HISTORYを愛する者たちの想いが、奇跡のBassGuitarを生み出す物語【前編】|ルシアー駒木のギターよもやま話 その140

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HISTORYを愛する者たちの想いが、奇跡のBassGuitarを生み出す物語【前編】|ルシアー駒木のギターよもやま話 その140

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皆さまこんにちは。

入金など操作は店員さんがするのですが、レジの機械自体は自動で預り金を入れるとお釣りが出てくるやつ、増えましたよね。

出勤時111円の買い物をしたルシ駒、財布に1円玉が1枚あったので、財布の1円玉を使いきれることに気持ちよさを覚えながら151円をお渡ししたんです。ですが、なんと店員さんはウッカリ1円玉を機械に入れ損ねてしまい「あ!ごめんなさいっ!」と謝って頂きながら39円のお釣りと入れ損ねた1円玉をお釣りとして渡して下さったんです。

何だか意味なくお金を崩してもらっちゃったな~アハハと受け取ってきたのですが、その日、昼の買い物で端数がなんと39円になり、お!昼の買い物で40円渡して1円のお釣りをもらうはずだったを、朝のうちに先にしといたって事なんだな~

と楽しい気持ちになった

ルシアー駒木です。

今回はまさに「奇跡の楽器誕生」のストーリーです。

ある日の午後そこには3人の男たちがいました。

楽器を前に話し込んでいます。

一人は私ルシ駒。

後ろ姿は長年ElectricGuitar&Bass開発担当としてHISTORYブランドを支えてきたヨシザワ。

もう一人は現在のHISTORYブランドの顔、開発の中心人物、セキです。

男たちは悩んでいました。

HISTORYブランドを今後どうやって広めていこうか、3人ともブランドを愛するが故の悩みです。

そしてもう一つ、ベースの開発って、難しいなあ。。。と。

ここ数年、目立ったモデルや限定品は割とギター中心に感じられた方が多いですよね。

ベース開発にも自信あるのですが、HISTORYというブランドコンセプトを考えると、突飛なモノを作りたい訳じゃない。

でも正直突飛なモノを作る方が簡単だったりします。オーソドックスでありながらHISTORYらしさを出すのは難しい。。

我々はHISTORYというブランドに深く関わってきたからこそ、だからこその難しさを感じていました。

ミーティングは1度では終わらず、違うメンバーの意見も、とルシ駒海外買い付けの相棒イマイの話も聞いたりして・・・

HISTORYらしさってなんだろう、魅力を伝えるにはどうしたらよいだろう、、と自問自答の日々を過ごしました。

HISTORY愛

私たちは、勿論HISTORY愛が強い訳です。でもそれは「作り手の愛」。

でも楽器は弾き手の為のものですよね。

・・・そうだ、弾き手で愛のある方の意見を聞いてみたら、、、

ルシ駒は一人のアーティストを思い出しました。

最近ルシ駒がお世話になっている、HISTORY使いのBass playerといえば!

そうです。

レトロリロン の 飯沼一暁 さん

いつも工房に足を運んで下さって、メンテやカスタムのご依頼は勿論、様々なご協力をして下さっています。

バンドの目覚ましい躍進ぶりには、驚かされつつも同時に「当然だよね」の気持ちもあります。曲も演奏も最高ですから。

しかも最近よくある「SNSやショート動画とかでドカーーンとバズる(言い方を変えると打ち上げ花火のようにパーンと上がってすぐ消える)」のではなく、ライブを重ねる度に「凄く良かった」という口コミがジワジワ広がって人気が出ていく様は、レトロリロンさんがどんな方たちなのか、を象徴している気がします。

飯沼さんと我々との関係、そしてヌマベース誕生については以前のブログを是非ご覧ください!

私達、飯沼さんのHISTORY愛が強い事は、これまでのお付き合いで十分承知しております。

飯沼さんなら、HISTORYのベースに「愛のある弾き手」として、私たちの作り手の視点とは違った形でご意見を伺えるのではないか、、、

そう思った訳です。

HISTORY再確認の素晴らしいミーティング

悩む我々3人に、以前のブログでも登場してくれた新宿店リペアマンの佐藤を加えた私たちHISTORYチームは、早速飯沼さん、そしてルシ駒も全幅の信頼を置くレトロリロンの宮崎マネージャーを工房にお呼びして、お話をする機会を設けました。

そしてこのHISTORY愛で結ばれた人たちのミーティングが奇跡の企画へと繋がったのです!!

HISTORY×飯沼一暁 共同開発モデル製作決定!!!

愛の結晶、製作が決定!

やった~!

飯沼さんにご協力頂く訳ですから、コンセプトは、

「ライブで扱いやすい実践的な楽器」

最高じゃん!

・・・とはいえ、

勿論簡単ではありません

そもそもヌマベースはそれまで使ってきて下さった何本ものHISTORYのサウンドやプレイアビリティを念頭に入れ、メイン機となるべくルシ駒が仕込んだものです。

このブログ掲載時には更にネックの改良も行い、version 2.0へと進化を遂げています。

このヌマベースのニュアンスも勿論存分に盛り込み、飯沼さんからのこの特別なモデルへの希望も実現させつつ、且つ現在開発責任者のセキを中心に我々HISTORYチームが誇るPremiumSeriesの良さも感じてもらいたい、そんなわがままを形にしたい訳ですから、一筋縄ではいきません。

例えば・・・

例えば、その苦労を象徴するものを一つご紹介しますと、、、

「ピックアップ」

ヌマベースにはJIMMYWALLACEを採用しています。

ですがヌマベースはボディやネック、塗装なども全てマッチングを考えており、JIMMYのピックアップもあくまでその1つの要素。ですのでJIMMYを乗せれば良いやね!という単純な事ではありません。

そしてHISTORYのピックアップはオリジナル設計。当然そこに拘りもあります。

って事は、オリジナルのピックアップで、且つ今回の限定モデルにマッチしつつ、更にヌマベースに乗せたJIMMYのニュアンスも加えたような・・・という何とも難しい課題に取り組むことになった訳です。

さてさて、上手くいくでしょうか、、、

後編をお楽しみに!

後編では、貴重な開発の裏側を覗き、そしてなんと!製造の現場にも向かいます!

大人の遠足&社会科見学(笑)です。

お楽しみに!

ルシアー駒木でした!

ルシアー駒木プロフィール

テクニカルチーフとして島村楽器のギターリペア工房に勤務。

アーティスト用・雑誌掲載用などオーダーメイドでの楽器製作を行なってきたキャリアを活かし、お客様の楽器の修理・改造業務を主としながら、海外への買い付け業務や楽器開発協力、世界各国の工場で技術指導も行う。
その実力はアメリカやスウェーデンをはじめとした海外のアーティストから、スペインの伝統的なギター製作現場まで高い信頼を得るほど。

修理・改造業務の他、エレクトリックギターやベース、アコースティックギターの入門書やメンテナンスDVDへの解説出演、ラジオ「SAME’SBAR」への出演など、広い活動の場を持つ。

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