【ビギナーズ倶楽部】第5回 ベースの種類 ~ベースはバンドの土台!~
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プレシジョン・ベース(Precision Bass/プレベ)タイプ
世界で始めて生まれたエレキベース(ベースギターという形をしたのが、という意味です)と言われているのがプレベです。
今回も、いつもお世話になっているWeblio先生にご登場いただきましょう。
「精密な; 高精度の」
はい。高精度のベース、ということです。何が高精度なのか? 前項で「ウッドベースにはフレットが打っていなかった」とお伝えしました。しかしこのプレベにはフレットがあります。なので誰でも正確な音程を出すことができるようになったのです。そういった点が「プレシジョン(Precision)」なわけです。
プレベの特徴は、ピックアップが1組だけ載っており、ボリューム×1、トーン×1という構成、ネックも少々太めといったところ。ボディの底面は左右均等に丸まっています。
●プレベを使用するベーシスト -シド・ビシャス(Sex Pistols)-
プレベで真っ先に思い浮かぶのがシド・ビシャスでしょう。
パンクロックの王道とも言えるのがセックス・ピストルズ。白いボディに黒のピックガード、ローズウッド材の指板という、今ではプレベの代名詞的なルックスもシドの影響があってのことです。パッシブタイプのプレベです。
●プレベを使用するベーシスト -ポール・シムノン(The Clash)-
ピストルズと並んでパンクロックの王道であるクラッシュのポール・シムノンも白いプレベ。
ピストルズもそうですが、この動画を見るとプレベのプレベらしいサウンドが非常に分かります。
パンクにプレベのサウンドはピッタリはまります。もちろんパッシブ。
●プレベを使用するベーシスト -ビリー(Guitar Wolf)-
日本国内のガレージロック、パンク系のバンドもプレベ愛用者が多いです。
ギターウルフのビリーさんも生前、白ボディの黒ピックガードプレベ愛用者でした。この方もパッシブ。そういえばアクティブのプレベってあんまり無いような...(皆無ではないですが)
●プレベを使用するベーシスト -ハマ・オカモト(Okamoto's)-
Fenderのエンドース・アーティストであるハマ・オカモトさんはプレベを愛用しています。ピック弾きでなく指でプレイしています。プレベの方向性がパンクロックだけでない事を証明してくれています。
プレベが生まれたのが1951年ですが、70年代ごろからストレートなロックバンドで使用され始め、いまではそういったイメージが非常に強い印象です。もちろん他のジャンルで使われないというわけではないですが、ここに紹介した方々のピックでゴリゴリ引き倒すプレベ演奏スタイルのカッコよさは、頭から離れなくなります。
ジャズ・ベース(Jazz Bass/ジャスベ)タイプ
プレベが発売された後、1960年に発売されたのがジャズベース、通称ジャズベです。
プレベを更に使いやすく、広いジャンルで使えるようにレオ・フェンダー(Fender創始者)が生み出したもので、ピックアップはフロントとリアに1つずつ。それぞれのボリュームをコントロールすることで様々な音色を作ることが出来ます。ネックはプレベよりも少々細め。
実は、前回取り上げた、1958年発売のジャズマスターが原型となっています。そのためボディの底辺は斜めにカットされ、ベースを立って構えたときにボディが上下にまっすぐ揃っている印象を与えてくれます。
その操作性や音色の幅広さから、ほぼ間違いなく一番多く使われているベースのタイプです。ベース界の王者といったところでしょう。
●ジャズベを使用するベーシスト -ミシェル・ンデゲオチェロ-
スラップを折りまぜたファンキーなベースラインが素晴らしい女性ベーシスト。(ボーカルも、ドラムも、キーボードもこなすマルチプレイヤー)
あえて弦を張り替えないというスタイルが斬新。パッシブのジャズベを使用しているようです。
●ジャズベを使用するベーシスト -ラリー・グラハム-
エレキベースにおけるスラップ奏法の元祖とも言われているラリー・グラハム。
ファンキー! スラップ奏法というものがどういった奏法か、説明がいらない動画です。
ラリーのベースはアクティブです。
●ジャズベを使用するベーシスト -亀田誠冶-
ジャズベのイメージで真っ先に挙げられる日本人は、亀田誠治さん。白ボディに鼈甲柄ピックガードが亀田さんのトレードマークです。
東京事変でもベースラインが光っていました。66年製のパッシブジャズベです。
探してみると、ジャズベをメインで使用している方、意外と少ないかもしれません。「ほぼ必ず持っている」「一番売れている」というのは間違いは無いです。もしかしたら「困ったときのジャズベ頼み」的な要素なのかも知れません。とにもかくにも、最初の1本を選ぶのに困ったらジャズベにする、という方法は無難な策です。