皆様こんにちは!!
正月気分も脱してきた今日この頃。しかし未だに餅を食べている、
これがルシ駒記事としては今年最初ですね。
いやあ、昨年はお世話になりました。皆様のおかげで楽しい一年でした。
今年もルシ駒パワー全開で参りますので、宜しくお願い致します。どこかのお店で見かけたら気軽に声をかけてくださいね!
さて皆様、今年一発目で早速驚いてもらいましょうか(笑)
ある日、私のところに1枚の画像が。
ドドン!

(◎o◎;)こりゃあ、、、出っ張っちゃってますねえ(笑)
正しくはこう↓

どうも、ウォルナット材で出来ている「トラスロッドの埋め木」が、トラスロッドを締めるとその力でメリメリと出てきてしまうようです。
埋め木の役目を果たしてない・・・
実はこれ、たま~に受ける修理だったりします。元の木工が悪かったなんて残念な理由や、製作段階で接着が甘かったなんて酷い事も確かにあるのですが、
造りの良いしっかり接着された楽器でも、使われていた環境や保管の状況、木材の動きで接着が剥がれてしまう事があります。
今回はどうやら後者のようですね。
浮いてきたところにだけ接着剤をつけて、そのまま押し込んで固着させてしまうような修理を行う技術者もおります。それで問題ないケースも無いとは言いません。しかし古い接着剤が残ったままになってしまいますし、剥がれた部分全てをきちんと接着するのはその方法では不可能。再発の危険もあります。
ルシ駒としては全部抜いてしまうしかない!
という事で、

ネック材の方には傷をつけないように、丁寧に且つこういう時は大胆に!
実際に剥がれている箇所は5センチにも満たないので、結局殆ど削って取り除く大変な作業。
、、、ですが、ルシ駒なら問題なし。

綺麗に埋め木だけを除去出来ました
まだまだ作業はここから。
用意したのはこのウォールナット材。

ルシ駒が自分で木材業者に行き、選別してきたものです。
まずは厚みを溝の幅ぴったりにしていきます。

ルシ駒の凄まじいスピードにカメラが追いつきませんので、何を使っているのかお見せしますと、、、

こんな道具。
一見南京鉋のようにも見えますが、鉋ではなく刃としてついているのは所謂Scraperです。

こいつで、平面を出しながら同時に厚みも出していきます。
さてさて、、、どんな具合かな?切り出して入れてみましょう。

端はOK、
中央はどうかな、、、


木同士なのに「ニュル~」と入っていく、厚みがピッタリだった時特有の感触がたまりません。

一旦抜いて、ボンドを側面に塗ってから、再度入れます。

クランプで固定。接着面はあくまでも「側面」なので、上下の向きにキツク締める必要はありません。あくまでもずれない様に固定しておくだけ。

さて、これで前半の山場は越えましたね。
長くなりそうなので、今日はここまで。
次回は仕上げに入っていきます。
お楽しみに!!
ルシアー駒木でした。

ルシアー駒木プロフィール
テクニカルチーフとして島村楽器のギターリペア工房に勤務。
アーティスト用・雑誌掲載用などオーダーメイドでの楽器製作を行なってきたキャリアを活かし、お客様の楽器の修理・改造業務を主としながら、海外への買い付け業務や楽器開発協力、世界各国の工場で技術指導も行う。
その実力はアメリカやスウェーデンをはじめとした海外のアーティストから、スペインの伝統的なギター製作現場まで高い信頼を得るほど。
修理・改造業務の他、エレクトリックギターやベース、アコースティックギターの入門書やメンテナンスDVDへの解説出演、ラジオ「SAME’SBAR」への出演など、広い活動の場を持つ。
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