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別室 野原のギター部屋 Vol.20 “Murphy Lab 1959 Les Paul Standard Reissue Cherry Tea Burst Light Aged”

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皆様こんにちは。島村楽器別室 野原のギター部屋管理人の野原です。
遂に連載20回の節目を迎えます今回は、私が個人的に気になったギターを皆様にご紹介する「島村楽器で見つけた気になる1本」をお送りしたいと思います。

商品ページでは見ることのできない質感や表情などをお楽しみ頂ければ幸いです。
それでは早速ケースを開けてみましょう。

Gibson Custom Shop Murphy Lab 1959 Les Paul Standard Reissue Cherry Tea Burst Light Aged


Factory Burstに比べやや赤味が褪色し落ち着いた表情を見せるCherry Tea Burstの1959 Les Paul Standard Reissue。現存するオリジナル(1958~1960年製のレスポール・スタンダード)の中では十分に赤味が残る部類のバーストカラーになります。

この部屋で撮影をする際は照明機器を一切使わずに窓からの自然光のみで撮影をしているのですが、淡い杢と絶妙なバーストカラーがとてもリアルな雰囲気の個体です。
照明機材と環境を整えて撮影した写真は記事の下にある商品ページをご覧頂くとして、ここでは生活スペースで眺めているような気分でレスポールの自然な姿をご覧頂ければと思います。

余談ですが、本日は撮影を始める時間がいつもより遅かったため、撮影が終わるころにはしっかりと日が傾いていました。記事が進むにつれ見え方が変化するバーストカラーにもご注目ください。

Murphy Lab Collectionでは4種類のエイジング・レベルが用意されており、Light Agedは50年以上適度に弾かれてきたコンディションを再現しています。Ultra Light Agedに比べてウェザーチェックのレベルと密度をアップし、小傷、弾き傷エッジのソフトなダメージを追加しています。
Gibsonロゴ上部に見られるようなリアルなウェザーチェックがギター全体に入っています。60th Anniversaryで刷新されたGibsonロゴと相まってヘッドストック全体がとても良い雰囲気に見えます。

オリジナルでは薄れて消えてしまった個体も見受けられるLes Paul MODELのシルクスクリーン。以前のリイシューに比べ、やや暗いトーンのゴールドで仕上げられています。消えて欲しいような、消えて欲しくないような。

ヘッドストックのエッジ部、塗装の剥がれた個所から見える突板のホリーウッド。年月が経つにつれホリーウッド自体も変色し、より渋い見た目になってくれると思います。
マホガニー側にも木部の露出が確認できます。Murphy Labで塗装の質が変わったため剥がれや傷のリアルさが増したように見えます。現存するヴィンテージの全てが傷だらけというわけではありませんが、ヘッドストック・エッジ部の傷は個人的に好きです。

チューニングペグを含むハードウェアはライトエイジド・ハードウェアを採用。極端な錆は無くニッケルめっきの自然な曇りを再現。個人的な欲を言えば、もう少しペグ・シャフトが短くなってペグ・ボタンの位置がヘッドストックに寄ってくれると嬉しいのですが、今のままでも十分に雰囲気が良いので、のんびりとチューニングペグのアップデートを待ちたいと思います。

ネック裏のウェザーチェックはローフレット側が比較的少なく、9フレット付近からヒール部までが多く入っています。ローフレット側は1.5~2フレット分程ウェザーチェックの入らない部分もあります。艶のある塗装に入った不均一なウェザーチェックがとても自然です。

Murphy Lab Collectonにはヴィンテージギターの滑らかな握り心地を再現するロールドバインディングが採用されています。ネックを握り込んで演奏しても指板エッジが手に当たっている感じが少ないので、とても弾きやすいです。指板サイドのポジションマークは鼈甲柄のドットです。

指板には色味の濃いローズウッドが使用されています。オリジナルでもSandy(シリアルNo.9-1228)のような明るい色味の指板を持つ個体もありますが、色味の濃いローズ指板は人気があります。
1950~1960年代初期のセルロイド製ポジションマークが持つ特有のパターンや色味、指板に映える上品な雰囲気も上手に再現しています。ローズウッド、バインディングとのコントラストが美しいです。


写真では分かりづらいのですが、塗装が割れた部分は隆起していて立体感があります。見る角度によってウェザーチェックの見え方が変わるのもヴィンテージさながらです。

さて、いよいよ日が傾き始めました。
記事2枚目の写真からは変化して見える趣のあるバーストの表情を見ていきましょう。

コントロールノブを含め、パーツ類はトゥルーヒストリックでアップデートされたもの(トゥルーヒストリック・パーツ)が搭載されています。貴重な1950年代のパーツを裁断し、構造や成分を調べ直した再現度の高いパーツです。以前は私もヒストリックコレクションを購入したら必ず1950年代のパーツやDEAD MINT CLUB(DMC)製のパーツに交換をしていましたが、最近はそこまでの必要性を感じなくなってきました。


肘の当たるボディ・エッジ部。良く見るとバインディングの上1/3程が白く見えますが、長年の演奏で塗装とバインディングが削れて丸くなっている様子が再現されています。

「肘でバインディングが削れることなんてあるの?」と思われそうですが、使用されてきた古いギブソンには結構見受けられます。

参考までに、これはプロフィール画像で私が抱えている古いES-335ですが、座って弾く際に腿が当たる部分が滑らかに削れています。反対側の肘が当たる部分も削れているのですが、月日の経過と貫録を感じる部分でもあります。

ボディには打痕もありますが、良く見ると打痕がウェザーチェックのパターンに影響しているものがあります。つまりはウェザーチェックが入る前に打痕がついたということです。ヴィンテージに見慣れている方ほど、こうした部分のリアリティに気付かれます。

チューニングペグでも触れましたが、ハードウェアはライトエイジド・ハードウェアを採用しています。スタッドボルトの上部に若干の錆は出ていますが、状態の良いコンディションのハードウェアが再現されています。アルミニウムテールピースの造形が綺麗です。

ピックアップはオリジナルP.A.F.同様アンポッテッド仕様に統一されたCustom Buckerが搭載されています。今までギブソンが再現してきたP.A.F.レプリカの中でも弾き手のタッチや本体の特色が出やすいピックアップですので、好きなピックアップです。



この個体はコントロール部とエルボー部の板目が渋く、そこに見る角度で表情を変える杢とウェザーチェックが相まってとても良い雰囲気です。一人でも多くのバースト好きに手に取ってご覧頂きたいレスポールです。

ハードケースは本体のエイジング・レベルに合わせた状態のブラウンケースが付属します。もちろん1950年代のものを再現していますが、安全性などは改善されたものになっています。


今回は個人的に気になったMurphy Lab 1959 Les Paul Standard Reissue Cherry Tea Burst Light Agedをピックアップしてみましたが、いかがでしたでしょうか。オリジナルのバーストでも様々な表情がありますが、かつてのヴィンテージギターショップで見かけたようなコンディションの良いバーストを彷彿とさせる佇まいがお気に入りの1本です。Murphy Labらしい更に解像度が高く音抜けが良いサウンドは、ヴィンテージ・ギブソン愛好家にもお勧めです。

最後までご覧いただき、ありがとうございます。記事の内容や商品についてご質問、ギター選びについてのご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。今回の記事に登場しました Murphy Lab 1959 Les Paul Standard Reissue Cherry Tea Burst Light Agedの詳細につきましては、ギタセレ商品ページをご覧頂ければと思います。それではこの辺で。

ギター部屋の管理人


学生の頃よりバンド活動、レコーディングなど様々な場所での演奏とヴィンテージギターショップ巡りに明け暮れる。後にギタークラフトを学び島村楽器に入社。入社後は米国Fender社への買い付けなどを担当。現在は静岡パルコ店に勤務。甘いもの好き。


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