皆さん、突然ですが「シールドケーブル」ってちゃんと選ばれていますか?
初心者セットに付いてきた物だったり、何となくお店で売っている一番安い物を購入し使用されている方、多いのではないでしょうか。
よく「音が良くなるからシールドケーブルはこだわった方が良い!」という話を耳にしますが、音の良し悪しは感覚的なものですし、初心者の方からしたら「よく分からない」のが正直なところだと思います。
ですがシールドケーブルは音質向上だけでなく、演奏中のトラブル防止や練習中のちょっとしたストレスを回避する上でも非常に重要な役割を持ったアイテムなのです。
今回のコラムでは「自宅練習での使いやすさ」という観点から、ギター初心者のための「シールドケーブルの選び方」をご紹介します。
自宅で使いやすいシールドの選び方
ポイント① 長さ
一般的なシールドの長さは「3m」と「5m」の2種類。
「自宅練習では3m」というのがお決まりとなっていますが、筆者は「自宅練習でも5m」をオススメします。
理由は「練習中の身動きの取りやすさ」が全然違うからです。
まず、ギターとアンプをつないだ時にケーブルは一直線にはならないので実際にはスペック上の長さは使えません。
画像のように机や棚の上にアンプを置かれる事は多いと思いますが、この時点でアンプのシールド差込口から床までで1m要してしまうなんて事もしばしば。
さらに途中が丸まったり、絡まったりしてしまうと使える長さはより短くなってしまいます。
※さすがに絡まっていたら一度抜き、解いてから使用しましょう。
そうすると立って弾く時や部屋の中で離れたところの物を取る時に身動きが取りにくくなってしまい、自宅練習ではそれが非常にストレスなんです...
※「1回ギターを置けば良い」だけの話ですが、地味に面倒な動作であるというのは経験者の皆さんは共感いただけると思います。
先ほど「立って弾く」例を挙げましたが、自宅だけでなくスタジオで演奏する場合もアンプと音源を再生するミキサー&スピーカーまで若干距離がある場合があります。
そのような時も5mあるとスタジオ内を余裕を持って動けるので快適です。
「ケーブルが長いと音が悪くなる」と言われる事もありますが、筆者の感覚であれば正直3mと5mでは「音が悪くなる」ほどの大きな差はありません。
是非とも迷ったら「5m」をお選びいただけたらと思います。
ポイント② プラグ形状
プラグの形状は「ストレート型」「L型」の2種類があります。
ギターはボディタイプによってシールドの差込口の場所や構造が異なるので、それに合わせて選ぶ必要があります。
特に部屋の「床に座ってギターをよく練習される方」はプラグ形状は要注意です。
ジャックが側面にあるギターでストレート型を使うと床でグニャっとなってしまい、断線などトラブルの原因となってしまいます。
ですので一般的には「L型を使用しましょう」とされています。
ただしジャック側面のタイプでL型を使うのも気を付けるべき点があります。
このようにギターの向きを変えるとプラグも一緒にクルクルしてしまうのです。
接点で不必要な力がかかるのもトラブルの原因になるので、もし自宅では椅子に座って練習する事が多いのであればストレート型を選択するのもアリです。
または画像のようにストラップにケーブルを通してプラグがクルクルしないよう固定しましょう。
ポイント③ ノイズの少なさ、壊れにくさ
細かい話は割愛しますが、やはりある程度の価格帯のシールドの方が高い品質で丈夫なパーツを使ったり、ノイズ処理をはじめとした製造工程も丁寧に行われています。
いざギターを演奏しようとした時に音が出なかったり、「ジー」や「ガサガサ」といったノイズばかりが聴こえてしまうと残念な気持ちになってしまうので重要なポイントです。
メーカーによっては保証が付いている物もあり、無償で修理を行ってくれたり交換してくれたりします。
丁寧な造りによる壊れにくさ+万が一の保証があるとより安心ですね。
※小休止 シールドはお手入れが必要?
通常使用する上で特別「お手入れ」が必要というわけではありません。
ですが、所謂「8の字巻」のやり方は覚えておく事と、使用前にプラグのゆるみチェックをする事の2つは押さえておきましょう。
この2つをするだけでも十分トラブル防止につながります。
8の字巻のやり方
8の字巻のやり方は以前に特集記事を作成しているのでそちらを参考にしてみてください。
【メンテナンス通信】~シールドの巻き方~ いまさら人に聞けない『8の字巻き』講座
プラグのゆるみチェック
プラグは画像のように次第にゆるんできます。
「ゆるんでいるな」と気付いたら指で締めましょう。
オススメのシールドは?
自社ブランドで恐縮ですが、筆者は「HISTORY」のシールドをオススメします。
今まで様々なメーカーのシールドを試してみましたが、ひとことで言うなら「良い意味で無難」なんです。
日本製の確かな造りで自宅・ライブ問わず安心して使用でき、サウンド的にもハイファイになり過ぎず、適度に楽器らしい音を再生してくれます。
5年保証が付いていて、万が一通常使用下で音が出なくなってしまった場合は「新品交換」が可能なのも嬉しいポイントです。
HC-350(ストレート型)

メーカー | HISTORY |
---|---|
商品名 | HC-350 |
価格 | (税込) ¥5,400 (税抜 ¥4,910) |
JANコード | 4514812099061 |
HC-350L(L型)

メーカー | HISTORY |
---|---|
商品名 | HC-350L |
価格 | (税込) ¥5,700 (税抜 ¥5,182) |
JANコード | 4514812099078 |
さいごに
いかがでしたでしょうか?
シールドケーブルは様々なブランドや価格帯があり選ぶのが難しいアイテムだと思いますが、今回のコラムがシールドケーブル選びの一つの考え方になれば嬉しいです。
もちろん店舗にも詳しいスタッフがおりますので「自分の環境だったらどんなのが良いんだろう?」とお気軽にご相談くださいませ。
逆にシールドケーブルはブランドごとに「得意なサウンド」みたいなものを持っていて、変な話シールドケーブルを変えるだけで「エフェクターを通している」ような音質変化を得られるものでもあります。
非常に面白いアイテムでもあるので、是非ゆくゆくは自分のお気に入りのブランドを見つける旅に出発いただけるとギターライフの新たな楽しみ方になるかもしれません。
※沼る可能性が高いのでくれぐれも慎重に入っていってくださいね(笑)
下の関連記事からブランドごとのシールドの特徴をまとめた特集記事も確認いただけますので、よろしければチェックしてみてください。
それではまた次のコラムでお会いしましょう!
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