皆さまこんにちは!
出張時札幌のお客様に、雪道の歩き方を教えてもらい、関東の雪では転ばなくなった、
さて、無事に接着固定したところで終わった前回のブログ。おまちかねの続きをご覧頂きましょう。
前回の記事はこちら
さて、うまく接着出来たかな(^^)

接着剤もしっかり硬化したようですね(^^)
早速出っ張った部分を削り落としていきましょう。

どうかな~

よしよし、隙間なし
今回の修理内容において主軸となるところはこれでOKです、、、が、
今は埋め木部分のみが塗装が無い状態。これでは終われませんし、埋め木部分にだけ塗装してもよいのですが、、、折角ですから綺麗に仕上げたいですよね!
ヘッド表面と指板面だけ残して塗りなおし決定!(>◇<)0!
丁寧に古い塗装を削っていきます。このギターは薄いラッカー塗装なので、熱など加えずにそのまま削る事にしました。

更にルシ駒パワー全開!!!

どうですか??

綺麗になりました。
そして、改めてこの段階でよ~く見ても、埋め木の隙間完全ゼロ。端の丸い部分も完璧です。
さあ、お待ちかねの塗装です!

まずは下地を吹いて、、、
乾燥させたら、ヘッドの表側と指板面を見ながらの色合わせ!!

これ↑はヘッドだけ吹き始めたとこ。この写真だと、どんな感じで色がついていくのか分かりやすいでしょ~!
うまくいきました。

良い色です(^^)
あとはTOPコート、つまり艶を出す保護層を作っていきます。
良い艶が、、、

、、、出ましたヾ(@^▽^@)ノ
今回の塗料はニトロセルロースラッカーですので、この状態で少々乾燥期間が必要です。
こう見えて結構忙しいルシ駒、この乾燥期間に出張を済ませてしまいましょう!
では、
出張いってきまーす!
。。。。。。 。 。 。 。 。
ただいま戻りました!!
ブログ上では1行しか過ぎていませんが(笑)、この間おおよそ3週間、
福岡、中国、名古屋、札幌、、、関東も大宮に新宿、と国内外に工房外のお仕事をしに出張してまいりました(←これ本当)
その間にすっかり乾燥もされたようですw(^O^)w
通常の塗装であれば、これで磨きをかければ完了ですが、今回の楽器は使い込んだ雰囲気も重要。特にヘッドの表側と指板面は元のままですので、今の艶では逆に違和感があります。
そこでルシ駒技術を駆使して、使い込んだ雰囲気を出していきます。狙いは「半艶消し」といった感じでしょうか。

どうですか?雰囲気出たでしょ~
それでもまだ少し艶がありますので、もうヒト手間加えます。
すると、、、

これ↑が、これ↓に!

狙い通りです(^^)
今回の目的であった、埋め木が浮いてしまった箇所は、

埋め直した事自体も分からなくなりました。
元の塗装そのままの指板面と、塗り直したネック部分との境目も、、、

全く分かりません
フレットもキレイにして、

ここまで来れば、あとは組み込み。
オーナー様の好みの音質になるように、「弦鳴り」と「ボディネック鳴り」のバランスから成る倍音構成比を考えて組み込んでいきます。
ルシ駒調整会でおなじみのやつですね!



弦を張れば完成です!!

これを見て、埋め木を削り抜いて塗装までして修理したとは思わないでしょ~?

修理は、その場しのぎではいけませんよね。先々も考えた修理でないと。
今回のように、元の作りが最高のものであっても、日本の四季の中ではトラブルが起きる事があります。北海道にお住まいなのか、沖縄にお住まいなのかでも全く違って当たり前。気温も湿度も安定しないこの日本で、この先ずっと長く使える、そんな修理を丁寧にさせて頂きたいと思っています。
島村楽器の工房では、様々なキャリアの技術者が万全の体制で皆様の楽器をお待ちしております。
修理・改造のご相談は勿論、
とりあえず用がなくても(笑) まずは島村楽器へGO!!
ルシアー駒木でした!

ルシアー駒木プロフィール
テクニカルチーフとして島村楽器のギターリペア工房に勤務。
アーティスト用・雑誌掲載用などオーダーメイドでの楽器製作を行なってきたキャリアを活かし、お客様の楽器の修理・改造業務を主としながら、海外への買い付け業務や楽器開発協力、世界各国の工場で技術指導も行う。
その実力はアメリカやスウェーデンをはじめとした海外のアーティストから、スペインの伝統的なギター製作現場まで高い信頼を得るほど。
修理・改造業務の他、エレクトリックギターやベース、アコースティックギターの入門書やメンテナンスDVDへの解説出演、ラジオ「SAME’SBAR」への出演など、広い活動の場を持つ。
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