世の中にギター・シールドってどのくらい種類があるんでしょう?
検証欲が止まりません。
第四弾は以下の2ブランドで行ってみましょ~!
まずはOrange。先日発売されたばかりのNEWシールドです。
Cliff Cooperが1968年に設立したOrangeは、これまで数多くのミュージシャンを魅了し、そのサウンドを支えてきました。
Glenn Hughes、Jimmy Page、Jim Root、Evanescence、椎名林檎、などなど数えればきりがないほどのミュージシャンがOrangeアンプに信頼を置いてきました。
そんなOrangeが満を持して発売したのが今回のOrange Professional Cablesです。
日本製にこだわった製品を多く販売しているLive Lineは1979年創業の(株)TMCのブランドです。
今回取り上げるシールドだけでなく、倉敷市児島産のリアル畳縁を使ったストラップや本革製のストラップ、さらにはドラムバッグなどなどこだわりの製品を生み出し続けています。
今回の3シリーズももちろんオール日本製。品質に自信を持つLive Lineの実力やいかに?
【おさらい】基準シールドと使用楽器
もうご存知かと思いますが、基準です。基準&ルールについての細かいお話は「Belden編」をご参照下さいませ。
基準シールド | CANARE G03 |
---|
販売価格 | ¥2,200(税込) |
---|
使用シールド | 3m |
---|
使用楽器 | ギター:History GH-SV/C(シングル・コイル) ベース:Cool-Z ZJB-1R/5(ジャズベース・タイプ・パッシブPU) |
---|
検証スタート!
まずはOrangeからいってみましょう。
①Orange『Professional guitar cable』3m S/L
CA-JJ-ANIN-BL-10 BLK 販売価格¥5,940(税込)
今回のみ、S-Lシールドになってしまいました、ゴメンナサイ。
Orangeから発売されたシールドは、ノイトリック・プラグを使用したハイ・クオリティ・ケーブルですね。
Orangeというと老舗のイメージですが、このシールドの構造を見ると老舗ながらも先進的なイメージを持たれるかもしれませんね。
こちらがその構造。
無酸素銅の芯線に、こだわりのシールディングと、編みこみのシースがOrangeの本気を感じさせてくれます。
ノイトリック・プラグを使用しているのも見逃せません。
今回はBlack シールドで検証していますが、シース(外皮)部分がオレンジ色のバージョンも発売されています。
【ギター】クリアさとヴィンテージ感を同居させた不思議なサウンドですね~ ピークは中域より少し低いところにある印象です。Orangeというブランドのシールドらしい、「イギリス」を感じさせてくれます。Led Zeppelinのようなブリティッシュ・ロックに合いそうです。
【ベース】Orangeアンプのふくよかで温かみのあるサウンドはシールドでも健在ですね。丸くて温かいサウンドはPOPSなどに合いそうです。ベースでも和音を鳴らしたくなります。
この価格帯では珍しい、編みこみのシースです。その効用か、非常に柔らかく取り回しがいいですね。ステージで絡みが少なくなってうれしいです。
ノイトリック・プラグは頑丈で断線に強いというメリットがあります。このルックスが何よりも頑丈そう! ところがこのノイトリック、実はかなり軽量に出来ているんです。そのためか、シールド全体が軽く、使いやすい印象でした。
サウンドにおいては上記のように「ブリティッシュ」という印象が強いシールドです。ここまでブランドイメージどおりの色をしっかり出しているシールドというのも珍しいと思います。Orange好きには、ルックスだけでなくサウンド的にもオススメです。
オススメマッチング
やはりブリティッシュ・ロック的なヴィンテージ感溢れるギターに使いたいですよね。
ベースももちろん、そのイメージで!
ちなみにOrangeシールドにはホルダーも付属していますよ~
②Live Line『“Pure Craft” Studio Series Cable』3m S/S
LSC3MS/S 販売価格¥5,280(税込)
「楽器のもつサウンドをこのうえなくピュアに、そしてダイレクトにアンプまで伝える」「ヌケのよい音質と優れた耐久性を兼備える」がコンセプトの“Pure Craft”シリーズ。深い緑色のシールドケーブルと、信頼度の高いSwitchcraft製280(S)/226(L)プラグにアンティーク染色を施して、独特の存在感を放っていますね。
ちなみに構造図はこちら。
芯線が特徴的で、0.08mmのOFC銅線を150本使用して構成しています。
【ギター】見た目のヴィンテージ感とは裏腹に、とてもモダンな印象のサウンドですね。レンジも広く、素直な音がします。クリーンでも歪みでもクリアに鳴ってくれるので、マルチで活躍するシールドという感じですね。
【ベース】幅広い音域がナチュラルに出てくれます。今使っているシールドに物足りなさを感じている人はぜひ使ってみて頂きたいです。
“Pure Craft”の名のとおり、とてもPureな感じです。音抜けも良く、シールド自体が柔らかいので取り回しも楽に出来そうです。「熟練したハンダ職人が1本1本ハンドクラフトしている」との事で、Live Lineのこだわりが強く反映されていると思います。
パッケージの中に、麻製のシールドバッグが付属しているのも見逃せません。↓ これでシールドの劣化を防いでくれます。
さらにこちら、「永久保証つき」なので安心して使用できますね。保証内容に関してはこちらをご覧下さい。
オススメマッチング
ヴィンテージなルックスでモダンなサウンド、そんなギターにピッタリのLive Line Pure Craft。
③Live Line『Advance Series Cable』3m S/S
LAW-3mS/SPU 販売価格¥3,190(税込)
2013年1月に発売されたばかりのニュー・シリーズです。白いシールド・ケーブルとカラフルなキャップをあしらったプラグで見た目にインパクトのあるモデルですね。
このシールド、見た目にこだわっているだけかと思いきや、その音にも国産ならではのこだわりが施されています。
プラグには国産のオリジナル・プラグを採用してこちらも熟練したクラフトマンがひとつひとつ手作業によって丁寧なハンダ付けを行われています。やはりハンダって重要ですよね。出音がどうなるか楽しみです。
【ギター】こちらは“Pure Craft”シリーズとは逆に、モダンな見た目ながらヴィンテージな質感です。音に心地よい丸みがあって厚みが感じられます。ノイズも少なめでこれもマルチなシールドです。
【ベース】コシがあって輪郭もハッキリしていますが、音が細いわけではありません。音が前に出てくるのでバンドの中で埋もれない印象です。
やはりルックスが「白」ということもあって、第一期~第三期くらいのDEEP PURPLEなどに音も見た目もハマりそうです。
ちなみにプラグ・キャップのカラバリもあります。↓
オススメマッチング
もちろんコレですね、ラージヘッド・ストラト。リッチー・ブラックモアを感じて下さい。
ベースはゴリゴリなロックでいきましょう!
④Live Line『LE-Stage Series』3m S/S
LAW-3mS/SPU 販売価格¥1,980(税込)
基準であるCANAREシールドを下回る価格のシールドは初ですね。そのコスパっぷりが期待されますが、どうでしょうか。
こちらはAdvanceシリーズより若干細めのシールドを使用していますね。この価格でもLive Lineお得意の「熟練したクラフトマンによる手作業ハンダ付け」は実施されています。Live Lineがいかにハンダを大切にしているかが分かります。
プラグのキャップ部分は面取りされて抜き差しがし易いです。
【ギター】価格はCANAREと同じくらいですが、やはりキャラクターに違いが出ます。CANAREは高域がしっかり出てくる感じですが、そこを押さえて音に丸みを持たせ、厚みが感じられます。
【ベース】明るい音質で、ポイントを押さえた実用的なシールドです。
音にハリが欲しいならCANARE、少し丸くしたいならLive Line LE-Stageというところでしょうか。シールドの取り回しはこちらの方がしやすい印象です。低価格帯のシールドの中ではCANAREと共に汎用性が高いモデルだと思います。
オススメマッチング
初心者モデルをお持ちの方、このシールドに換えてみて下さい!
高音域に丸みが出て心地よいバランスになると思います。
検証後記
今回はヴィンテージよりな質感のシールドが多かったと思います。Live Lineは日本製、手作業ハンダとの事なのでもう少しハイファイな音を創造していましたが、ギター用らしい、いい意味でのローファイ感を持っていました。
世の中のシールドには値段もピンキリで存在していますが、低価格帯でもしっかりこだわりを持って生産されているLive Lineのシールドに安心感を覚えます。
Orangeに関しても、Orangeらしい音質が魅力のサウンドですね。個人的に編みこみのシールドの肌触りが好きなのも相まって、かなり好印象でした。
スペック表
各シールドのスペック表を載せておきますので、シールド選びの参考にしてみて下さいね。
Oyaideシールドのご注文は島村楽器各店までどうぞ
中の人オススメ・マッチング
最後に、「このギターで使用すると、相性がよさそう」という中の人のオススメ・マッチングを紹介します!