NAMM2024で発表されたYAMAHAの新型パシフィカ「Pacifica Professional / Standard Plus」、続々と店舗での展示が始まっていますが、気にはなっているものの、まだ実際にお試しされていない方は多いのではないでしょうか?
ギタセレ中の人も同じく気になっておりワクワクが抑えられなくなったため今回、秘密を探るべくYAMAHAに突撃してまいりました!
以下で突撃の様子をレポートしてまいります。それではどうぞ!
いざヤマハ銀座店へ
「突撃」といったものの社会人ですので、しっかり事前にアポを取りました(笑)
スタジオを押さえていただいたヤマハ銀座店へ向かいます。
アテンドいただく担当者と合流し、裏手にある別館へ。
スタジオに到着。
チラッと見える絵の時点でワクワクが増してきました。
早速、新型パシフィカを発見!
今回は日本製のProfessionalはメイプル指板を、Standard Plusはローズ指板のモデルをご用意いただきました。
シティポップアートからインスパイアされたカラーリング、特にProfessionalに採用されている「ビーチブルーバースト」カラーは目を惹きますね。
部屋内にはパシフィカのほか、レブスターやBBも展示されていました。
また、マーシャルの壁があったり、EQDエフェクターが勢ぞろいしているなど朝から晩までいても時間が足りなそうな空間でした。
新型パシフィカをチェック
パッと目に付くのはまずロゴといったヘッドのデザイン。
筆記体調であしらわれたモデル名、YAMAHAロゴのメタルプレートがカッコ良いです。
デザインだけでなく、ストリングガイドの位置も既存モデルと異なっていました。
既存モデルよりもナット側に設置されているため、より弦のテンション感が増し、特徴であるハリのあるサウンドに一役買っているとの事でした。
ペグ、ブリッジはゴトー製を搭載しています。
世界中のハイエンドギターに採用されるハードウェアですので、より高い精度でセッティングができ、使用感も安心です。
ネックジョイントも四角プレートでの4点固定から流線形な4点固定に。
音響解設計テクノロジーも取り入れ計算された独自デザインのヒールカットが施されているのでハイポジションでの演奏性が向上します。
あと地味に嬉しいトラスロッド調整部へのアクセスのしやすさ。
新型パシフィカはネックを外したり、ドライバーでカバーを外すことなく調整できるので大変ありがたいです。
なおProfessional / Standard Plusともにフレットはステンレス製を装備しています。
パーツとして高寿命なのはもちろん、発音の良さもポイントです。
バックのコンター加工も結構変わりました。
演奏時に体に当たる部分をもう一度見直したそうで、新型の方がより体へのフィット感が増したとのこと。
何やらテーブルに気になるモノが
なんと今回ご厚意で新型パシフィカのボディとピックアップのサンプルをご用意いただきました。
こちらがボディサンプル。
ボディ表面やキャビティに「アコースティック・デザイン」という独自のザグリ加工が見られます。
アコースティック・デザインは音響設計テクノロジー/3Dモデリングを用いたYAMAHA独自の加工技術。
「アコースティック・デザイン」の効果を計測した画像もご提供いただきました。
これによってボディ左右の鳴りのバランスを高めつつ、ネックへの振動も効率的に伝わるようになっているとの事です。
お次はRUPERT NEVE DESIGNS(ルパート・ニーヴ)社と共同開発し、ヤマハで生産されている完全オリジナルの新ピックアップ“Reflectone(リフレクトーン)”
ルパート・ニーヴといえば多くのレコーディング機材を手掛けるブランドで音像をよりリアルに再現する超プロフェッショナルな会社。
プロの現場でその名を知らない者はいないと言っても過言ではない伝説的存在です。
そんなブランドの名を冠するギターのピックアップなんて楽しみ以外の何物でもありません。
傾向としてはモダンサウンドなピックアップで、ミドルからトレブルにかけて明るくハッキリとした音との事です。
リアのハムバッカーはダイレクトマウントになっています。
こちらもご提供いただいたピックアップの出力特性を計測した画像です。
他社のピックアップと比較すると確かに高音部分の抜けが良い特性になっている事が伺えます。
Reflectone開発ストーリー動画(メーカー公式)
試奏してみる
まずはProfessionalから試奏してみます。
ジャックの位置が結構横で慣れておらず、少しシールドの差し込みに手間取ってしまいました(笑)
ですがジャックの位置がここにあると、ソファーなどに座った時にシールドと座面が接触する事もなく外側に逃がしやすいので「よく考えられているな」と感じました。
事前のピックアップの説明通り、かなりハリがあるサウンドです。
クリーン・アルペジオからクランチ・カッティングあたりが一番オイシイです。
続いてStandard Plusを。
今回弾いたのがローズ指板のモデルなのでサウンドは少し落ち着きますね。
パッと持ってみた感じ、造りの精度は日本製に決して劣っていませんでした。
一点、指板の仕上げがProfessionalはコンパウンドラディアス、Standard Plusは仕上げなしなので、ネックのグリップ感は異なる印象です。
ご検討されている方は一度ネックを握り比べてみると良いかもしれません。
最後に皆さん気になっているであろう600シリーズとの比較。
600シリーズの方がピックアップにSeymour Duncanを搭載しているので馴染みのある歪みが得られます。
個人的にはリフをガンガン弾くロックをやるなら600シリーズの方が向いていそうです。
改めて新型パシフィカに戻ってみます。
やはり、クリーンやクランチの抜けは新型の方が良いですね。
実際に試してみると結構既存モデルとコンセプトが異なるので「新型=600シリーズの上位モデル」と考えるのはなく、あくまで「選択肢が増えた」と捉えた方が自分に合ったモデルを選べそうです。
Professional / Standard Plus / PAC600比較動画
文章だけだと伝わりにくいので、Professional / Standard Plus / PAC600をピックアップごとに比較できる演奏動画をご用意しました。
フロントピックアップ
ハーフトーン
リアピックアップ
さいごに
いかがでしたでしょうか?
YAMAHA新型パシフィカ、やはり満を持して登場しただけあって、かなりこだわって設計・製造されていました。
SSHピックアップ配列のいわゆる「モダンストラト」タイプは既に国内外のブランドが群雄割拠の状態ですが、新型パシフィカのサウンドには良い意味で他とは異なる個性があるので逆に悩まず選べるかもしれません。
下記リンクの島村楽器オンラインストアより展示がある店舗・個体をご覧いただけますので、この記事を読んで気になった方は是非チェックいただき、お店に足を運んで試奏してみてくださいね。
ありがとうございました!