こんにちは!札幌パルコ店の坂口です。
SNSで「弾いてみた」動画や、ライブ配信アプリでの演奏を目にする機会が本当に増えましたよね。
「自分もやってみたい!」と思ったとき、最初にぶつかる壁が「どうやってキレイに音を届けるか」ではないでしょうか?
私も定期的にご相談いただく時があります。
スマホのマイクでそのまま撮るのも手軽で良いですが、生活音が入ったり、音が遠かったり…。
「でも、配信のためだけに新しいエレアコを買うのもなぁ…」などなど
そんな悩みをお持ちの方は朗報です!
実は今持っているお気に入りのアコースティックギターを、後付けで「エレアコ」に進化させることができるんです!
というわけで今回は、愛用のアコギをライブや配信で即戦力にするための「ピックアップ取り付け」についてご紹介します!
エレアコとは?
エレアコとは「エレクトリック・アコースティック・ギター」の略称です。
生のアコースティックギターに「ピックアップ」と呼ばれるマイクのような機械を取り付け、シールドケーブルを挿してアンプやオーディオインターフェースに繋げるようにしたギターになります。
エレアコにすると得られるメリットを簡単にまとめると
- 配信・録音がキレイ:ライン出力できるので、周りの雑音が入らずクリアな音でPCやスマホに送れます。
- ライブで大音量:アンプから音が出せるので、バンドの中でも音が埋もれません。
- 音作りが自由:エフェクターをかけてリバーブ(響き)を足したりできます。
があります。
ピックアップの種類について
ピックアップにはいくつか種類があるので、自分のプレイスタイルに合ったものを選んでみましょう!
①アンダーサドルタイプ(ピエゾ)
サドル(弦が乗っている白い棒状のパーツ)の下に薄いセンサーを挟み込むタイプです。
有名なモデルとしては、L.R.Baggs Element VTC、FISHMAN Matrix Infinity VT などがあります。
| 特徴 | バンドサウンドの中でも埋もれない、輪郭のハッキリした音。ハウリングに強い。 |
|---|---|
| こんな人にオススメ | バンドで演奏する人、ジャカジャカとかき鳴らすストロークプレイがメインの方。 |
②マイクタイプ(コンデンサー)
ボディ内部に小さなマイクを仕込むタイプになります。
有名なモデルとしては、L.R.Baggs Lyric などがあります。
| 特徴 | 空気感を含んだ、最も「生音」に近い自然なサウンド。ボディを叩く音も拾ってくれる。 |
|---|---|
| 注意点 | ハウリングしやすいので、大音量のバンドにはやや不向き |
| こんな人にオススメ | ソロギター、弾き語り、リアルな空気感を録音したい方。 |
③マグネティックタイプ
サウンドホール(穴)に取り付ける、エレキギターのピックアップのような見た目のタイプです。
有名なモデルとしては、L.R.Baggs M80、SUNRISE S-2 などがあります。
| 特徴 | ノイズが少なく、ロングサスティンでメロディが際立つサウンド。 取り付けが比較的簡単でギター本体への加工が少なくて済む場合が多いです。 |
|---|---|
| こんな人にオススメ | こんな人にオススメ:ソロギター |
④ミックスタイプ(ブレンド)
「アンダーサドル」+「マイク」など、2つのシステムを混ぜて出力するタイプ。
L.R.Baggs Anthem、FISHMAN Matrix Infinity Mic Blend Pickup & Preamp System 等
| 特徴 | 場面に合わせて自分好みにミックスバランスを調整が可能な機種もあります。 |
|---|---|
| こんな人にオススメ | サウンドに拘りたい方、様々なプレイスタイルで演奏される方 |
実際につけてみた!
今回は、L.R.Baggs Anthem を付けていきます。L.R.Baggsはプロも愛用する定番ブランドとして世界中で高く評価されています。Anthemは今回紹介したピックアップの種類ではミックスタイプのピックアップです。
今回はその工程をステップごとにご紹介します!
エレアコ化は「木工加工」が必要となる専門的な作業です。大切な楽器を守るためにも無理な改造は控え、記事の最後にご案内している島村楽器各店へご相談ください。
STEP1:弦とサドルを外す

まずは弦を外し、ブリッジにあるサドルを抜きます。このサドルの下にアンダーサドルピックアップのセンサーを敷くんですね。
STEP2:サドルの溝へ穴をあける

次に、音を拾うセンサー(ピエゾ)を通すための穴を、サドルの下(ブリッジの溝)に空けます。
この穴あけも非常にデリケート。
弦の振動を均一に拾うために、角度や位置が少しでもズレると音のバランスが悪くなってしまいます。 適切なドリルビットを選定し、垂直に、丁寧に貫通させます。
STEP3:あけた穴にピエゾを通す
ドリルビットであけた穴にピエゾを通していきます。

敷くとこのようになります。

STEP4:サドルの高さ調整(ここが最重要!)
ここが一番「職人の腕」が問われるポイントです!
サドルの下にピックアップの厚みが加わる分、そのまま戻すと弦高が高くなって弾きにくくなってしまいます。
そのため、ピックアップの厚み分だけサドルの底面を削る必要があります。
ただ削ればいいわけではありません。底面が**「完全に平ら(フラット)」**でないと、ピックアップに均一に圧力がかからず、「3弦だけ音が小さい…」といったトラブルになります。
まずは専用のマシーンを使って大まかに削っていきます。

その後はやすりを使って最終調整をします。

STEP5:マイクの取り付け
マイクをボディトップの裏側に貼り付けます。Anthemはピエゾとマイクのブレンドが出来るからこそ、生音に近い自然なサウンドになるのです。

STEP6:エンドピンジャックの拡張加工
シールドを挿す部分(ジャック)を作るための穴あけです。
もともと付いているストラップピンを外し、穴の直径を 12mm まで広げる必要があります。

ドリルを使うと木部が割れてしまうリスクがあるので、「リーマー」という特殊な工具を使って、慎重に、少しずつ穴を広げていきます。
ジャックを取り付けるとこのようになります。

STEP7:コントローラーと電池ボックスの取り付け
手元でボリュームやトーンを調整するためのコントローラーを専用の両面テープ取り付けていきます。

次に電池ボックスをボディバック部分に取り付けます。

STEP8:最終チェックとサウンド出し
弦を張り直し、アンプに繋いでいざ音出し!

Anthemの特徴である、ピエゾとマイクのブレンド具合を確認します。
- 各弦の音量バランスは整っているか?
- ノイズは乗っていないか?
- ボディヒット音は拾えているか?
チェックしてみましたがバッチリでした!
生音のようなエアリー感がありつつ、芯のあるサウンドが出力されました。これでレコーディングも配信もランクアップ間違いなしです!
ピックアップの取り付け、承ってます!
ピックアップの取り付けをご検討の方はお近くの島村楽器各店にて受け付けています。
詳細のご相談や店頭での対応が可能な専門店・リペアブース併設店もございます。
- どのピックアップが良いかわからない?
- 工賃や納期はどのくらい?
など、お客様のプレイスタイル・ご予算等にあわせたご提案をいたしますので、お気軽にご相談ください。
また応急処置、メンテナンス、弦交換など、お客様のお困りごとを解消するサービスもご用意しております。
愛用のギターをグレードアップさせて、配信デビューやレコーディングに挑戦してみませんか?
ご来店、お待ちしております!









