【今さら聞けない】ギターで使われる木材事典! Part6 ~ほぼメイプルとマホガニーの特集になってしまいました…~

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【今さら聞けない】ギターで使われる木材事典! Part6 ~ほぼメイプルとマホガニーの特集になってしまいました…~

記事中に掲載されている価格・税表記および仕様等は予告なく変更することがあります。

木材事典⑥


ま行の代表的な木材といえばマホガニーとメイプル。共にアコースティックギター、エレキギター、エレキギターべースで多用される材であり、産地や杢によって細かく分類されるのも特徴的です。

というわけで1ページ目は大分類でま行材を紹介し、2ページ目以降はマホガー、メイプルそれぞれの細分類にしたいと思います。

目次

マグノリア ~Magnolia~

s-magnolia1
アメリカ西海岸に分布する樹で、白黄色~淡黄褐色の見た目が特徴的。紫色の筋もたまに見られ、フローリング材、家具材として有名です。最近になって楽器用の材として採用され始めました。

強度は十分あり、比較的硬質なので、サウンド傾向はマホガニーアルダーといった材に近い印象。Bacchusの楽器によく使用されています。

モクレン
モクレン
種類 広葉樹
別名 モクレン
産地 北米(大西洋岸)
気乾比重 0.56
強度 4

~マグノリアを使用したギター・ベース~

木材画像提供:(株)ディバイザー様

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マホガニー ~Mahogany~


Gibson レスポールのバック材、Martin D-18のサイド・バック材としてあまりにも有名すぎる木材。もちろん他のギターにおいても、その耐久性や乾燥による狂いがあまり生じないという特性から、多数のギター・ベースに使用されてきました。サウンドは硬質過ぎず、それでいてしっかりとした低音域を生み出します。

しかし、「マホガニー」と本当に呼べるのは、実は以下の3つのみです。

  • キューバン・マホガニー
    キューバやフロリダ半島南部原産のマホガニー
  • ジェニュイン・マホガニー
    北米~中南米広域に分布しているマホガニー
  • メキシカン・マホガニー
    グアテマラやホンジュラス、メキシコ南部に分布しているマホガニー。
  • ※上記3種は他の名称も持っています

他の「マホガニー」と呼ばれている材は、マホガニーに特徴の酷似した代替材である事も多数あります。上記3種はワシントン条約の附属書IIに登録され、厳しい規制下にあるほど、数が減っているからです。それによって価格もかなり高額になります。

マホガニーの種類や現状、その他諸々については次ページで詳しく紹介します。

センダン
マホガニー
種類 広葉樹
別名 北米
産地 中米~南米
気乾比重 0.65
強度 5

~マホガニーを使用したギター・ベース~

※あくまでもメーカーが「マホガニー」と表記しているものをピックアップしています。

木材画像提供:フジゲン(株)様

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メイプル ~Maple~


▲メイプル板目


▲メイプル柾目

マホガニー同様、ギターの世界ではレスポールのボディTOP、ネック全般、アコギのサイドやバック(稀にTOP)等、広く使用される木材。ホワイトメイプル、ハードロックメイプル等の様々な呼び方や、浮き出る杢によっての名称と、多種多様な名称が存在します。

基本的には北半球に生息し、ギターでよく使用されるのはカナダ~北米産のものが主。木自体の硬さもあって、サウンド傾向は硬質でトレブリーになります。音の立ち上がりも速くなります。(ソフトメイプルという物も存在し、ソフトメイプルの場合はサウンド傾向も通常のメイプルよりは柔らかくなります。)

これもマホガニー同様、種類や詳細を3ページ目で紹介します。

カエデ
カエデ
種類 広葉樹
別名 楓・紅葉
産地 北米・カナダ・アジア
気乾比重 0.7
強度 5

~メイプルを使用したギター・ベース~

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モンキーポッド ~Monkey Pod~


「この木何の木♪」で有名な、あの木です。ハワイにあるあのCMの木があまりにも有名すぎて、ハワイにしかないのかと思いきや、中南米・西インド諸島・フロリダ・ハワイと広範囲に分布しています。

ギター・ベース共にこの材を使用した楽器はほとんど見かけませんが、過去に一度だけFender製、モンキーポッド・ボディのストラトを弾いた事があります。あれはかなりレアなものだったのでしょうね。(検索しても出てこないので、ネックだけFenderのストラトだったのかもしれません)
サウンドはアルダーのストラトを少し丸くしたようなサウンドでした。アルダーよりも硬質な木なので、立ち上がりは良かったと記憶しています。

G&Lも過去にモンキーポッドのASATを製作していたみたいですね。

マメ
ネムノキ
種類 広葉樹
別名 レインツリー/アメリカネム
産地 中南米・西インド諸島・フロリダ・ハワイ
気乾比重 0.56
強度 4

~モンキポッドを使用したギター・ベース~

木材画像提供:府中家具工業協同組合様「木材図鑑」

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マホガニーの現状と真実に詳しく迫ってみる

冒頭でもお伝えした通り、マホガニーの種類は3種類しかありません。

  • キューバン・マホガニー
    キューバやフロリダ半島南部原産のマホガニー
  • ジェニュイン・マホガニー
    北米~中南米広域に分布しているマホガニー
  • メキシカン・マホガニー
    グアテマラやホンジュラス、メキシコ南部に分布しているマホガニー。

この3種が、正真正銘のマホガニーです。では、現在世に出回っている「アフリカン・マホガニー」や「ブラジリアン・マホガニー」等の名前の付いたマホガニーはマホガニーではないのか!? そのへんに迫ってみましょう。

ホンジュラス・マホガニー ~Honduras Mahogany~


「ホン・マホ」と呼ばれ珍重されるこの材は、どういった物を指すのでしょうか。


そもそもホンジュラスというのは国名です。北米と南米の間、カリブ海に面した国です。

このホンジュラスを中心に北米~南米に自生している(いた)マホガニーをホンジュラス・マホガニーと呼びます。マホガニー=ホンジュラス・マホガニーとも言えます。
※現在は同種を材木用として、アジア各国やハワイで植林しているようです。

キューバン・マホガニー、ジェニュイン・マホガニー、メキシカン・マホガニーそれぞれ原産国が違ったり自生している場所が北米~南米の間でバラバラですが、総じてホン・マホと呼ぶのが一般的なようです。

では! その他の名称がついているマホガニーは、マホガニーではないのか!?
その事実に迫ってみましょう。

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マホガニー代替材

アフリカン・マホガニー ~African Mahogany~


▲カヤ属のマホガニー代替材として最も一般的と言えるアフリカン・マホガニー

マホガニー(ホンマホ)はセンダン科のマホガニー属に属する樹。世の中には、同じセンダン科のカヤ属に属する樹もたくさんあります。このカヤ属。非常にマホガニーに酷似しているんです。性質は多少の違いがあれど、期間比重はマホガニーとほぼ変わらず。

西アフリカから中央アフリカにかけて広く分布する樹、それがアフリカン・マホガニーです。別名「カヤ」「カヤ・ウッド」と呼ばれ、マホガニー同様の木目が現れやすいため、現在楽器に以上に多く使われています。

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サペリ・マホガニー ~Sapelli Mahogany~


Part3でも紹介したサペリも、マホガニーの代替材。Taylorはよくこのサペリを使用していますね。「サペリ」と単純に呼ぶ人もいれば、「サペリ・マホガニー」とマホガニーであるかの様に呼ぶ人もいます。

アフリカ赤道付近に生息し、マホガニーによく似た木目を持ちますが硬度はマホガニーよりも少々やわらかめなのが特徴。しかし、センダン科エンタンドロフラグマ属の木なので代替とはなっても「マホガニー」と呼ぶのはいささか無理を感じます。

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フィリピン・マホガニー ~Philippine Mahogany~


フィリピン産の木材。「レッド・ラワン」とも呼ばれ、期間比重も0.42~0.60とマホガニーに近似しています。ラワン類の中では比較的硬質のため、その点でもマホガニーの代替として使われる要因となっています。

フタバガキ科ショレア属と、マホガニーとは程遠い樹ではありますが、特徴が似るとこういった物もマホガニーと呼ばれてしまいます。

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マホガニーの名が付いた別物

アフリカン・マホガニー、サペリ・マホガニー、フィリピン・マホガニーもマホガニーではない別物なのですが、あくまでも代替材として有名なもの。しかし「マホガニー」の名が付けられながらも、別の意味で希少価値の高い物があります。

ハワイアン・マホガニー ~Hawaiian Mahogany~


Part2で紹介したハワイアンマホガニー。と呼ばれる事もありますが、楽器界では「コア」と呼ばれることの方が多い材です。マメ科アカシア科です。
「コア」も定義が曖昧ではありますが、コアとしての価値を見出されているため、やはりコア材と言われた方がしっくり来ます。

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ジャパニーズ・マホガニー ~Japanese Mahogany~


もうここまでくるとマホガニーの面影はありません(笑) 名前だけですね、きっと。センダン科センダン属で、四国、九州、南西諸島に自生している日本の樹です。なぜはマホガニーという名が付いたのか不思議です。

もちろんあまり楽器では使われていません。

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マホガニーいろいろ

楽器をはじめ家具等での使用で、本来のマホガニーは枯渇しています。そういった理由からマホガニーの代替材を採用する事は、自然な流れなのだと思います。Suhr、Ibanez、Sugi、G-Life Guitars、HISTORY、HEADWAY、dragonfly等々は、スペック表記に「アフリカン・マホガニー」とありますので、代替材である事が明確に分かります。
親切なスペック表記だと思います。

アフリカン・マホガニー表記のギター&ベース一覧

代替材である事が悪い事ではなく、あくまでもホンマホの特徴を有した代替材ですから、ご安心ください。また「ホンマホがいい」と言ったところで、ホンマホを使用した楽器となると、それだけでお値段が上がってしまうのも事実。

ホンジュラス・マホガニーを使用したギター&ベース一覧

なんせ入手しづらいですからね!

メイプルの種類に迫る

マホガニーの様に代替材がたくさんあって名称が…という訳ではなく、メイプルは分類の仕方や愛称、楽器業界ならではの呼び方等があって、名称がたくさん増えているのが現状です。なので、メイプルの分類という観点から、諸々紹介したいと思います。

種別による分類

属・科、そしてその種の名称によって分類される、この木材事典を通して言及してきた分類です。

ハードメイプル ~Hard Maple~


楽器では基本的にメイプルと言ったらカナダ~アメリカで採れるメイプルを指すことが多いです。日本にもカエデ属の「楓」(紅葉)がありますが、それらはあまり使われませんね。なぜでしょう…

ハードメイプルに話を戻すと、「ハードメイプル」というのはカナダ~アメリカ北東部の比較的寒い地域で採れるメイプルです。以下のような別称があります。

  • シュガーメイプル
  • ブラックメイプル
  • etc

非常に硬いので音響特性的にも、高音域にハリが出て重宝されます。サスティンの向上にも貢献してくれる材です。ネックに使用するのはハードメイプルです。ソフトだと柔らかすぎます。

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ソフトメイプル類 ~Soft Maples~


ハードの反対はソフトです。「ハードメイプル」は木材業界でも一般的な種として認識されていますが、ソフトメイプルはそれに対して「柔らかいメイプル」という言葉本来の意味で、数種のメイプルの総称として使用されます。なのでソフトメイプル「類」なんです。

ソフトメイプルに分類される樹は以下の通り。

  • レッドメイプル
  • シルバーメイプル
  • ビッグリーフメープル
  • ボックスエルダ-
  • etc

ハードメイプルよりも南方で採れるメイプルで、名前の通りハードより少し柔らかいので、音響特性も少々マイルドになる傾向があります。

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愛称・その他

ハードロックメイプル ~Hardrock Maple~

この名称は楽器業界でしか使われません。何せ「ハードロック」ですから。中身はというと… ハードメイプルの事です。

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ロックメイプル

これはハードロックメイプルよりも更に進んでますね。「ロック」です。もちろん楽器業界以外でこの呼び方をする業界はありません。これもハードメイプルの事です。

木材の名称って…汗

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杢による分類

カーリーメイプル ~Curly Maple~


ハード、ソフト両方に現れる杢です。後述のフレイムやタイガー、ピンストライプなど、杢の出方によって様々な細分化がされる材です。樹の成長過程での「縮み」(カール)によって生まれる杢なのでこの名称がついています。日本では「縮杢 」と呼ばれることも。

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キルテッドメイプル ~Quilted Maple~


ソフトメイプルにしか出ない杢です。布に綿を入れ込んだ技法を指す縫い布「キルト」の様に美しい事からこの名称となったようです。成長過程で急激な成長があった事により生まれます。

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クロッチメイプル ~Crotch Maple~


これはカーリーでもありますが、クロッチメイプルです。メイプルの枝の分かれ目のクロッチ(crotch・股)の部分を木取りする事でこのような模様の材が取れます。見た目が非常に美しく、この材を使用すると非常に特徴的なルックスになります。

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スポルテッドメイプル ~Spalted Maple~


樹木の亀裂から雨水が染み込み、カビや細菌が繁殖して黒い筋が現れた杢のメイプルです。スポルテッドメイプルを使用したギターは多数のメーカーが製作しています。

非常に美しい杢ですが、難点が…
この材、非常に柔らかいのです。指の腹で押しただけで凹むくらい。まあ細菌で浸食されていますからね、当然と言えば当然です。それゆえに加工が非常に難しい。ギターのTOPに貼ってもボロボロと剥がれ落ちる事もあるため、その上に塗る塗装によってカバーします。固く、厚くクリアを吹くことでこの美しさをキープしたギターが誕生するのです。

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バーズアイメイプル ~Bird’s Eye Maple~


ハードメイプルのみに現れる「鳥の目」の様な杢を有したものです。カーリーやスポルテッド等、メイプルに出現する杢のほとんどは「なぜその模様になるか」が解明されていますが、バーズアイだけは未だに謎のままです。表面近くでしか採取できないので、非常に希少です。

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フレイムメイプル・タイガーメイプル ~Flame Maple/Tiger Maple~


フレイムメイプルとタイガーメイプルの定義がいまいち曖昧な気がしますが、フレイムは板目で木取りをしたもの、タイガーは柾目で木取りをしたものというのが一般的な認識の様です。

フレイム(Flame・炎)のような杢とタイガー(Tiger・虎)の模様の様な杢が由来ですね。画像はフレイムメイプルとしてフジゲン(株)様から画像提供して頂きましたが、タイガーと見分けがあまりつきませんね…

カーリーメイプルである事には違いありません。

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フィギュアドメイプル ~Figured Maple~

フィギュア(Figure・模様)のあるメイプルという事です。要は今回紹介しているようなカーリー、バーズアイ、スポルテッド等々を含め、杢が出ているメイプルはすべてフィギュアドメイプルという事になりますね。

迷ったら「フィギュアドメイプル」と呼べばまあ間違いないわけですね。

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メイプルバール ~Maple Burl~


最近人気のバール材。バールとは何か? それは樹の根に近い部分にできた瘤(コブ)の事を指します。


画像はポプラですが、枝のところに瘤が出来ていますね。これがバールです。

この部分を切ると…


こういった杢が出てきます。これがバール材となります。この材はかなり大きなメイプルの瘤を切ったものです。少し縮杢(カール)も入っていて複雑な杢ですね。

画像を見てもお分かりいただける通り、バールの中には穴が開いていたりします。ギターのTOPで使用する事が多いですが、その差は同じバール材の違う部分から木を持ってきて埋めるといった作業をします。


これはバックアイバールですが、右下に穴を埋めた跡が見られますね。こういった穴を埋めた箇所も含めての美しさがバール材の魅力です。

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木材画像提供

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