皆様こんにちは!石田でございます!
前回の逸品入魂ではSCHECTERにオーダーしたジャズマスタータイプの紹介いたしました。
オーソドックスな仕様を参考にしつつ、リバースヘッドやバズストップバーを採用するなど少しだけ手を加えることにより新鮮さを取り入れたモデルで、お客様からは好評をいただいております。
タイトルから分かる通り今回もテーマはジャズマスターなのですが、こだわりのベクトルを少し変えたモデルを企画いたしました。
コラボしたのはレッドハウスギターズ。
Vol.14でご紹介したオーダーギターも絶賛でしたが、国産工房の中でもひときわ注目を浴びているブランドではないでしょうか。
Red House Guitars General JM S-Limited Light Aged
レッドハウスでも最近レギュラー生産を始めたジャズマスタータイプ”General JM”
ルックスはオーソドックスですが、サウンド面で様々な変更が加えられているモデルです。
- ピックアップはジャズマスターというよりはP-90に近いものを搭載
- POTの抵抗値など電装系をあえて変更
- プリセットスイッチはダミー
など前回のブログでも触れた「ジャズマスター特有のサウンドをあえて出さない」という方向で製造されているモデルです。
これはこれで魅力はあるのですが「やはりブライトなサウンドは出したい」ということで独自の仕様に変えているのが本モデルです。
カスタムワウンドのオリジナルピックアップ
レッドハウスオリジナルピックアップ「P-89 / P-91」をもとにサウンドの傾向をブライトになるよう出力を上げています。
それによってバンドアンサンブルの中で存在感を放つサウンドへシフトしています。
電装系の変更
レギュラーモデルではあえて500kΩのPOTを使用していますが、本モデルでは1MΩに変更。
ここでも高音域を強調する構成にしています。
ともすれば耳に痛いサウンドにもなりがちですが、組み込みや木材とのバランスでそうはならないように絶妙にコントロールしています。
ちなみにレッドハウスではPOT一つ一つの抵抗値を実際に測って使用しています。
最大手のCTSでも±100kΩくらいの個体差が存在しますのでこの部分の影響は大きく、私も自分のギターのPOTを変える時はいくつかを実際につないでみて決定したりしていましたので非常に共感を覚えました。
プリセットコントロールは当然生かしています。
Fenderなどに比べてプリセットOn/Offによるサウンドの変化は少々控えめ。
こもり過ぎずに使いやすいサウンドに調整されています。
ブリッジ周辺
ジャズマスターの象徴でもあるフローティングトレモロを搭載。
弦落ち防止のバズストップバーは搭載しておらず、サドルに溝切りをしています。
全体的なサウンドバランスを考慮しています。
カスタムカラーにライトエイジド仕様
今回生産した3本はいずれも下地からオールラッカーフィニッシュ。
経年変化を再現したエイジド仕様ながら、極力キズは入れない方向でお願いしています。
アルダーの木目に沿ったかのような縦方向のクラックがびっしり入っています。
こちらのブラックにべっ甲ピックガードを組み合わせたモデルは、王道ながらやはり存在感があります。
ネックバインディングもべっ甲柄を合わせています。
色焼けしたLake Pracid BlueやOcean Turquoise Metallicをイメージしてオーダーしたモデル。
深い青緑のメタリックカラーは年代問わず人気があります。
こちらにはホワイトパール柄のネックバインディングを合わせています。
グレー系のメタリックカラーにブラックパーツを合わせたモデル。
リットーミュージックのフェンダージャズマスタープレイヤーズブックのとあるモデルからインスパイアされてオーダーしたモデルですが、独自の魅力を持った仕上がりになったと思います。
ヘッドロゴも最近加わったブルーカラーのものをつけてもらいました。
若干Civil War Big Muff的な雰囲気も?
ちなみに写真ではなかなか上手く写せないのですが、マッチングヘッド部分もびっしりとクラックが入っています。

サウンドインプレッション
一般的なジャズマスターと比較して「骨太なサウンド」という印象。
特有のブライトさはもちろんありますが、そこに厚み、コシが加わった印象です。
高音域の存在感だけでなく、中音域、低域でも主張することが可能です。
ネック裏部分は弾き込んで塗装が薄くなったように、グリップ部分だけサテン仕上げになっています。
ヘッドサイドやジョイント部分はつやがありクラックも入っているためプレイングポジションから眺めるのも楽しいギターです。
極薄塗装ですのでどんどん弾き込んで自己流のエイジングを進めていってくださいね。
商品詳細

メーカー | Red House Guitars |
型名 | General JM S-Limited |

石田 純一プロフィール
ギター演奏はそこそこに機材いじり(改造、音作り)をメインに楽しむ学生時代を送り、機材好きが高じて、「いつの間にか楽器店の店員になっていた」インドア派。
入社後はPRS(Paul Reed Smith)現地工場でのPrivate Stockオーダーをはじめ、自身の経験を活かし、多彩なブランド・ジャンルでの楽器開発も手がけています。