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Gibson Brands Partner Experience in Nashville 2022 現地訪問レポート

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Gibson Brands Partner Experience in Nashville 2022 現地訪問レポート

記事中に掲載されている価格・税表記および仕様等は予告なく変更することがあります。


2022 年 10 月初旬に Gibson Brands Partner Experience in Nashville に静岡パルコ店の平林(ひらばやし)が参加し、新体制となった Gibson Brands とのミーティング、ギターの買い付け及び、選定木材での製作オーダーを行いました。

皆様にも現地の様子を感じていただけるよう平林のレポートをお届けします。
どうぞお楽しみくださいませ。

DAY① 出入国~現地到着

羽田→デトロイト


待ちに待った約 3 年振りのアメリカ出張!

自宅の静岡から約 80 分で羽田空港に到着(実は近距離)。
同行する弊社バイヤーの今井と合流して、新設された羽田空港のデルタラウンジで食事をとりました。


いきなりビールの画像でスミマセン!

仕事中のビールほど、美味しいモノはありません。
ということは会社には内緒ですが、長時間のフライトに備えて食事をとり、今井と出張中の打ち合わせを行います(仕事もしっかりとします!)。


参加される楽器店スタッフの皆様にご挨拶した後、搭乗します。

4 泊 6 日のスケジュールと片道 14 時間以上のフライトは予想以上に体力を消耗しますので事前準備も万全に行います。


デトロイト到着した後、入国審査をパスします。
担当してくださった方が日本語が堪能だったので、とてもスムーズでした!

デトロイト→ナッシュビル


ナッシュビルへの乗り継ぎに5時間ほどかかるため、デトロイト空港内を探索します!


レートの影響と空港価格ということもあり、なんとコカコーラとポテトチップスで約 1,200 円というプライスです!


デトロイト空港内のデルタラウンジで休憩します。
デカフェが常備されているのは嬉しいですね!

ナッシュビル到着


デルタ航空で 90 分のフライトの末、ナッシュビルへ到着しました。
空港内では同じく有名ギターブランドである Martin も大々的に打ち出しされていました。

Gibson スタッフと合流して車でホテルへ移動し、現地で弊社社長の廣瀬と合流します。


チェックインした後、ホテルに常備されていた MUSIC WATER(さすがナッシュビル!) を飲んで睡眠をとります。
日本を出発して、約 20 時間ほどが経過していました。

DAY② Custom Shop ~ GBOC(ジーボック) ~ USA ファクトリー


起床してダウンタウンを散策します。

都市部からダウンタウンへの移住が増えた影響で再開発が進んでおり、街並みも綺麗です。
少し肌寒いですが、日本とそれほど変わらない気候で気持ちの良い朝です。

朝食を取って Gibson Custom Shop ファクトリーへ向かいます!

Custom Shop ファクトリー見学


残念ながらファクトリー内部は画像をお見せすることができませんので Gibson TV の動画を交えてご紹介します。

Custom Shop 現ディレクターのセルジオ・ヴィラヌウエヴァ氏にアテンドいただき、ファクトリー内を見学します。

クオリティー向上を最優先に多くの工程がブラッシュアップされ、試験的な取り組みも進められています。

クオリティ向上に向けた取り組みは製作過程だけにとどまらず、日々励ましたり感謝を伝えるなどフレンドリーなコミュニケーションでスタッフのモチベーションをアップさせたり、ランチルームも綺麗にするなどスタッフ利用設備を整えるといったことも行っているそうです。

「直近の 3 年間でかなり進化していることを体験してほしいがクオリティや生産量の改善に関してまだ完成形ではなく、ステップを踏みながら常に進化と改善を繰り返す」と話していました。


ファクトリー内に Murphy Lab がありますが、オーソライズドスタッフ以外立ち入り禁止です。
ここから数々の名機が生み出されています。

GBOC 見学


GBOC(ジーボック)とは Gibson Brands Operation Center の略。

こちらはモンタナ製の Gibson 製品を除き、Mesa Boogie や KRK スピーカーなどの取り扱いアイテムを日本をはじめとした全世界へ出荷する拠点となる統合型倉庫です。

Gibson 製品は空輸されて日本に到着します。

また GBOC には Gibson TV の収録ブースや検品セクションなども併設されています。

さらに Mesa Boogie 、Maestro 製品もテスト可能な環境も整っています。
画像をお見せできず残念ですが、オリジナルの Maestro ペダルも見ることができました。


ここで昼食です。
イチゴ入りのサンドイッチなどアメリカンなメニューです。

Gibson USA ファクトリー見学


車で 5 分ほどの距離に USA ファクトリーがあります。
移動して工場内を見学します。


エントランスにはギターが並んでいます。
突き当たりの右手から入室します。

こちらの中も残念ながら画像撮影が禁止だったため Gibson TV ファクトリーツアー動画をご覧ください。

Gibson Repair & Restoration


Gibson オフィシャルのリペア、レストア部門に車で移動します。
5 分もかからない距離にあり、非常に近いです。

ピックアップショップも併設されており Custom Bucker などが生産されています。

ピックアップのボビンを 12 個同時に巻けるマシーンが稼働しており、なんと一日で 1,000 個以上のピックアップが生産できるそうです。


リペア部門ではチームリーダーのニックがアテンドしてくれました。

湿度は 45% 以上にキープされており、エイジドフィニッシュができるスタッフもいるなどあらゆるオーダーに対応できるよう万全の態勢が整っています。

朝 9 時からスタートした工場見学も、3 ヶ所回ってすっかり夕暮れです。

ホテルに戻った後、Gibson 社の CEO である JC こと James Curleigh 氏を含む Gibson チームとのディナータイムで初日が終了です。

DAY③ Gibson Brands 本社ミーティング


現地2日目の朝です。

朝食はパンケーキ 4 枚とコーヒーという流石のボリュームですが、バターミルクがついていて美味しいです!

しっかり朝食もとって、体調も万全です。


朝食後、Gibson Brands とのミーティングに向かいます。

体制が一新され、チームだけでなく本社オフィスも新しくなったようです。
「非常に仕事がしやすそうな環境だな」と率直に感じました。


壁面にはレジェンドのギターが描かれています。


Gibson 本社チームと今後のビジネスに関してミーティング。

マーケティング、SNS 戦略など様々な意見交換を行います。
※最後に Gibson 社からパートナーエクスペリエンス 2022 を記念した盾をいただきました!

Carter Vintage 視察~ Gibson Garage ~ Bridgestone Arena


ミーティングの後はカーターヴィンテージを視察に。

50s ~ 60s のギターやベース、アンプを中心に、貴重なヴィンテージを豊富にストックしています。

貴重な個体が盛りだくさんで、思わず買ってしまいそうになりました!


続いて Gibson Garage に移動します。
こちらは Gibson Brands による初の直営ストアです。


Rickie Hinrichsen 氏らが手がけた貴重なワンオフ品 Master Artisan Collection が展示されており、実際に購入することが可能です。

日本円に換算すると価格は 200 ~ 300万円ほどです。


ガレージ限定グッズも多数あります。

こちらで購入したグッズを静岡パルコ店内でディスプレイ用に使用していますので、
お立ち寄りいただいた際はぜひご覧ください。


ブリヂストンアリーナに移動して、ドゥービーブラザーズのコンサートを見ながらディナーです。

2 時間を超えるステージですが、終始パワフルな演奏とステージングです。
さすが結成 50 周年のレジェンド!

アリーナですが、音響も素晴らしいです。
※現地 2 日目はこれで終了です。

DAY④ Custom Shop オーダー~現地買い付け

Custom Shop オーダー


現地 3 日目(最終日)は、カスタムショップでの木材選定からスタートです。
500 枚を超えるマテリアルからボディトップに使用するメイプル材を選定します。


イメージするカラーに対して、木地の色、杢目、削り出した後の杢などを想定しながら一枚一枚厳選していきます。



カスタムショップ・レスポール、弊社オーダー品のボディトップ用にピックアップしたカーリーメイプル材です。


続いて、特有の玉杢が見るものを魅了する 5A キルトメイプル材を選定しました。

ギターという楽器において最も人気が高い木材の一つであるキルトメイプルですが、世界的に良質なマテリアルが減少し、価格も高騰を続けています。

トップブランドであるGibson 社がストックする 5A グレートの板材の中から、ビッグリーフかつディープな杢を有した二枚をセレクトしました。


コア材も楽器製作において最も人気が高い木材の 1 つですが、アーチトップで使用可能なマテリアルとなると非常に希少です。

今回はセンターにサップ部の特徴的な杢を有したカーリーコア材を一枚、セレクトしました。

Gibson 社といえど、カスタムショップグレードのコア材ともなると極少数のみのストックです。


ちょっと小休止...

現地買い付け


ここからは近年の新しい取り組みである Demo Shop と Mod Shop 製品を見ていきます。

Demo Shop は生産工程などで外観に瑕疵の生じたギターをモディファイし、Demo と呼ばれるプレイヤーコンデイションの製品として販売する取り組みです。

Mod Shop も同じく生産工程などで外観に瑕疵の生じたギターを自由な発想で自社モディファイして、販売可能にする取り組み。

やり過ぎで一回だけ怒られたそうです(笑)

調整も行き届いているため、通常のラインより弾きやすいとのことです。

通常はヘッド裏に刻印が入りますが、上の 1 本はレアなスタンプが入っています。


実はこの Demo、Mod Shop 製品はアメリカでは先行して販売が開始されていました。
日本では今回の買い付けをきっかけに初めて流通します。

モディファイを行うために 1 年前に入社した、ネイザン氏が一番お気に入りという Les Paul Special Mod を入手しました。

Demo、Mod Shop 製品は基本的に買い付けのタイミングでしか仕入れられないので貴重なモデルです。


ネイザン氏と弊社今井で記念ショット!

こちらの ES-335 Mod もゲットしました。
レギュラーモデルをモディファイしてエイジングが施された個体です。

これらの 2 本は静岡パルコ店で取り扱う予定です。


カスタムショップに移動して、数 10 本の中から買い付けを行います。

ここでしか買えない貴重なモデルやスペックのギターが多数あるため、細部まで確認しながら選定しています。


幸運にも会場に 1 本しかなかったカスタムカラーの Shell Pink でフィニッシュされた Murphy Lab Aged SG を入手できました。

トムマーフィー氏もお気に入りのカラーとのことです!

ディナータイム


全てのプログラムが終了して Gibson チーム、楽器店スタッフの皆様と最後のディナーです。

海鮮とステーキ、ワインを美味しくいただきました。

DAY⑤ 出国~帰国


23 時ごろにホテルに戻り仮眠を取った後、4 時に集合してナッシュビル空港に向かいます。

空港でアメリカンな食事をとって大満足です。
2 人で 40 ドルです。


ナッシュビル空港からアトランタ経由で帰国です。

帰りは乗り継ぎが 2 時間とタイトでしたが、大きな混乱もなく無事に帰国しました。
長いようであっという間の楽しい出張も、これにて終了です。

Gibson 現地買い付け品フェア開催


現地買い付けを行った製品が順次、静岡パルコ店と新宿 PePe 店へ入荷し、フェアを開催します。
現地の様子を交えて皆様とギターのお話ができれば幸いです。

さいごに

アテンドいただいた Gibson スタッフの皆様、サポートいただいた楽器店スタッフの皆様、誠にありがとうございます!この場を借りて厚く御礼を申し上げます。

国内の楽器業界、音楽シーンが盛り上がるように邁進いたしますので、今後とも島村楽器をよろしくお願いいたします。

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