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【試奏レビュー】本能をアンロックせよ! ワイド・ディスプレイ搭載のZOOM最上位マルチ「G5n」がゴキゲンすぎる!

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Zoom_G5n

ZOOMと聞くと、まずは“お手頃価格”という言葉が脳裏によぎるユーザーも多いのではないでしょうか。
その魅力的な価格が先行するがゆえに、肝心の品質面をスルーしてしまっている人も多い気がします。
かく言う僕もそんな1人でしたが、今回“ZOOM史上最強”と謳うマルチ・エフェクター「G5n」を触ってみて、そんなイメージは砂のお城のごとく吹き飛びました。

ZOOMのマルチ・エフェクトにはいずれも液晶ディスプレイが装備されており、コンパクト・ペダル感覚で使用できるユーザー・インタフェースが魅力。
マルチ・エフェクターにありがちな“多機能だけど何か使いにくい”という問題に真っ向から立ち向かい、操作性を格段に向上させた功績は特筆すべきものがあります。

果たして前作「G5」からどのような進化を遂げているのか、その魅力にズーム・イン!

ワイドなトータル・ディスプレイで
エフェクトの接続状況が一瞬でわかる

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まず目に飛び込んでくるのが、本体上部にあるワイドなトータル・ディスプレイ。
「G5n」は最大9台のエフェクトの接続が可能で、現在のセッティングをこのトータル・ディスプレイで把握することができます。

その下に配置された4つのユニット・ディスプレイ(LED/ノブ/フットスイッチ)は、そのうちの4台のストンプボックス・ユニットに対応していて、4つのツマミで対応エフェクトのパラメーターを細かくエディットできたり、TYPEボタンを押すことでエフェクト・タイプ/モデルが選択できます。
ストンプボックス・スイッチで各エフェクトを個別にオン/オフできるので、ペダル・ボード感覚で使えるのが嬉しいですね。

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この写真だと、4つのツマミは左からPRESENCE/GAIN/VOLUME/MODEに対応していることになります。

ちなみにMS 800はアンプ・タイプ。
「G5n」には代表的なチューブ・アンプの内部回路や真空管/トランジスタ、個々のパーツ特性までを忠実に解析した5種類のアンプ・タイプを搭載しています。
アンプだけじゃなくて、実在するキャビネットの音響特性をサンプリングすることで、鳴りを極限まで再現したキャビネット・モデルも5種類内蔵!

アンプ・タイプはどれもレスポンスが良く好感触。
5種類だと一見物足りなさを感じてしまいそうですが、非常に完成度の高いサウンドなので物足りなさはまったく感じません。

宅録でポテンシャルを発揮すること間違いなしですが、何ですかこの使いやすさ!
この時点でまだ説明書も何も読んでないですからね。

計9台のエフェクトが接続できるのに、4つのペダルでどうすべてのエフェクトのオン/オフを切り替えるんだ!?という怒号が飛んできそうですが、そこで活躍するのがこの新採用のスクロール・フット・スイッチです。

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これですね。
他のエフェクトを操作したい場合は、これを踏むだけです。
右のスクロール・フット・スイッチを踏むと…。

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トータル・ディスプレイで白く表示されている部分が…。

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右に移動しました。
このようにスクロール・フット・スイッチを踏むことで、4つのユニット・ディスプレイに振り分けられたエフェクトを切り替えることができます。

ちなみに、まだ説明書は見てませんからね。
まさに直感的感覚!

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もちろん、エフェクトの接続順の変更やエフェクトの削除/追加といったアクションも超簡単。
操作はすべてコントロール・ノブ(写真左)とメニュー・キー(写真右)で行えます。
メニュー・キーを押すと、各設定画面がトータル・ディスプレイに出現します。

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あとはコントロール・ノブを回して選択し、プッシュで決定するだけ。
エフェクターの接続順を変更したい場合もとても簡単です。

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CHAINを選択して、接続場所を変更したいエフェクトに合わせたらコントロール・ノブをプッシュ。
変更したい場所までコントロール・ノブを回したら、再度プッシュすれば接続順の変更が完了です!

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エフェクトを追加したい場合はMENU画面からADDを選択して、コントロール・ノブで挿入先を選択するだけ。
エフェクトの削除はMENU画面のDELETEから行います。
いやはや、この操作性の高さと分かりやすさには正直驚きました。

内蔵エフェクトは圧巻の68種類
驚きのサウンド・クオリティにKO必至!

操作性だけではなく、高品質なサウンド・クオリティこそ「G5n」の真骨頂。
エフェクトは定番モデルからハイエンドなブティック・ペダル、さらにヴィンテージ・ペダルまで、全68種類もの“使える”サウンドを内蔵!

オーバードライブ/ディストーション/ファズなどの歪み系はもちろん、コンプレッサー/EQ/ディレイ/リバーブ/フランジャー/フェイザー/コーラス/ワウといった多彩なエフェクトを凝縮しています。

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プリセット・パッチは100種類で、さらに100種類のユーザー・エリアを合わせると計200種類のエフェクト・パッチをメモリー可能。
パッチを呼び出すには、モード切替スイッチを踏めばOK。
バンクの切替はスクロール・フット・スイッチにて行います。

というわけで、膨大なプリセット・パッチの中から特に気になったサウンドを9種類ピックアップしました。
音源はそれぞれアンプ/キャビネット・シミュレーターを追加して、パッチによってはパラメーターの変更と一部エフェクトをオフにしています。

 

パッチNo.4

TapeEchoとHallの残響を加えたクリーン・サウンド。
SweetDrvはオフに設定しています。

パッチNo.14

XtacyBlueとリバーブで厚みのあるサウンドを演出!

パッチNo.36

FD TWINRのトレモロとスプリング・リバーブによる、ムーディなクリーン・サウンドです。

パッチNo.37

Aco.SimとRackCompを使用した、きらびやかなアコースティック・サウンド。

パッチNo.48

ペダル操作でオクターブアップ。
後半では、MonoPitchでオクターブ下の音も追加しています。

パッチNo.54

MS800によるストレートな歪みと、ペダル・ワウを使用したサウンド。

パッチNo.78

HPSをCmにセッティングしたハーモニー・リード・サウンド。
VinFLNGRはオフに設定しています。

パッチNo.89

SeqFLTRにUK 30Aの軽い歪みを加えた、シーケンス・フィルター・サウンド。
幻想的な世界観が漂います。

パッチNo.99

SlowATTCKやVIBRATOなどを使った二胡のシミュレート・サウンド。

リズム・パターンもチューナーも!
アウトプット・ブースターはかなり使える!

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見逃せないのが、真空管ブースターをエミュレートしたアウトプット・ブースター。
BOOSTでブースト量、TONEで音質を設定できるのですが、これがなかなかに使える。

BOOSTを上げると若干のコンプ感とミッドが加わるので、音に太さと張りを加えたいときに便利。
高めに設定すれば強めのミッド・ブーストになるため、TONEと合わせて調整を突き詰めれば極端な音作りも可能です。
隠し味から大胆な音作りまで、積極的かつ幅広い調節が行えます。

TUNERペダルを踏むことでチューニング画面へと移行。
ディスプレイがワイドなので視認性も抜群で、さらにMENU画面から基準ピッチの変更やオープン・チューニング/変則チューニングといった詳細が設定できます。

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さらに、練習に最適な68種類のリズム・パターンを内蔵。

最長80秒のフレーズをレコーディングできるルーパー機能も装備しているので、練習の幅はかなり広がります。
ソロパフォーマンス・ツールとしても妥協を許さないのが「G5n」なのです。

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ライブからレコーディングまで、あらゆるシチュエーションに対応する入出力端子。
音楽プレイヤーを接続できるAUXインプットや、デュアル・アウトプット端子では2系統のモノラル出力に加えてPAなどへステレオで出力することも可能です。

ACアダプタの接続部はややくぼんだ設計で、抜けにくくなっているのも嬉しい配慮。

また、オーディオ・インターフェイスとしても活用できるので、USBケーブルでパソコンと接続してレコーディングできたり、無償アプリ「Guitar Lab」をダウンロードすれば、随時追加される定番アンプ・モデルや最新エフェクトも入手可能と至れり尽くせり!

マルチ・エフェクターのさらなる高みに到達した「G5n」。
ZOOMの威信をかけた最高峰の操作性とサウンドを、ぜひ君にも体感してもらいたい!

メーカー希望小売価格: (税込) ¥33,000 (税抜 ¥30,000)
販売価格: (税込) ¥30,250 (税抜 ¥27,500)
JAN:4515260015627
発売日:2016年1月(好評発売中)


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■SPECICATIONS
●エフェクトタイプ:78(68エフェクト、5アンプモデル、5キャビネットモデル) ●同時使用エフェクト: 9 ●パッチユーザーエリア:200 ●サンプリング周波数:44.1 kHz ●A/D変換:24ビット128倍オーバーサンプリング ●D/A変換: 24ビット128倍オーバーサンプリング ●信号処理:32ビット ●周波数特性:20Hz~20kHz +1dB-3dB(10kΩ負荷時) ●ディスプレイ:ドットマトリクスLCD(128*32dot)×4、ドットマトリクスLCD(256*32dot) ●INPUT:標準フォーンジャック ●定格入力レベル:–20dBu ●入力インピーダンス(ライン):470kΩ ●AUX IN:ステレオミニジャック ●定格入力レベル:–10dBu ●入力インピーダンス(ライン):10kΩ ●L/R:標準フォーンジャック×2 ●最大出力レベル:[ライン]+5dBm(出力負荷インピーダンス10kΩ以上時) ●PHONES端子:ステレオミニジャック(最大出力レベル20mW + 20mW ※出力負荷インピーダンス32Ω時) ●入力換算ノイズ:-119dBu ●ノイズフロア(残留ノイズ):-101dBu ●コントロール入力:FP02入力 ●電源:DC9V/センターマイナス/500mA(ズームAD-16) ●USBオーディオ・インターフェース:量子化ビット数16bit、サンプリング周波数44.1kHz ●対応OS:Windows 7/8.1/10 (32bit/64bit)、Mac OS X v10.9/10.10/10.11 ●外形寸法:奥行き225×幅454×高さ75mm ●重量:3.4kg *0dBm=0.775Vrms

文/溝口元海

G5nオフィシャルページ
ZOOM公式ホームページ

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