信州ギター祭り2025 主要ブランド制作ブログ公開中!

珍しい箇所のネック折れ その2|ルシアー駒木のギターよもやま話 その16

  • ブックマーク
珍しい箇所のネック折れ その2|ルシアー駒木のギターよもやま話 その16

記事中に掲載されている価格・税表記および仕様等は予告なく変更することがあります。

皆さんは何鍋が好きですか?

あらゆる鍋を食べつくし、
最近シンプルな湯豆腐や水炊きに帰って来た
こんにちは、ルシアー駒木(コマキ)です

さて、前回塗装を剥がすだけで終わってしまったこの修理。
いよいよ接着に入っていきますよ V(>。<)V
折れ方が普通ではないので、接着も一筋縄ではいかなそうです。。。

ではご覧いただきましょう。

とりあえず、現状のまま接着しようとしたらどうなるのか、
クランプを使って仮固定してみましょう。


どうかな?・・・これで着いたら助かるのですが・・・

あらら


全然ダメです。。。
力強く締めてみても、隙間動かず。。。
木のささくれ等が内部で邪魔をしているのでしょう。
例の指板面側の割れも影響していそうです。

木のささくれや古い接着剤を出来るだけ取り除いて、かつもっとしっかりと固定する工夫が必要です。

そこで


バインディングを剥がしてしまいましょう。
これで接着面の状態がしっかり確認できます。

医療用のメスを使って、狙い撃ちで不要部のみを削り取っていきます。

そして接着の為にこんなものを用意しました。


当て木ですね!
仮止めの結果も良好です V(^^)V

それでは接着。
クランプを締めると接着剤がはみ出てきます。
隙間が無い証拠。いい感じです。

ふき取って見ると・・・


あれだけ空いていた隙間がピッタリ

これで無事接着完了です。


最初の一山を越えたという感じでしょうか。

これだけしっかり隙間無く着けば基本的には大丈夫。
・・・とはいえ、このままでは再発の可能性は否定出来ません。

絶対に再発させない為にはこの後が大事。

さてルシ駒がどんな補強をするのか!
次回のお楽しみですよ!!

話を引っ張るのが大好きな
ルシアー駒木でした

ルシアー駒木プロフィール

テクニカルチーフとして島村楽器のギターリペア工房に勤務。

アーティスト用・雑誌掲載用などオーダーメイドでの楽器製作を行なってきたキャリアを活かし、お客様の楽器の修理・改造業務を主としながら、海外への買い付け業務や楽器開発協力、世界各国の工場で技術指導も行う。
その実力はアメリカやスウェーデンをはじめとした海外のアーティストから、スペインの伝統的なギター製作現場まで高い信頼を得るほど。

修理・改造業務の他、エレクトリックギターやベース、アコースティックギターの入門書やメンテナンスDVDへの解説出演、ラジオ「SAME’SBAR」への出演など、広い活動の場を持つ。

ルシアー駒木 関連商品

信州ギター祭り2025 主要ブランド制作ブログ公開中!
  • ブックマーク