マハラージャンとゴールデンギター|ルシアー駒木のギターよもやま話 その121

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マハラージャンとゴールデンギター|ルシアー駒木のギターよもやま話 その121

記事中に掲載されている価格・税表記および仕様等は予告なく変更することがあります。

皆様こんにちは!

暑くて暑くて、アイスクリームの海で溺れたい、

ルシアー駒木です。

皆さんは最近話題のミュージシャン、
マハラージャンさんをご存知ですか??

実はルシ駒、最近マハラージャンさんのお手伝いをさせて頂いているんです

そこで今回は、
「縁」というものの大切さを再確認出来たマハラージャンさんとの出会い、そして有難い事に好評を頂いている『ゴールデンギター』の事をご紹介したいと思います。

それではどうぞ!

懐かしいギター

ある日の事、
爽やかな風を吹かせ、ハンサムな青年が浅草橋のギター工房を訪ねていらっしゃいました。
たまたまその日店舗で対応したのは浅草橋の店長のアベ。

青年の持ってきたギターは島村楽器のオリジナルブランド、HISTORYだったのですが、

機種が、現在は製造されていない
こちらのギター⇓

だった事に店長は驚きました。

とうのも、実はこのギター、カタログに掲載されていたのは、~2010年頃まで。

アベ店長は数少ない島村楽器の技術部署立ち上げスタッフです。
ですから、このギターの開発~ブラッシュアップしていったHISTORYの成長時代にルシ駒が関わっていた事もよく知っています。
そこで私に声を掛けてくれました。
「ルシ駒さん、お客さんが『GHS1-M』持って来てくれましたよ!!」

ご本人にお声がけすると、なんと
「実はもうすぐデビューが決まっているんです。」

そう、いらっしゃったのは、デビューを控えたマハラージャンさんご本人だったのです。

GHS1-M というギター

技術者として開発に関わり始めた初期の頃、当時はまだHISTORYというブランドが世に広まってはおらず、島村楽器という会社のイメージも、ギターを開発しているような専門的なイメージではなかった時代。

そんな中で、開発部門ボスが当時合言葉のように言っていた

本質的に良い物を創るんだ!そうすればギター好きなお客さんにはきっと伝わる!

という言葉のもと、技術者としての経験をフルに活用して、HISTORYを育てていました。
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その当時のHISTORYを代表するフラッグシップこそがこのGHS1-Mというモデルだったのです。

マハラージャンさんは、「カッティングが気持ち良い、エフェクトのノリも良い」というサウンド面を気に入って下さり、そしてオリジナリティを求めるマハラージャンさんらしいポイントとして、「他の人と同じではいやだ!」という要素にも、マジョーラ塗装を含めて、このギターはハマったとの事。

当時は無名だったHISTORYというブランドも、マハラージャンにとっては「独自性」という良い面として活きたようですね。

ギターはこの1本だけで楽曲製作や活動をされてこられたのだそうです。
本当に嬉しいお話でした。

技術サポートでのお手伝い

こんなご縁を頂いては、お手伝いしない選択肢はありません。

タイミングも良く、
丁度コミュニケーションを取らせて頂き始めたところでマハラージャンさんメジャーデビュー!
そして間髪入れずNHK「シブヤノオト」ご出演が決定!

早速、音楽プロデューサー・作詞・作曲・編曲家としても著名な、マハラージャンさんのマネージメントをされている corin. さんと共に工房にお呼びして、サブギターの選定と、今後のサポートのお話をさせて頂きました。

選定の時には当時のHISTORYと現在のHISTORYを両方ご用意して、開発話も交えての楽しい時間となりました。

リハーサルにも早速お邪魔して、セッティングからお手伝い。

NHK本番でも技術サポートさせて頂きました

そして新たな展開へ・・・

愛機として使って頂いているGHS1-Mは今後も重要なメインギターとして使って頂くとして、
1本だけではライブなど不安ですし、別のサウンドを出せる楽器がある事で、楽曲製作の幅も広がるかもしれません。

そんな事を考えたルシ駒、
「オリジナル機を作りませんか??」
というご提案をさせて頂こうと、現行HISTORYが充実展示されている新宿店にお呼びしました。

こうして、『HISTORY ゴールデンギター』の企画が誕生したのです!

ルシ駒本領発揮

これぞまさにルシ駒の得意分野。
・・・というか本来の仕事(笑)

私自身楽しく進めさせて頂きました。

木工を終えて、、、

下塗りを丁寧に行ったのですが、

これは着色に備えての事。
というのも
今回、ギターによくある金色で塗るのはつまらんなあと思いまして、
通常ギターに使う事はない、仏像などを塗る時に使う塗料を独自入手。

ピックガードなども全てゴールドで仕上げ、

「見掛け倒し」にはしない為、ピックアップにはJIMMYWALLACEを搭載!

やりましたよ、ルシ駒。

そして、完成!

もう言葉はいらないw

どうですか!みなさん!!

贈呈!!

初お披露目は伝説になる事必至の『スピシャルLIVE!』


こちらのギターを製作した事は、皆さんに言いたいのをグッと堪えて、内緒にしておりました。
というのもそれは、マハラージャンさんのスタジオライブ配信が決まっており、そこで初お披露目にしよう、ファンの皆さんに驚いてもらおう!という作戦。

時は2021年7月16日
都内某スタジオ

一夜限りのYouTubeライブ「『僕のスピな人』リリース記念~スピシャル~ライブ」
開催に向け、着々と準備が進められています。

因みにアンプもご用意させて頂いたBadCat!

私はギターテックとして、きっちりセットアップをしていきます。

会場も準備が整いました。

輝いておりますw

アーカイブの残らない貴重なライブでしたが、公式で少しだけ公開されているものをご覧ください!

リアル視聴の方からゴールデンギターについても沢山コメントがついていて、嬉しかったです。
ファンの皆さんに喜んでもらえて良かった!

これまでマハラージャンさんを支えて来たHISTORY
これから支えてくれるであろうHISTORY
が並ぶ姿は、感慨深いものがありました。

ゴールデンギター、カッコ良いでしょ!!

今後もマハラージャンさんの活躍に注目!!

ルシアー駒木でした。

ルシアー駒木プロフィール

テクニカルチーフとして島村楽器のギターリペア工房に勤務。

アーティスト用・雑誌掲載用などオーダーメイドでの楽器製作を行なってきたキャリアを活かし、お客様の楽器の修理・改造業務を主としながら、海外への買い付け業務や楽器開発協力、世界各国の工場で技術指導も行う。
その実力はアメリカやスウェーデンをはじめとした海外のアーティストから、スペインの伝統的なギター製作現場まで高い信頼を得るほど。

修理・改造業務の他、エレクトリックギターやベース、アコースティックギターの入門書やメンテナンスDVDへの解説出演、ラジオ「SAME’SBAR」への出演など、広い活動の場を持つ。

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