
中国・四国地区:広島パルコ店
また Roland Planet 展開店はもちろん、全国の島村楽器の店頭にも続々入荷予定ですので見かけたらぜひ試してみてくださいね!