【ビギナーズ倶楽部】第2回 アコースティックギターを知る ~エレアコって何だ?~
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クラシックギター
クラシックギターはこれまでのアコギとは別物です。これまでのアコギは弦がスチールだったのに対して、クラシックギターはナイロン弦が主流です。
ギターの歴史はクラシックギターから始まったと言えるでしょう。中央アジアで生まれた弦楽器がヨーロッパに伝わり、ギターの祖先と言われる「リュート」になりました。そのリュートからクラシック音楽で使用されるクラシックギターに発展していったのです。(だいぶ端折っています...)
クラシックギターが生まれた当時はガット(Got=羊の腸を細くして糸状にしたもの)を使用していたため、ガットギターと呼ばれることもあります。テニスのラケットに張るガットは同じ意味です。そのガットも今はナイロン製がほとんどのようですが...
そしてクラシックギターは世界へ拡散し、アメリカに渡った後には弦がスチール(鉄)製となって発展。フォークギターが誕生していくのです。
クラシックギターが使われるジャンル -クラシック-
クラシックギターはスペイン製か日本製の楽器に人気があります。低価格のものは東南アジアや中国でも作られていますが、高級なもののほとんどはスペイン製か日本製でしょう。(他にも存在しないことはないと思いますが...)
という事でクラシックギターはどういったジャンルでどの様に使用されるかをご紹介していきましょう。まずは「クラシックギター」だけにやはりクラシック。
クラシックではこれまでのフォークギターやエレアコのように右足に乗せる、ストラップで吊る、といったことはせず左足に乗せて演奏します。そのため左足を高く持ち上げるための足台も必要不可欠。
クラシックギターが使われるジャンル -フラメンコ-
クラシックギターの生まれ故郷とも言えるスペインのフラメンコではやはりクラシックギターが使われます。
※厳密に言うとフラメンコでは音の立ち上がりがよく、あえてサスティン(音の伸び)が少ない材で作られた「フラメンコギター」というものを使用しますが、構造はクラシックギターのそれなので、このカテゴリーに含めたいと思います。
フラメンコでは奏法が激しいためボディトップに「ゴルペ板」と呼ばれる透明や白の板が貼られる事が多いです。ボディトップも厚めで、叩くような奏法にも耐えうる構造になっています。
クラシックギターが使われるジャンル -ボサノバ/ボサノヴァ-
ジャズやサンバの要素から、ブラジルで生まれた音楽。「ジャズの一種」「サンバの一種」などいろいろな説がありますが、「ボサノバはボサノバだ」といえるほど現在では一ジャンルとして確立されていると思います。基本的にはクラシックギターを指で奏でます。
クラシックギターが使われるジャンル -演歌-
古賀政男さんの曲をクラシックギターで演奏することが1950年代に流行したそうです。古賀政男さんは演歌、歌謡曲の作曲家でもあり、ギタリストで、そこから演歌をクラシックギターで弾くというスタイルが定着したんですね。
クラシックギターが使われるジャンル -ポップス/ロック-
ポップスや、ロックでもクラシックギターは使われます。曲を通してクラシックギターで伴奏したり、ナイロン弦のやさしい音色をアクセントとして使う場合など、いろんな使われ方があります。
http://youtu.be/nrmbApTFPIw?t=1h35m8s
おや? ここで疑問。布袋さんが使っているクラシックギター、こんなに大きなライブ会場なのにマイクで拾っている様子がありません。
これは「エレガットギター」(エレクトリック・ガット・ギター/Electric Got Guitar)と呼ばれ、クラシックギターにピックアップマイクを取り付けてあるものです。
まとめ
「アコギ」と一口に言ってもいろいろ種類があり、いろんな音楽で使用されることが分かってきましたね。
何よりも「アコギ=スチール弦のギター」ではないことに驚かれた方もいるかもしれません。今はそのように認識されていることが多いですし。本当の意味を知っていても「アコギ=スチール弦のギター」という意味で話すことが私も多々あるワケですが、やはり事実を知っていることは重要なのでココに書かせて頂きました。ぜひ知っておいて下さい。
というわけでビギナーズ倶楽部、第二回「アコースティックギターを知る」でした! みなさん、自分がやってみたい音楽やギターは絞れそうですか? アコギだけじゃ不安ですか?
そんな方は次回の「エレキギターを知る」をお楽しみにー!!
おまけ
フォークギターのところで少し触れた「ピックギター」ですが、フォークギターはトップが平らな「フラットトップ」であるのに対してボディトップが湾曲して盛り上がっている「アーチドトップ」「アーチトップ」のギターのことをピックギターと呼びます。
ギブソンは1920~30年代、アーチトップ・ギターのメーカーとして名を馳せていました。その時に生産されたのがL-5。
現在のGibson Custom Shopでは1934 L-5がラインナップされています。その独特な響きはフラットトップのアコギとは全く違います。
日本が誇るブルーズバンド「憂歌団」です。そう。L-5は生まれた時代的にもブルーズでよく使われることが多いんです。ジャズとか。