皆様こんにちは!石田でございます!
ようやくうだるような暑さが過ぎ去り、日中を除けば過ごしやすい日が多くなってきました。
ギターの練習もしやすくなりましたのでこの機会に新しいギターを探してみてはいかがでしょう?
今回は軽量さをコンセプトにしたモデルをご紹介します。
SCHECTER L-A-ST-AL/R Deep Blue Metallic/ Egyptian Gold
本モデルは一見すると普通のストラトキャスター。
ですが、中身は別物と言っていいほど特殊です。
(このパターンが多いですが、普通っぽいけど実は...というのが好きなので)
なにが特殊かというと...
この通り!
そう、中身が空洞です。
いわゆる「セミアコ」に近い構造で、ごっそりと内部の木材を削っています。
「軽いギターが良いんだけど」というご相談を良くいただきますが、ギターはほとんどの部分が木材ですので個体差が激しく、ストラトキャスタータイプであっても 3kg前半から、モノによっては 4kgを超えるものがあったり、ご相談いただくタイミングでご納得いただけるものを紹介できるとは限りません。
「だったら作っちゃおう」ということで企画したモデルです。
軽量化とサウンドを両立
「軽量化のためにボディをくりぬく」というのは分かりやすい手法ですが、問題点があります。
それは「ホロウボディの音になってしまう」ということ。
ボディ内部の空洞に弦振動が吸われるので、通常よりも甘いトーンになりサスティーンも減少します。
過去にチェンバード加工されたストラトキャスタータイプは幾度となく他社からリリースされており、様々なモデルを実際に試してきましたが、たとえハイエンドなモデルであっても(あえて、という部分もあると思いますが)やはり普通のストラトとは全然違うサウンドでした。
今回のモデルは軽量さだけが目的であり、ホロウの音は求めていませんので色々工夫して、音の変化を最小限にとどめています。
その一つとしてホロウにする部分の工夫があります。
今回のモデルはコントロール類のザグリ部分やエルボーコンターに至るまでかなりの肉抜きを施していますが、弦の延長上は削っていません。
この部分がホロウになっているかどうかで低音の出方が変わります。
さらに通常は 3~4mm 程度である指板を 6mm程、とかなり分厚くしています。
ネックのメイプルよりも比重が高いローズウッドを厚くしていますので、よりネックの剛性が上がりサスティーンや音の明瞭さに貢献します。
結果的にかなりはっきりとしたサウンドのストラトキャスターが完成しました。
SSS に見せかけた SSHレイアウト
ピックアップは Seymour Duncan の定番モデル、SSL-1 をフロントとセンターに。
リアには STK-S7 Vintage Hot Stack Plus を搭載。
適度な出力のハムバッカーで、フロント・センターとのバランスを取りながらノイズに強く、歪ませても使いやすい特性です。
クラシックなストラトキャスターのルックスをそのままに、リアをハムバッカータイプにすることで幅広いジャンルに対応可能にしました。
6点支持トレモロ
こちらもクラシックな仕様のゴトー製GE101ブリッジを採用。
ベタ付けセッティングもしやすいです。
信頼の国産ペグ
ペグはゴトー製SD-91を採用。
精度、重量、扱いやすさから間違いのないモデルです。
シェクターならではのスプリットトーン
コントロールはマスターボリュームとマスタートーンに加え、シェクターオリジナルのローカットコントロールを搭載。
トーンがハイカットコントロールとして機能するので、通常のハイカットした丸いサウンドから、ローをカットしてジャズマスターのようなブライトなサウンド、両方を少しだけ絞ってムスタングのような控えめなサウンドなども作れます。
サウンドインプレッション
かなり特殊な構造のモデルなので、実は製品化の前にプロトタイプを1本製作いただき、検証してからのリリースでした。
プロトの段階から狙い通りホロウとは思えないサスティーンと、非常に明瞭なサウンドが魅力であり、より幅広いジャンルで活躍できる様SSHピックアップコンビネーションを採用。
製品版はかなりスキのない仕上がりになっていると思います。
サウンドの為に指板を厚くする、という観点から指板Rはかなりフラット。
ストラトタイプにはあまり採用しない400Rです。
ルックスなどトラディショナルな方向に振っていますが、演奏性だけはモダンで、チョーキングなどもしやすいかと。
ぜひ色々な奏法でお試しください。
商品情報
メーカー | SCHECTER |
型名 | L-A-ST-AL/R |
販売価格 | (税込) ¥158,000 (税抜 ¥143,637) |
JANコード | 4518533038996(DBM) 4518533039009(EG) |

石田 純一プロフィール
ギター演奏はそこそこに機材いじり(改造、音作り)をメインに楽しむ学生時代を送り、機材好きが高じて、「いつの間にか楽器店の店員になっていた」インドア派。
入社後はPRS(Paul Reed Smith)現地工場でのPrivate Stockオーダーをはじめ、自身の経験を活かし、多彩なブランド・ジャンルでの楽器開発も手がけています。