別室 野原のギター部屋 Vol.17 “Tom Murphy氏がペイントした2021年製の60th Anniversary 1959 Les Paul Reissue”

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別室 野原のギター部屋 Vol.17 “Tom Murphy氏がペイントした2021年製の60th Anniversary 1959 Les Paul Reissue”

記事中に掲載されている価格・税表記および仕様等は予告なく変更することがあります。

皆様こんにちは。別室 野原のギター部屋 Vol.17は、私が個人的に気になったギターを皆様にご紹介する「島村楽器で見つけた気になる1本」をお送り致します。

それでは早速ケースを開けてみましょう。

Gibson Custom Shop 60th Anniversary 1959 Les Paul Reissue Murphy Painted Wide Cherry Burst

数々の名演を紡いできた名機1959 Gibson Les Paul Standardの誕生から60周年となる2019年にリリースされた60th Anniversary 1959 Les Paul Reissue。各部のアップデート内容については以前の記事でも触れましたが、その完成度の高さから世界中のファンに支持されるレスポール・リイシューです。

こちらはタイトルにもあります通り、美しいチェリー・サンバースト・フィニッシュはヴィンテージのエキスパートであり、ヒストリック・レスポールの初代ペインター(フィニッシュ担当)として有名なTom Murphy氏本人がペイントしています。別室 野原のギター部屋 Vol.17 “Tom Murphy氏がペイントした2021年製の60th Anniversary 1959 Les Paul Reissue”付属の認定書(シリアルの一部を伏せています)にも「TOM MURPHY PAINTED」の文字が確認できます。通常60th Anniversary 1959 Les Paul Reissueには黒い台紙(白文字)の認定書が付属しますが、こちらの個体には白い台紙のものが用意されています。しかも良く見るとMurphy Labの記載とロゴが…

詳細をお知りになりたい方は私宛にご連絡をいただければと思いますが、一つ言えるのは60th Anniversaryモデルでこの認定書が付属する個体は極僅かしか存在しません。

トップにはMurphy Paintedに相応しい大変美しいフィギュアド・メイプルが使用されており、ヴィンテージ・グロス仕上げのチェリーサンバーストがこれを見事に引き立てています。
より丸みを帯びたGibsonロゴと、フォントサイズや色味などが見直されたシルクスクリーン。僅かな変化ではありますが、ヘッドストック全体がよりノスタルジックな雰囲気になりました。

Klusonチューナー・ボタンには通常よりも僅かに黄色味の強いもの(Yellowed Tuners)を搭載し、経年変化を演出しています。
ご覧の通り、指板には色の濃いローズウッドがセレクトされています。深みのあるチェリー・サンバーストに良く似合います。

オリジナル同様、ボディバック及びネックはフィラー(目止め)にアニリン(染料)を添加したものを塗布し、クリアラッカーでフィニッシュします。何色かのアニリンダイパウダーを配合して調色するのですが、ボディトップのカラーにマッチした奥行きのある美しいチェリーカラーに仕上がっています。


基本的に60th Anniversary 1959 Les Paul ReissueのピックアップにはCustom Buckerが採用されており、一部Murphy PaintedにMHSハムバッカー(ニュー・メンフィス・ヒストリック・ピックアップ)が搭載されていましたが、こちらの個体にはE-Buckerが搭載されています。

E-BuckerはCustom Buckerよりも出力を抑えたモデルで、米国のディーラーが所有する1959年製のES-335に取り付けられているPAFを再現したものです。オーダーモデルに搭載されるような、なかなか見かけることの少ないピックアップなので、馴染みのない方もいらっしゃるかもしれません。個人的には、より一音一音が明瞭でタッチが出やすい印象を持っています。本体に装着されているものとは別に、プラパーツの乳白色に塗装されたメタル・ジャック・プレートが付属します。以前だとMurphy Masterpieceに採用していたと記憶していますが、破損しやすいパーツなだけに嬉しいですね。

今回はGibson Custom Shop 60th Anniversary 1959 Les Paul Reissue Murphy Paintedをピックアップしてみましたが、いかがでしたでしょうか。

E-Buckerによる煌びやかなサウンド、Tom Murphy氏による深みのあるデリケートなフィニッシュなど、どの部分をフォーカスしても魅力的に映る素敵なレスポールでした。

今回の個体は撮影後にご成約となりましたが、同じタイミングに作られた同スペックのMurphy Paintedが1本だけご用意できますので、ご興味がございましたら下にございますギタセレ商品ページをご覧ください。

ギター部屋の管理人

野原 陽介プロフィール

学生の頃よりバンド活動、レコーディングなど様々な場所での演奏とヴィンテージギターショップ巡りに明け暮れる。
のちにギタークラフトを学び、島村楽器に入社。
入社後は米国Gibson社、Fender社への買い付けなどを担当。
甘いもの好き。

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