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別室 野原のギター部屋 Vol.22 “探すと出てこない特別な1958 Les Paul Standard Reissue”

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皆様こんにちは。島村楽器別室 野原のギター部屋管理人の野原です。

見た目や音、演奏性など、ギターの選び方は様々ですが、「せっかく買うのであれば良い1本が欲しい」という気持ちは、どなたもお持ちのことと思います。今回皆様にご紹介する「島村楽器で見つけた気になる1本」は、一部の方々に向けて製作した、まさに特別な1本となります。

それでは早速ケースを開けてみましょう。

Gibson Custom Shop M2M 1958 Les Paul Standard Reissue Lemon Burst Left Hand VOS

ギブソンではMADE 2 MEASURE(メイド・トゥ・メジャー / M2M)というプログラムが用意されており、1本1本仕様を決めてオーダーすることができます。使われる材は現地ファクトリーで選定したもので、製作はカスタムショップで行われます。

ご覧頂いているレスポールがその1本で、弊社が現地でオーダーした1958 Les Paul Reissueになります。

通常の1958 Les Paul Reissueはプレーンメイプルトップになりますが、こちらの個体には表情が美しいフィギュアドメイプルが使用されています。前述の通り現地で選定した材で製作されるM2Mならではの仕様です。カラーは赤味が褪色したレモンバーストを選択。微かに残るバーストの面影もデリケートに再現されています。

これから時間とともにトップ材(メイプル)やトップコートのアンバー色(飴色)化が進み、更に趣きある見た目になるのではないでしょうか。


シリアルNo.(一部伏せています)と付属のチェックリスト(PRE-PACK CHECKLIST)に記載された日付から、2019年に製作され2020年に出荷された個体だと分かります。2019年に発売された1959 60th アニバーサリー以降のスペックは市場での評価も高く、サウンドも本来のギブソンらしい表現力豊かなものに仕上がっています。

ボディバックはやや赤味の抜けたカラーを再現。1950年代のものほどではありませんがバックのアニリンダイも褪色しますので、ボディトップ同様経年を変化をお楽しみ頂けます。板目の雰囲気が良いですね。

実物を見るともう少し明るいですが、指板には色味の濃いインディアンローズウッドが使用されています。もちろんオーダー時に指定したものです。指板は1950年代のオリジナル同様ハイドグルー(膠)で接着されており、トラスロッドもチューブレスのものを採用しています。

プラスティックパーツと金属パーツはトゥルーヒストリック・パーツが採用されています。このブログでも何度か触れていますが、1950年代の希少なオリジナルパーツを切断し構造を調べるなど徹底的にリファインされた再現度の高いものになります。


画像では見えませんが、ピックガードの側面は板材から切削加工された跡まで再現されています。

コントロール・ノブ付近にはフレックが確認できます。昔「フレックはハードメイプルにしか入らない」といった話を耳にしたことがありますが、ソフトメイプルにも存在しますのでフレックの有無だけでハードかソフトかを判断することはできません。

当時はフレックを濃いバーストで覆い隠すこともしていたようですので、画像のようにバーストがあったであろう部分に入っているフレックは雰囲気があって好きです。




ピックアップはオリジナルPAF同様アンポッテッド仕様のCustom Buckerが搭載されています。PAFはとにかくナチュラルで、ハイファイにギター自体の鳴りを再現しますが、この点でCustom Buckerは好い線を行っていると思います。(なんだか上から目線で偉そうな表現になってしまいましたが、「好い線を行っている」以外にジャストな表現を見つけることができませんでした。)


付属するケースは1950年代に販売されていたブラウンケースのレプリカ。相変わらずエレガントで素敵なケースですが、今回皆様に注目して頂きたいのはケースの中。

ギブソン専用のハードケースを製作していたLifton社のロゴも当時のデザインで復刻されています。ネックサポート部の側面にあるので目立ちはしませんが、このケースバッジがあるだけでより一層雰囲気が良くなります。

今回はなかなか見かけることのないM2Mのレフティをご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。近年のリイシューはどれも完成度が高いので、M2Mの方が「楽器として優れている」ということはないのですが、現地で選定した拘りの材で作って頂いたこのM2Mは「せっかく買うのであれば良い1本が欲しい」というレフティの皆様にとって「かけがえのない特別な1本」になってくれるのではないかと思っております。

最後までご覧いただき、ありがとうございます。記事の内容や商品についてご質問、ギター選びについてのご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。今回の記事に登場しましたGibson Custom Shop M2M 1958 Les Paul Standard Reissue Lemon Burst Left Hand VOSの詳細につきましては、ギタセレ商品ページをご覧頂ければと思います。それではこの辺で。

ギター部屋の管理人


学生の頃よりバンド活動、レコーディングなど様々な場所での演奏とヴィンテージギターショップ巡りに明け暮れる。後にギタークラフトを学び島村楽器に入社。入社後は米国Gibson社、Fender社への買い付けなどを担当。現在は静岡パルコ店に勤務。甘いもの好き。


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