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島村楽器エレキベース講師が試す!BOSS WAZA-AIR BASS レビュー!

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BOSS から登場した完全ワイヤレスヘッドホン型アンプ「WAZA-AIR BASS」。

独自の立体音響テクノロジーを搭載し、ヘッドホンでありながら実際に目の前でアンプを鳴らしているかのようなサウンドを体感できる魔法のようなアイテムです。

また完全ワイヤレスのため、場所を選ばずに演奏が楽しめるのも魅力の一つです。

今回は島村楽器エレキベース科講師の恩田康人氏に実際に試していただき、操作性や音質などをレビューいただきたいと思います。

BOSS WAZA-AIR BASS 概要

恩田康人氏 プロフィール


水野正敏(ex.PONTA BOX)に師事。
ジャズを中心にエレキベースと音楽理論を学ぶ。

初心者向けセッションイベントでは講師兼ホストミュージシャンを務め、100人以上をセッションデビューへ導いた。

その後、通信制高校で音楽講師も経験。

現在は島村楽器大宮店、ミュージックサロン本八幡店にてエレキベース科講師として稼働中。

レビュー

ベースと接続して音を鳴らすまでの第一印象はいかがですか?


電源を入れて楽器に挿せばすぐ音が鳴るので、とても手軽です。
例えば仕事から帰ってきて、疲れている中、アンプやらエフェクターやら色々準備するのはなかなか大変だと思いますが、これならそのような手間は一切感じません。

ワイヤレスなので楽器や自分にケーブルが絡まる事もないので、部屋の中で自由に動けるのもありがたいです。

ヘッドホン自体のアジャスターも無段階で調節できるので、自分の頭の形に合ったセッティングができます。
イヤーパッドも程よい厚み、サイズ感でしっかりベースの音をリスニングできるような密閉感がありますが、締め付けが強い印象はありません。

シンプルにヘッドホンとしての完成度は高いですね。

音質はどうですか?



最初は特にエフェクターは入れずにアンプのモデリングだけで試してみましたが、素直にクオリティが高いなと感じました。

それぞれのツマミの効果もアンプらしい効き方をします。
アンプ独特の空気感やタッチが良く再現されているので、家での練習とスタジオでのバンド演奏時に感じてしまう出音の体感差も埋められるんじゃないかなと思います。

なかなか家でベースアンプを鳴らすって難しいと思うので、初心者の方が練習でモニタリングできる環境としてはかなりオススメできます。

▲専用アプリでのアンプエディット画面

アンプの種類は多くはありませんが、ヴィンテージ、モダンなどジャンルに応じたサウンドは押さえられているので、逆にこれを選ぶだけで音作りの方向性を決められるというのはメリットだと思います。
実際、初心者の方だと「何を選んでいいか分からない」という悩みもあると思いますので分かりやすいのではないのでしょうか。

あとはこのようなアンプの開発段階で、実際にメーカーの方が音を作る時と、僕らが自宅などで音を鳴らす時って絶対にヘッドホンやスピーカーなどモニタリング環境が異なると思います。
それゆえにメーカーの方が意図した音を100%の状態で僕らがモニタリングするのってなかなか難しいんですよね。

ですがこれはアンプとヘッドホンが一体になっているので、メーカーの方が鳴らしてほしい音がダイレクトに鳴らせます。

また、ワイヤレス機材で皆さんが気にされる「音の遅延」に関しても全く感じられません。
もしかしたら下手なPCやオーディオインターフェースを有線で組み合わせるよりも良いかも。

右手のタッチの強弱にもしっかり対応してくれるので経験者の方でも十分満足できます。

エフェクトの種類などはどうですか?


BOSSのマルチエフェクターに搭載されているモデリングが一通り入っているので、かなり豊富ですね。
足元にエフェクターをズラッと並べずに楽しめるのでありがたいです。

▲専用アプリでのエフェクト選択画面

中にはベーシストに人気なコンパクトエフェクターを再現したモデルも入っているのでエフェクターの勉強にもなりますね。

TONE CENTRAL(トーンセントラル)の活用


あとはBOSSの追加コンテンツを入手できる「TONE CENTRAL(トーンセントラル)」を活用すれば、自分で音作りをせずとも色々なジャンルに対応できるサウンドが手に入ります。


▲TONE CENTRAL(トーンセントラル)画面

登録されているサウンドにはそれぞれ説明も付いているので、どんな時に使うとカッコ良くなるのか分かりやすいです。


サウンドで使用されているエフェクターの設定値も見れるので、音作りの勉強にもなりますね。

▲専用アプリでのエフェクトエディット画面

BOSSならではのエフェクトも内蔵


エフェクトを色々試してみて面白いなと思ったのは「ベースシミュレーター」ですね。
これは自分の楽器がジャズベースだったとしてもアクティブタイプなどのサウンドに変えられるという魔法のようなエフェクトなのですが、かなり特徴をつかんでいます。

「普段、自分が演奏している曲を違うタイプの楽器で弾いたらどんな音になるんだろう?」という実験的な使い方もできそうです。

▲専用アプリでのベースシミュレーター画面


関連したものだとフレットレスベースのサウンドを再現した「デフレッター」というエフェクトも入っています。

フレットレスベースに興味はあるけど、なかなか自分で買うのって勇気がいるので、まずはこのエフェクトで質感を楽しんでみるのが良いと思います。

どちらも良く作られていて、さすがはBOSSのデジタル技術だなと感じます。

▲専用アプリでのデフレッター画面

ジャイロセンサー機能はどうですか?


いわゆるL/Rにただパンを振っているだけでなく、しっかり演奏者と楽器の位置関係を再現してくれますね。

アンプを背にして演奏している感じや、空間の中での音の響き方・滲み方がよく再現されていて、ライブなど本番に近い雰囲気を楽しむ事ができます。
ライブ経験が少ない方はこれで練習しておくと、いざ本番になった時に音の聴こえ方の違和感などをより少なく済ませられるかもしれないですね。

▲専用アプリでのジャイロセンサー設定画面

その他に便利な機能を教えてください!


メトロノーム機能やジャンル・パターンごとに様々なリズムが内蔵されているので、基礎練習にはもってこいですね。

もちろん内蔵音源だけでなく、Bluetooth接続でスマホやタブレットから好きな音源を鳴らして、それに合わせて演奏する事もできるので弾いてみたやセッションの練習などにも活用できます。

音源の再生機器と有線接続も不要なので、セッティングもすっきりしますね。


▲リズム機能画面


あとは密かに嬉しいのは「BOSSといったら!」なルックスのチューナーが内蔵されている事ですね。
ワイヤレスだから音が合いにくいという事も一切ありません。

演奏前や途中でわざわざクリップチューナーなどを接続するのも手間なので、画面切り替えだけでチューニングができるのはありがたいです。

▲チューナー機能画面

EV-1-WL(ワイヤレス エクスプレッションペダル)を活用した楽しみ方



WAZA-AIR BASSは最近発売されたEV-1-WL(ワイヤレス エクスプレッションペダル)も連携させて使う事ができるんですね。

ワウなどエフェクトの掛かり具合を調整するのはもちろんできますし、フットスイッチを接続するとプリセットの切替とかも行なえるというのがすごいです。

内蔵エフェクトの数も豊富なので、足元にエフェクターを並べているような感覚も得られ、楽しみ方が選べますね。
他にもどんな使い方ができるか気になりますが、とてもじゃないけど一日では追求しきれないくらいの可能性を感じてます。

まとめ


率直に「演奏する人にとって、とても親切な設計」になっているなと感じました。
ポイントを上げるとしたら以下の3つかなと思います。

・ストレスフリー
・練習と本番のギャップを埋める仕掛け
・耳が育つ音の良さ

「ストレスフリー」に関しては、ワイヤレスですし、電源を入れてプラグを挿して「すぐ」音が鳴らせるので練習の際のストレスがかなり軽減されます。

ヘッドホンのケーブルが楽器と体の間に挟まったり、長くなくとも足元で楽器のケーブルが絡まったり、引っ張られたりするのは多少なりともストレスに感じるものですが、ワイヤレスであれば集中したいときにケーブルが絡まってうんざりするという事もなくなります。

また、ヘッドフォンは程よい装着感なので、練習中に落ちてくるのではないかという心配もありません。

「練習と本番のギャップを埋める仕掛け」に関しては、やはり家ではヘッドフォンなど小さい音で練習、本番では大きなアンプを鳴らすという状況が多いと思います。

このギャップはかなり大きくて、練習と本番の音の違いに驚いて自分の思ったように演奏できなかったという経験は誰しもあるのではないでしょうか。

WAZA-AIR BASSはアンプを背にして弾いている感覚や、空間の中での音の響き方・滲み方がよく再現されているのでギャップを少なく練習する事ができると感じました。


「耳が育つ音の良さ」に関しては、まず環境面として、これまではアンプ、エフェクター、ケーブル、ヘッドフォンなどを自分の好みで揃えて、それぞれの相性次第では思ったような音にたどり着けないという状況も多かったと思います。

ですがWAZA-AIR BASSは、全てがヘッドホンと一体化しているので、音を出すためのハードを別で用意する必要がなく、音作りに必要以上に迷う事がありません。

アンプ+エフェクターとは違い、作った音がそのままステージに持ち込めるわけではないですが、音作りのプロが作ったプリセットをメーカーの方と同じモニタリング環境で聞く事ができるので、「何が良い音なのか」を判別する感性も身に付きやすいのではないでしょうか。

本日はWAZA-AIR BASSをじっくり試させていただきましたが、これで練習すればしっかり耳が育ちますし、それに伴ってタッチの強弱なども身に付いていきます。

初心者の方はもちろんですが、経験者の方のレベルアップにも一役買ってくれるアイテムだと思いますので、ぜひ店舗で見かけたら試してみていただきたいですね。

商品詳細

メーカー BOSS
型名 WAZA-AIR BASS
販売価格 (税込) ¥49,500 (税抜 ¥45,000)
JAN 4957054517915

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