【ビギナーズ倶楽部】第5回 ベースの種類 ~ベースはバンドの土台!~
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その他タイプ -PJピックアップ・タイプ-
PJのPはPurecisionのP、PJのJはJazzのJ。
そう、プレベとジャズベのピックアップを搭載したおいしいトコ取りのベース、それがPJタイプです。
PJピックアップタイプのベースのボディは基本的にジャズベの形をしていることが多いです。また、パッシブタイプが多いです。
ジャズベシェイプだけに、ネックも細めでボディも取り回ししやすい、万能とも思えるベースです。
●PJタイプを使用するベーシスト -Duff McKagan(Velvet Revolver)-
GUNS N' ROSES時代からPJタイプのベースを愛用しているダフ。この黒いベースもGUNSのライブで使用していたものでしょう。
ヴェルヴェット・リヴォルヴァーに所属してもダフの演奏スタイルは変わりません。腰より低い位置に構えて演奏する姿は「ロック」を感じます!
その他タイプ -Rickenbacker-
Fenderと並んで歴史のあるギター/ベースメーカーであるリッケンバッカー。
1970年代にハードロック・バンドのベーシストが使用して一気に人気が出た4001。(現在は後継機種の4003が発売中)
リッケン独特のボディスタイルや指板も塗装している点、ピックアップ等々、他では出せないサウンドで今も王道路線に君臨しています。
●Rickenbackerを使用するベーシスト -Roger Glover (DEEP PURPLE)-
リッケンのベース人気を押し上げたうちの一人、DEEP PURPLEのロジャーグローバー。
リッケンというとギターではビートルズのイメージがあるのですが、ベースだとこういったハードロックなイメージになります。ギターとベースでイメージが違うメーカーってなかなか無いですよね。面白いメーカーです。
その他タイプ -SGベース-
Fender社のベース、およびその派生モデルが一般的に広く認知されていますが、ギター界の両翼を担うGibsonも負けていません。
Gibsonがレスポールの新たなシェイプとして発売したギターであるSG。そのベース版もあります。
SGベースはスケールが短く、ピックアップもハムバッカーが載っているため甘いサウンドが特徴です。「ボンボン」といった独特のサウンドは他では出せない特徴的なもので、愛用者も多いです。
スケールの短さはそのまま弾きやすさにも直結しますので、最初のベースとして選ぶ方もいらっしゃるでしょう。でもストラップを付けて立って弾くときは要注意。ヘッド側の方が下に下がる「ヘッド落ち」が起きやすいので、地面にヘッドがぶつかって故障~、なんてならないように...
●SGベースを使用するベーシスト -Jack Bruce(ex. Cream)-
ジャック・ブルースはエリック・クラプトン、ジンジャー・ベイカーと共に伝説の3ピースバンド、“Cream”を結成していたベーシスト(ボーカリスト)。
3人のバトルは今見ても鳥肌もの。その中でSGベースの特徴的なサウンドを活かしてフレーズを奏でるジャックのスタイルがかっこいいです。
その他タイプ -サンダーバード・タイプ-
Gibsonのベースの中でもロック、とりわけハードなロックベーシストに人気があるのが、サンダーバード(Thunderbird)です。
1962年のファイヤーバード発売時に、姉妹機として一緒に発売されたのが最初のモデルです。
発売時から「ジャズマスターと似てる」ってことでFender社から申し入れがあり、現在のスタイルになったことが逆に成功に繋がりました。現在のこのボディシェイプ、リバースヘッドは多くの人に受け入れられています。
ピックアップはハムバッカーが2基、スルーネック仕様が基本です。サウンドは「ゴリゴリ」としたサウンドが特徴。FenderがプレベならGibsonはサンダーバードといったところでしょうか。
●サンダーバードを使用するベーシスト -Nikki Sixx(Motely Crew)-
モトリー・クルーのニッキー・シックスは昔からサンダーバード使い。
現在はニッキーのシグネイチャーモデル、ブラックバードを使用しています。シェイプは基本的にサンダーバード・シェイプです。
その他タイプ -Warwick、Spector、Ibanez-
このカテゴリーはこれといった名称はないのですが、アクティブタイプで、ハードロックやフュージョン等々、様々なジャンルに対応できる同一系統のイメージ。ボディのシェイプを見てもらえると、「あぁ、そういった系統ね」と思ってもらえると思います。
Spectorが発足したのが1974年、Warwickはその後1982年に発足しています。当時はSpectorの影響でこういったシェイプが流行りだし、Warwickも独自のブリッジ構造やネック、ボディ、指板材を使用して個性を放ち、愛用者が多数となって今では定番化しているジャンルの一つになりました。
Warwickの特徴的なスペックはブラス(真鍮)のフレット。通常のニッケル製フレットよりも柔らかいため、サウンドも丸いサウンドになります。アクティブ特有のバキバキしたサウンドを中和してくれる役割を担います。
一方、国内ではそういった位置づけのベースとしてIbanezがあります。Ibanezのベース、特にSRシリーズはボディ自体もコンパクトで軽く、扱いやすい印象です。低価格からハイエンドまでラインナップしているのでビギナーにも人気があります。
●Warwickを使用するベーシスト -中村正人(Dreams Come True)
中村正人さん(Dreams Come True)はWarwickの6弦がトレードマークです。アクティブらしい、ハッキリしたサウンドで楽曲のベースラインを聞かせてくれます。
他にも、
- Warwick:
恩田快人 (ex.JUDY AND MARY)、川添智久 (ex.LINDBERG)、信人(UVERworld)、TMスティーヴンス、マルコ・ヒエタラ(Nightwish) - Spector:
NATIN (ex.SIAM SHADE)、中尾憲太郎 (ex.ナンバーガール)、スティング、レックス・ブラウン (PANTERA) - Ibanez:
フィールディ(KOЯN)、ポール・グレイ(Slipknot)、パーシー・ジョーンズ
といったように広いジャンルにわたって様々なベーシストに使われています。(比較的ヘビーな方々に好まれている傾向はありますが)
ハードな曲でIbanezが使用されているといえばこちら。
その他タイプ -MUSICMAN、G&L-
MUSICMANとG&Lを同一のカテゴリーに入れたわけ、それはどちらもレオ・フェンダーがFender社から離れた後に設立したメーカーだからです。レオ・フェンダーは常に新しいものを作り、それをヒットさせてきたギター/ベース界のドンですね。
●MUSICMAN
レオ・フェンダーがFener後にまず設立したのがMUSICMAN。そこでレオはプレベ、ジャズベに次ぐベースのヒットモデルを生み出します。
このスティングレイ(Stingray)はアクティブ・タイプで1ハムバッカーのピックアップ、ペグの配置が3対1、等々当時は無かったタイプのベース。ネックもジャズベよりプレベに近い幅です。ベースはもともとThe Brothess Johnsonのルイス・ジョンソンのために作られたと言われています。
スティングレイのサウンドはこの頃からスティングレイ独自の個性を放っています。
そして80~90年代にRed Hot Chili Peppersのフリー(Flea)がスティングレイを使用してスラップを多用すると、たくさんのフリー・フォロワーが出現しました。
そこからスティングレイは一気に広がり、ベースの中でも常に人気のあるモデルになりました。
2000年代に入ってからも漫画および映画「BECK」で向井理さん演じる平くんが白黒スティングレイを使用して人気に拍車がかかります。
●G&L
MUSICMANの後、レオが立ち上げたのがG&Lです。(パートナーだったジョージ・フラートンのGとレオ・フェンダーのLでG&Lです)
こう見るとMUSICMANとの共通点も見えますね。ピックアップはハムバッカーでメイプルネック、アクティブ・サーキットといった点がそうです。代表的なモデルであるL2000にはボリュームやトーンのノブの上に小さなスイッチが付いていて、更に細かい音作りが出来るようになっています。
スティングレイ同様パワフルなサウンドが気持ちいいベースですが、L2000はアクティブ/パッシブの切り替えも可能なのです。そのため様々なベーシストに愛用されています。
GLAYのJIROさんの銀ラメG&Lはあまりにも有名です。
そしてもう一方、G&Lといえば満園庄太郎さん。
WILD FLAG、BOWWOW、そしてB'zのサポート・ベーシストとしてご活躍のベーシストです。
Fenderとはイメージが真逆に近い気もするMUSICMANとG&L。パワフルなサウンドを欲しいと思っている方はこれらを選択肢に入れる事も有効です。