⑦JVM410H
ここまでは、Marshallの長い歴史の中で名機と呼ばれるものをリイシューしたモデル達でした。JVMはそんなMarshallの偉大な歴史を踏まえて開発されたフラッグシップ・シリーズ。Marshallから、現代の音楽、ギターに対するサウンドの答えとも言えます。
JVMは先ほどのJCM800 2203、そして1959のサウンドを基に開発されました。Marshallらしいサウンドは継承されています。
JVMの最大の特徴は、超が付くほどのクリーントーンから劇歪みまで、圧倒的に幅広いトーンにあります。このJVM410HはそんなJVMの100w、ヘッドバージョン。4チャンネル装備してそれぞれが更に3つのモードを持つという、最大で12音色を作ることが出来るモンスターマシンです。
~スペック~
- MODEL: JVM410H
- RANGE: JVM
- TECHNOLOGY: VALVE
- CHANNELS: 4
- WATTAGE: 100W
- INPUTS: 1(+MIDI)
- CONTROLS: VOLUME/GAIN/BASS/MIDDLE/TREBLE x 4, REVERB x 4, CHANNEL SELECT x 4, PRESENCE, RESONANCE, FX LOOP, FOOTSWITCH/PROGRAMME
- PRE AMP VALVES: 4 × ECC83
- POWER AMP VALVES: 1 × ECC83 , 4 × EL34
- FOOTSWITCH: PEDL-10044
- WEIGHT: 22kg
- DIMENSIONS(W × H × D): 750mm × 310mm × 215mm
- MASTER VOLUME: YES × 2
- EFFECTS: REVERB × 4
- EFFECTS LOOP: YES × 2
- UNIQUE: PROGRAMMABLE FOOTSWITCH / 3 MODES PER CHANNEL
後ろのパネルも金ではなく黒に変わり、「へヴィなサウンド、出せますよ」感が漂います。
~JVM410H デモンストレーション by mi-ya~
JVM410Hはクリーンも歪みもウリなので、どちらもデモして頂きました。
まずクリーンはCLEANチャンネルの緑モード。一番クリーンな状態です。
歪はOD1の赤モードで。OD2はどちらかというとドンシャリ傾向でOD1がミドル強めのサウンド。mi-yaさんのお気に入りはOD1です。
曲は21gの「21Generation」。
~サウンドインプレッション~
いやぁ、さすがのフラッグシップ。クリーントーンのクリアさとディストーションの歪みとの差がしっかり出ています。
「1959サウンドを再現した」 と言われているクリーンチャンネルのサウンド。最新機種ならではのハイファイ感もありながら、1959らしい少しファットな印象とうまくミックスされています。歪みはOD1チャンネルを使用したため、太くコシのあるサウンドになっていますね。スタジオ定番のJCM900やJCM2000をさらに進化させたような歪みです。
※OD2はドンシャリ傾向のあるチャンネルです。
⑧JVM205H
先ほどはJVM4シリーズだったので4チャンネル。今度は2チャンネル仕様のJVM2シリーズです。
JVMヘッドには4チャンネル(100wのみ)と2チャンネル、そして2チャンネルには100wと50wがラインナップされています。同じ100wであれば4も2もサウンドは同じでチャンネル数を少なくしているという仕様なので、JVM210Hのデモは今回省略しました。
JVM410同様、各チャンネルには3つのモードがあるので、JVM205Hは6音色を操る事が出来ます。「チャンネルは2つで十分、その分まとまったサウンドで、ピッキングへの追従もしっかり欲しい」という方にはこのJVM205Hという選択肢が一番です。
~スペック~
- MODEL: JVM205H
- RANGE: JVM
- TECHNOLOGY: VALVE
- CHANNELS: 2
- WATTAGE: 50W
- INPUTS: 1(+MIDI)
- CONTROLS: VOLUME/GAIN/BASS/MIDDLE/TREBLE x 2, REVERB x 2, CHANNEL SELECT x 2, PRESENCE, RESONANCE, FX LOOP, FOOTSWITCH/PROGRAMME
- PRE AMP VALVES: 4 × ECC83
- POWER AMP VALVES: 1 × ECC83 , 2 × EL34
- FOOTSWITCH: PEDL-10045
- WEIGHT: 22kg
- DIMENSIONS(W × H × D): 750mm × 310mm × 215mm
- MASTER VOLUME: YES × 2
- EFFECTS: REVERB × 2
- EFFECTS LOOP: YES × 2
- UNIQUE: PROGRAMMABLE FOOTSWITCH / 3 MODES PER CHANNEL
~JVM205H デモンストレーション by mi-ya~
mi-yaさんはこのJVM205Hをそうとうお気に入りの様子で、いろんなサウンドを作って試していました。
曲は21gの「21Generation」。
~サウンドインプレッション~
50w出力になった事でJTM45の時のようなサウンドの変化が見られました。クリーンの変化はほぼ分からない程度ですが、やはり歪みはJVM410Hと同じセッティングにしているにも関わらず、音にまとまりが感じられます。粒が揃うとでも言えるでしょうか。和音の数が増えてもしっかり分離の良いサウンドに聞こえます。
なんだかMarshallの50wヘッドの魅力に取り憑かれてしまいそう…(mi-yaさんは既に取り憑かれていましたよw)
⑨JVM410HJS
最後にJVM410Hのジョー・サトリアーニ、シグネイチャー・モデルのJVM410HJSをデモしてみます。
このモデルは通常のJVM410Hの各チャンネルからリバーブを撤去。そのかわりノイズゲートを設置するという、歪ませてもノイズを除去したいと言うジョーのリクエストが形になっています。
また、クリーンチャンネルは30周年記念モデル6100をベースに作成。「オレンジ・モードとレッド・モードは、このトーンをさらに“ホット”にしたサウンド」と解説されています。
OD1、OD2のサウンドを全く同じにしてあるものもジョー流。410のOD1サウンドのゲインを抑えめにしたニュアンスです。
~スペック~
- MODEL: JVM410HJS
- RANGE: JVM
- TECHNOLOGY: VALVE
- CHANNELS: 4
- WATTAGE: 100W
- INPUTS: 1(+MIDI)
- CONTROLS: VOLUME/GAIN/BASS/MIDDLE/TREBLE x 4, GATES x 4, CHANNEL SELECT x 4, MID FREQ, PRESENCE, RESONANCE, FX LOOP, FOOTSWITCH/PROGRAMME
- PRE AMP VALVES: 4 × ECC83
- POWER AMP VALVES: 1 × ECC83 , 4 × EL34
- FOOTSWITCH: PEDL-10055
- WEIGHT: 22kg
- DIMENSIONS(W × H × D): 750mm × 310mm × 215mm
- MASTER VOLUME: YES x 2
- EFFECTS: INDEPENDENT NOISE GATES x 4
- EFFECTS LOOP: YES x 2
- UNIQUE: PROGRAMMABLE FOOTSWITCH / 3 MODES PER CHANNEL / INDEPENDENT NOISE GATES / MID SHIFT
~JVM410HJS デモンストレーション by mi-ya~
JSモデルではmi-yaさん、OD1を選択。コントロール類はこんな感じで。オレンジ・モードです。
曲は21gの「21Generation」。
~サウンドインプレッション~
クリーンのサウンドがJVM410H よりも少し近代的な響きですね。OD1のサウンドも歪みが抑えられているだけあって同じ100wながら音のまとまりがあります。ジョー・サトリアーニ・モデルという事で彼のファンのためのアンプと思っていたら大間違い。JVM410Hの違う側面を聞かせてくれる機種と捉えた方が良さそうです。
比較的歪みが弱いので(あくまでも比較的。ガッツリ歪むんですけどね。)、あえてメタル系で使う事によりヌケの良いバンドサウンドになると思います。
⑩JVM410HJS ~7弦サウンド~
mi-yaさんは21gでは6弦ですが「a DROP OF JOKER」(通称:ドロジョ)では7弦、8弦を使用しています。そんな訳でメタルサウンドに合いそうなJVM410JSを7弦で鳴らしてもらいました!
今回使用するのはStrictly 7 Guitars(S7G)のCobra Standard 7。ゴリゴリ・サウンドの代名詞的ギターです。
mi-yaさん、S7GのDシェイプ・ネックはすんなり慣れたよう…
~JVM205H デモンストレーション with Strictly 7 Guitars 7弦 by mi-ya~
ドロジョではかなりヘヴィなサウンドのmi-yaさん。レッド・モードでGAINをUP!
曲はa DROP OF JOKERの「Secret Square」で弾いてもらいました。
~サウンドインプレッション~
いやぁ、何ともドスの効いたサウンドになりました♪
さすがはMarshallフラッグシップ・モデル。7弦のへヴィなサウンドも見事に鳴らしきってくれました。何より低音を鳴らしても、Marshallらしいジャリジャリしたサウンドも相まって非常に心地いいです。ダウンチューニング、多弦のユーザーのアンプの選択肢としてJVMは一つの答えになり得ますよ!
検証後記
今回はMarshallヘッドにターゲットを絞って、それぞれの美味しいサウンドをmi-yaさんに引き出して頂きました!
mi-yaさんのお気に入りはJVM205H。「21gでもドロジョでも使いたい!」と持って帰ってしまう勢いでした(笑)
Marshallヘッドといえばスタジオに置いてあるのはJCM800、JCM900、JCM2000が多いです。しかしMarshallの礎を作ったJTM45や1959といった名機のサウンドは今でも色あせる事なく圧巻のサウンド。Marshall系のサウンドは好きなんだけど、「他人と違うニュアンスがいいな~」と感じている方はJVMももちろん、そういった往年の名機を試してみる事をオススメします。
次回はmi-yaさんお気に入りのJVM205Hを使って、キャビネットの違いを検証していきます! お楽しみに♪
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