【コラム】Martin(マーティン)ってどんなブランド?&人気シリーズのご紹介
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おうち時間が増えた事によりアコースティックギターに興味を持たれる方、新たに始められる方が多い中で、様々あるブランドの中で「何を選ぶか?」という事は非常に重要なポイントとなります。
今回は海外アコースティックギターブランドのMartin(マーティン)についてメーカーの簡単な歴史から仕様の違い、人気機種の紹介をしていきたいと思います。
Martinの簡単な歴史
ドイツで生まれ、幼い頃からオーストリア・ウィーンのギター職人のもとで修行していたクリスチャン・フレデリック・マーティン・シニア氏が自身のキャリアの新天地として1833年にニューヨークに小さな工房を開いた事からスタートしました。
その後、ナザレスに拠点を移したのちに今日のアコースティックギターの基礎ともいえる“Xブレーシング”の開発や戦艦の名前からインスピレーションを受けた“ドレッドノートボディ”の標準化などアコースティックギター界に大きな功績を残しております。
Xブレーシング
ブレーシングとはボディの木材の裏側に付けている補強のための骨組みを意味します。
強度の面だけでなく、振動の伝達をコントロールする用途も持ち合わせているため、どこに、どれくらいの強度で付けるかで大きくサウンドにも影響をもたらす重要な構造です。
Xブレーシングというのは、その形がX字となっている事から名付けられました。
ドレッドノートボディ
くびれが少なく、大きなボディ形状のため音量も大きくハリがあります。
発表当初は想像以上に大きい低音成分の影響で厳しい意見もあったようですが、ミュージシャンの手に渡ると豊かに響く低音が数多くの音楽との相性が良い事が徐々に浸透していき、今では世界中のアコースティックギターの定番シェイプとまで言えるようになっています。
日本の多くのアコースティックギターブランドもMartinギターの研究から設計を始めたといわれております。
ミュージシャンではエリッククラプトンやジョンメイヤー、国内では福山雅治、桜井和寿、森山直太朗など世界中の多くの方のレコーディング、ライブで使用されております。
主要なボディサイズ D(ドレッドノート)とOOO(トリプルオー)の違い
ドレッドノート
トリプルオー
①はボディの横幅を表し、②のスケールはブリッジからナットまでの弦長を表します。
サイズ | ボディ幅① | スケール(弦長)② |
---|---|---|
ドレッドノート | 15 5/8インチ(396.9mm) | 25.4インチ(645.2mm) |
トリプルオー | 15インチ(381mm) | 24.9インチ(632.5mm) |
トリプルオーの方がドレッドノートよりボディ幅が15.9mmコンパクトで、スケールも12.7mm短くなっております。
一般的にはコンパクトなボディの方が音がまとまる傾向がありますので、コードで思い切り弾き語りをしたいという方はドレッドノート、指でアルペジオ奏法などで演奏したいという方はトリプルオーを選んでいただければ間違いはないと思います。
また、ボディの厚みにも違いがあります。
画像左がドレッドノート、右がトリプルオーです。
目視でもかなり厚みの違いが分かります。
実際に計測してみるとドレッドノートは約120mmの厚みがありました。
トリプルオーは約101mmの厚みで、ドレッドノートと比較すると約20mm薄い事になります。
ボディが薄くなる事で得られる恩恵としては持ちやすさ、抱えやすさももちろんですが、「音の立ち上がりが早くなる」という事が挙げられます。
動画を比較いただくとコードでストロークをしている際はあまり違いは感じませんが、単音でのフレーズになるとトリプルオーの方が音の鳴り方、粒立ちがハッキリしているように聴こえます。
メロディーを演奏される方やリードプレイをされる方で少し早いフレーズを演奏する際に、この違いは大きく影響を与えます。
自身の演奏したいプレイスタイルを考えて楽器を選択するという事も重要なポイントとなります。
Martinではドレッドノートやトリプルオー以外にもOM(オーケストラモデル)というOOOサイズのボディにDサイズのスケールを採用したシリーズもあるなど、他にも様々なシリーズが存在します。
サイド・バックの木材の違いによる特徴 ローズウッドとマホガニー
動画では“D-28 STANDARD”を演奏しております。
ローズウッドの特徴は何といっても「音の力強さ」「高音のキラキラした響き」です。
程よく中音域が抜けているので、特に弾き語りをされたい方にオススメです。
動画では“D-18 STANDARD”を演奏しております。
マホガニーはローズウッドと比較すると「中音域が強調された音」「クリアにまとまった音」という印象です。
単音の発音も良いのでコードストロークと指弾きを組み合わせて演奏される方にオススメです。
また、以下でサペリやシリスといった木材名が登場しますが、「サペリ=マホガニー系」、「シリス=ローズウッド系」と覚えていただければと思います。
人気機種のご紹介
Xシリーズ
Martinの最もリーズナブルなシリーズですが、実はMartinは1988年より森林保護を目的とした活動にも力を注いでいます。
HPL(ハイプレッシャーラミネート)と呼ばれる木の繊維を特殊な方法でプレスし、加工した圧縮合板材を用いる事で、未来の音楽文化を守るために開発されました。
近年、世界中で“SDGs(Sustainable Development Goals 持続可能な開発目標)”として環境保全に関する取り組みが注目されていますが、注目されだすよりもずっと以前からMartinはこの分野に取り組んでいたんですね。
モデル名に“X1”や“X2”がありますが、一部モデルを除き“X1”はトップ、サイド・バック材全てにHPLを、“X2”はサイド・バック材にHPLを採用したモデルとなっています。
また全てのモデルにFishman製ピックアップを搭載しており、ライブなどの大きな音量が必要な場面でも使用可能です。
OOO-X1AE
メーカー | Martin |
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型名 | OOO-X1AE |
販売価格 | ¥107,250(税込) |
トップ材 | スプルース |
サイド・バック材 | HPL |
ボディサイズ | トリプルオー |
D-X2E-02
メーカー | Martin |
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型名 | D-X2E-02 |
販売価格 | ¥107,250(税込) |
トップ材 | スプルース |
サイド・バック材 | HPL |
ボディサイズ | ドレッドノート |
OOO-X2E-01
メーカー | Martin |
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型名 | OOO-X2E-01 |
販売価格 | ¥107,250(税込) |
トップ材 | スプルース |
サイド・バック材 | HPL |
ボディサイズ | トリプルオー |
GPC-X2E-02
メーカー | Martin |
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型名 | GPC-X2E-02 |
販売価格 | ¥123,750(税込) |
トップ材 | スプルース |
サイド・バック材 | HPL |
ボディサイズ | グランドパフォーマンス |
ドレッドノートよりやや大きいボディとカッタウェイ(くびれ)を備えたモデルです。
ハイポジションの演奏がしやすく、普段バンドでエレキギターを演奏される方やソロギターを楽しみたい方にオススメです。
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ROADシリーズ
こちらはメキシコ工場製作ながら、一部モデルを除きトップ、サイド・バック材全て単板を採用したシリーズです。
単板ならではの豊かな響きが得られ、演奏強弱による表現も非常に付けやすくなるため、より演奏が楽しくなるシリーズでもあります。
モデル名に“10~13”の番号が付けられていますが、違いは以下の表になります。
10 | オールサテン仕上げ |
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11 | トップのみグロス仕上げ |
12 | オールグロス仕上げ、STANDARDシリーズの18のような装飾 |
13 | オールグロス仕上げ、STANDARDシリーズの28のような装飾 |
こちらのシリーズもFishman製のピックアップを装備し、ライブでも活躍してくれます。
更にサウンドホールにはチューナー機能も付いているので、いつでもチューニングが行なえ便利です。
また、Xシリーズも共通ですがエンド側だけでなくネック側にもストラップピンが標準装備されています。
ストラップが取り付けやすいので自宅で座奏~立奏の練習も切り替えやすくなります。
D-10E-02
メーカー | Martin |
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型名 | D-10E-02 |
販売価格 | ¥132,000(税込) |
トップ材 | スプルース |
サイド・バック材 | サペリ |
ボディサイズ | ドレッドノート |
こちらは参考に動画を撮影してみました。
サイド・バック材がサペリなのでD-18 STANDARDの動画と比較していただきたいのですが、全然負けていないと思います。
もちろん、STANDARDシリーズの方が楽器の響きなど実際に演奏するからこそ感じられる優れた点は沢山ありますが、お値段から比較すると非常にコストパフォーマンスが高く、オススメできるシリーズです。
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GPC-11E
メーカー | Martin |
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型名 | GPC-11E |
販売価格 | ¥156,750(税込) |
トップ材 | スプルース |
サイド・バック材 | サペリ |
ボディサイズ | グランドパフォーマンス |
D-12E
メーカー | Martin |
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型名 | D-12E |
販売価格 | ¥156,750(税込) |
トップ材 | スプルース |
サイド・バック材 | サペリ |
ボディサイズ | ドレッドノート |
コアというより明るく乾いた音色が特徴のサイド・バック材を採用したモデルもラインナップがあります。
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D-13E
メーカー | Martin |
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型名 | D-13E |
販売価格 | ¥177,375(税込) |
トップ材 | スプルース |
サイド・バック材 | シリス |
ボディサイズ | ドレッドノート |
13からサイド・バック材がシリスとなり、ローズウッド系の特徴となります。
オールグロス仕上げ、白いバインディングなど見た目の高級感が高まります。
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OOO-13E
メーカー | Martin |
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型名 | OOO-13E |
販売価格 | ¥177,375(税込) |
トップ材 | スプルース |
サイド・バック材 | シリス |
ボディサイズ | トリプルオー |
SC-13E
メーカー | Martin |
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型名 | SC-13E |
販売価格 | ¥206,250(税込) |
トップ材 | スプルース |
サイド・バック材 | シリス |
ボディサイズ | Sシェイプ |
左右非対称のデザインと“Sure Align Neck System”という、ネック角を調整できる最新機能を搭載し、演奏性やメンテナンス性を高めています。
常に新たな挑戦を続けるMartinの雰囲気が伺えるモデルです。
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STANDARDシリーズ
このシリーズは読んで字のごとく、Martinがアコースティックギターの「標準」とすべく製作してきた人気のシリーズです。
アーティストの使用も多く、憧れのシリーズでもあります。
XシリーズやROADシリーズとは異なり、STANDARDシリーズはナザレス工場で生産され、より厳選された木材をセレクトされています。
D-28 STANDARD
メーカー | Martin |
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型名 | D-28 STANDARD |
販売価格 | ¥346,500(税込) |
トップ材 | スプルース |
サイド・バック材 | ローズウッド |
ボディサイズ | ドレッドノート |
「Martinといったらコレ!」と言っても過言ではない人気モデル“D-28”
数年前にモデルチェンジがなされ、塗装やパーツがヴィンテージ風になるなど見た目的にもより風格が増しました。
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OOO-28 STANDARD
メーカー | Martin |
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型名 | OOO-28 STANDARD |
販売価格 | ¥387,750(税込) |
トップ材 | スプルース |
サイド・バック材 | ローズウッド |
ボディサイズ | トリプルオー |
エリッククラプトンなどリードギタリストの使用も多い本モデル。
テンションの柔らかいショートスケールとトリプルオーサイズのボディの組み合わせで、ピッキングの繊細なニュアンスを表現します。
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D-18 STANDARD
メーカー | Martin |
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型名 | D-18 STANDARD |
販売価格 | ¥321,750(税込) |
トップ材 | スプルース |
サイド・バック材 | マホガニー |
ボディサイズ | ドレッドノート |
サウンドは低音・高音成分がローズウッドと異なり、バンドの中でも抜けの良いサウンドがプロからも支持を受けています。
装飾はシンプルなので一見すると大人しめなのですが、しっかりとしたサウンドの個性を持っています。
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D-35 STANDARD
メーカー | Martin |
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型名 | D-35 STANDARD |
販売価格 | ¥375,430(税込) |
トップ材 | スプルース |
サイド・バック材 | ローズウッド |
ボディサイズ | ドレッドノート |
1965 年に誕生したD-35。フィンガーボードのバインディング・3ピースローズウッドバックが特徴です。
当時28を製作する際に使用していたローズウッドが枯渇してきた事から生まれたとされるこのモデルは、バックが3枚になる事で全体の鳴りをバランスよく抑制し、28には無いクリアでタイトなローズウッドサウンドとなっています。
日本の70年代フォークの代表的なモデルとしても人気が高く、このモデルを必要としているアーティストも多いです。
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島村楽器では数多くのMartinギターを展示中!
今回はお求めやすい価格帯の人気機種から定番モデルまでという形でご紹介しましたが、ここでは紹介しきれないほどバリエーションに富んでいるのもMartinの魅力です。
他のシリーズについても改めて当ギタセレにてご紹介していきたいと思いますのでお楽しみに。
以下リンクから島村楽器で展示中のMartinを確認する事もできますので、是非お気に入りの一本を探してみてくださいね。
ギタセレ Martin製品一覧はこちら
さいごに
いかがでしたでしょうか?
一見、同じような見た目の楽器でもシリーズや価格帯で様々な違いがございます。
今後もギタセレではコラムとしてブランド・楽器の紹介をしていきますので、皆様の楽器選びの参考にしていただけましたら幸いです。
気になる一本が見つかりましたら是非、展示している店舗へ来店いただき、実際に抱え心地や音色を試してみてくださいね。