PRS GUITARS &AMERICAN VINTAGE GUITAR SHOW 2024レポート|バイヤー平林が綴る PRSという美学Vol.7

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PRS GUITARS &AMERICAN VINTAGE GUITAR SHOW 2024レポート|バイヤー平林が綴る PRSという美学Vol.7

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いつも島村楽器をご利用いただき誠にありがとうございます。
静岡パルコ店、店長兼バイヤーの平林です。

Vol.7は2024年11月16日〜17日にSHIBUYA STREAM Hallで開催された「PRS GUITARS & AMERICAN VINTAGE GUITAR SHOW 2024」に出展した、当社ブースの様子をレポートします。

PRS GUITARS & AMERICAN VINTAGE GUITAR SHOW 2024とは

今回のイベントはエレキギター発祥の地であるアメリカン・ギターブランドに焦点を当てたギターショーで、PRS Official Dealerと日本屈指のヴィンテージギターショップが持ち寄った選りすぐりのラインナップが展示されます。

PRS Guitars 40周年記念のプレイベントとしてPRSアーカイブス・コーナーが設置されたり、Paul Reed Smith氏やKANAMI(BAND-MAID)氏をはじめとする豪華ゲストによるトークセッションも開催されました。

イベントの様子(オフィシャルサイトより)
ポール氏のために制作されたギターをご本人がプレイ(オフィシャルサイトより)

島村楽器ブースの様子

今回は静岡パルコ店、ミーナ町田店の2店舗合同で出展いたしました。

ブースの様子(オフィシャルサイトより)

当日はありがたいことに大変多くのお客様にご来場いただきました。

各店で厳選したギターを集結させただけでなく、秘蔵のストック品やUSAファクトリーから会場に直接納品いただいた個体を展示販売するなど、特別なラインナップとなりました。

静岡パルコ店のPrivate Stockが当日は4本集結しました。
このうち2本は会場でPRS社から納品いただき、展示販売を開始しました。

PRS CEO Jamie Mann氏がブースに来て「Pretty !!!」と絶賛していたPrivate Stock McCarty 594 HollowbodyⅡです。

こちらのCustom24 Semi-Hollowのネック材はKOAです。
KOA Neckは過去にPRSでは20本程度しか生産していないレアスペックです。

KOA Neckの生産数はBrazilian Rosewood Neckより遥かに少ないですが、2024年初頭のPSファクトリーオーダーのリクエストで実現いたしました。
今回入荷したPS2本のオーダーレポートはこちらからどうぞ。

こちらのPS KOA Neckは初日の早い時間でご購入いただきました。ご購入いただいたオーナー様に感謝申し上げます。
会場でギターをご購入いただいたPRSオーナー様には、ポール氏直筆サインを好きな位置にリクエストが可能です。

PS Director ポール・マイルズ氏自らステインしたSpiderman Dragon’s Breath(画像左)も一際大きな注目を集めていました。
こちらも会場でご購入いただきました。ご購入いただいたオーナー様に感謝申し上げます。

この日のためにご用意したワンオフのカスタムカラーも数本ございます。

当日、お披露目となった40TH ANNIVERSARY CUSTOM 24 LIMITED EDITIONです。

ボディ・トップには希少なアーティスト・グレードのメイプルを使用し、ボディ・エッジがより深いカーブを描くレトロ・ヴァイオリン・トップ・カーブを採用した、初期のPRS製品への敬意を表したオマージュとなっています。

アウトライン付きのオールド・スクール・バード・インレイにはPauaを、フィンガーボードにはサップが入ったZiricoteを使用。
ポール・リード・スミス氏の手書きサイン入り証明書が付属するなど、サウンドやルックス、CASEキャンディーも含めて周年モデルらしい特別感がございます。

入荷が少ないHollobodyもカスタムカラーを含めて複数から選定可能です。

NF53、Paul’s Guitar、Custom 24-08などなど、Private StockからSEまで幅広く体感いただけるラインナップです。

静岡パルコ店の秘蔵ピックアップを会場限定でこっそり販売いたしました。

PRSエフェクト・ペダルボードも作成して持参しましたが、非常に好評でした。

Klon CENTAURとの比較もできるようにしましたが、こちらのCENTAURは大変素敵なご縁をいただき、旅立っていきました。

“Paul’s Stash”Private Stock オーダー

今回の目玉プログラムと言っても過言ではない、Paulが個人的に保管している木材「Paul’s Stash」を使用した「Private Stock Special Order Session」ですが、ディーラー・オーダーとして参加する機会に恵まれました。

ポール氏の秘蔵材ですので、どれも素晴らしいマテリアルですが、その中からさらにセレクトしていきます。

Paul’s Stashを選定可能なオーダールームにてポール・リード・スミス氏と。

木材の表情、杢の深さや立体感、削り出した後にどうなるか、木地の色味にどんなカラーがマッチするのか、霧吹きとクロスを使用しながらトップやバックだけでなくサイドからも1枚ずつ確認していきます。

ストラディバリウスに使用される木材と同様のカーリーメイプルが多く並びます。

Paul’s Stashの中でも非常に珍しいワンピース材をセレクトしました。
さすが、秘蔵材だけあって素晴らしい表情をしています。

こちらのワンピース材はやや小振りでサイズがギリギリですので、Sales DirectorのJim Cullen氏へ依頼してUSAに持ち帰ったあと、削ってみて使用可能かチャレンジするということになりました。

ポール氏のイメージに最適なフレック入りのフィギュアド・メイプルをセレクトすることができました。
個人的にも非常に好みなマテリアルです。

こちらの理想的なワイドフレイムにも巡り合うことができました。

どの位置が最適なのかテンプレートを当てて決めます。

約60分という限られた時間でしたが、USAファクトリー・オーダーでもめったに使用できない特別なボディトップ材を複数枚セレクトしましたので、今後の展開をお楽しみにどうぞ。

PRS Guitars AGS展示モデルの買付

出展だけでなく、バイヤー業務も行ってきました。
当日、会場に展示されていたギターを入札して買付けましたので、近日中に静岡パルコ店に入荷いたします。ぜひご期待くださいませ。

PRS AGS終了後の一幕

イベントのプログラムが全て終了して撤収作業をしていると、ポール氏が片隅でギターを弾いていました。
ギター愛に溢れるワンショットです。

ポール氏に声をかけると「自分のために作ったギターだから弾いて感想を教えてほしい」と言われて手渡されました。
もちろん、想像通りの素晴らしいギターでした。

CUSTOM BUILT FOR PAUL REED SMITH氏と記載されています。 

最後にポール氏と記念撮影をして、熱狂のPRS AGSも終了です。

期間中に会場でお会いできた皆様、参加ディーラーの皆様、PRSチームの皆様に改めて、感謝を申し上げるとともに、本記事から少しでも会場の熱気が伝われば幸いです。

本記事の内容に関してご相談がございましたら、島村楽器静岡パルコ店の平林までお問い合わせくださいませ。
長文にお付き合いいただき、誠にありがとうございます。

平林 大一プロフィール

埼玉県出身。現在は静岡県に移り住んで15年が経過。
趣味は釣りとワインで、自然の中でリラックスする時間や美味しいワインを楽しむのが大好き。

2024年現在、PRS USAファクトリーでのオーダーやGIBSONナッシュビルでのバイヤー業務、国内外のギター・ベース、アンプやペダルのオーダーに携わっている。

所有楽器はPRS Private StockやAMPをはじめ、Fender 1963 Stratocaster、Gibson CS LP、Ken Smith BSR5、Vintage Ibanez & Maxonなど多岐に渡る。

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