先日、【コラム】エレキギターを生涯楽しむ趣味にするコツ【大人の趣味探し】という記事を公開したのですが、予想を超える多くの方に読んでいただいており、嬉しく思うとともに「エレキギターを趣味にされたい大人の方はなかなか多いのだな...」と再認識させていただきました。
今回の記事もそんな「大人初心者」の方に向けた内容となっております。
テーマは、ベテラン楽器店スタッフが建前なしで考える「大人初心者のエレキギター」の選び方。
島村楽器には大人初心者の皆様と同世代であろうベテランスタッフが多数在籍しております。
皆様のエレキギター選びの参考になるようインタビューしてまいりましたので早速お届けしてまいります。
スタッフインタビュー
大宮店
太田(おおた)
大人の方がこれからギターを始められる際の選び方で一番のポイントはズバリ「かっこいい!」とか「かわいい!」と心底思えるモデルを選んでいただく事だと思います。
色や形で選ばれても良いですし、お好きなアーティストの方が使用されているモデルと同じモノという理由でも良いですね。
なかなか練習にまとまった時間を取る事が難しいと思いますが、そんな中でも「このギターだったら忙しくても触りたい!」というパッションが湧き出てくる楽器がオススメです。
また、試奏せずともぜひ「一生モノ」と呼ばれるクラスの楽器もお手に触れていただきご検討いただきたいです。
自分の懐に収まった時の楽器の表情や構えた時のフィット感など視覚だけでは得られない情報を体感する事ができますよ。
せっかくの機会なので楽器店の壁にぶら下がっている状態を眺めるだけでなく、気になる楽器はバンバン触れてみましょう。
もちろん漠然としたイメージでもお伝えいただければ最良の楽器をお探しします。
ぜひ一緒に「末永く」楽しんでいきましょう。
コクーンシティさいたま新都心店
渡邉(わたなべ)
私は学生時代にバンドが流行っていた、ロックやフォークが好きでよく聴いていた、という80~90年代の全盛期を体験された世代の方から楽器購入の相談を受ける事が多いのですが、その場合はまず「当時好きだった音楽」の話を先にしますね。
そこから憧れだったミュージシャンやギターの話をして「その夢を今、実現できる喜びを味わえる」ギターをご提案しています。
弾く事はもちろん大事ですが、それと同じくらい自身の「持つ喜び」を叶える事も大切だと思います。
かわぐちキャスティ店
髙橋(たかはし)
大人初心者の方はギターに対する並々ならぬ「熱い想い」「憧れ」「こだわり」をお持ちだと思います。
そのお気持ちを大切にして欲しいなと思いますので、私から「コレじゃなきゃダメ」という事は特にありません。
「低価格帯でもいいから、ストラト、レスポール、SG、変形と憧れの機種を全部手に入れる!」でも良いかと思いますし、一生ものになる1本を探すのもアリかと思います。
少し話は逸れてしまいますが、ギター選びと一緒に「音楽仲間を創る」事をオススメします。
SNSを通じて音楽好きな仲間と繋がる事もできますし遠隔地にいる人たちとセッションを楽しめるアプリも充実しています。
私は月1回ペースでセッションやバンド練習をしていますが、気の合う仲間と音を重ねるのは楽しいですよ!
ちなみにセッションに持っていくなら断然「ストラトキャスター」がオススメです。
↑Fenderストラトキャスター
音作りの幅も広いので、1本あると便利なギターでもありますね。
あとはセッション好きな私としてはやはり「抜けの良い音」の楽器を弾いた方が気持ちいいです。
「抜けの良い音」の楽器を初心者の方が自分一人の力で選ぶのは難しいと思いますので、ぜひ我々に無茶振りしてくださいね!
イオンモール羽生店
田部井(たべい)
初めてのエレキギターを選ぶポイントは、ズバリ「見た目で一番ピン!と来たギターを選ぶ」です。
「ピン!と来た」って何ですか?という感じだと思いますが「ワクワク」や「ときめき」という感情に近いかも知れません。
もちろん、ギターのタイプ別の特徴や好きな音楽ジャンルへの向き不向きはアドバイスさせていただきますが、タイプやサウンドの違いって未経験の段階で聞き比べてみても正直あまり良く分からない事が多いと思います。
実際、私もシングルコイルとハムバッカーの音の違いを理解できたのは2本目に買ったエレキギターを少し弾き込んでからでした。
ハムバッカーが載っているギターを弾いて「あっ!!前のギターより太い感じの音がする」というのを文字ではなく体感できたからですね。
その体感が楽しくなると、どんどんギターを買っていく事になるのでご注意ください(笑)
というわけで、最初の1本を選ぶ際には細かな仕様やサウンドの特徴よりも、自分の部屋でギタースタンドに立てた時に「ワクワク」感が溢れるようなギターを選んでほしいと思います。
そういうギターって絶対に触りたくなりますし、触って音を出しているうちに少しずつですが上手になっていくんです。
だからこの選び方は「上達への近道」でもあると私は考えています。
余談ですが、20歳くらいの時にメタル系のギタリストに凄く憧れてエクスプローラータイプという、いわゆる「変形ギター」を買った事があります。
↑エクスプローラータイプ
ヘッドも鋭く尖り、真っ黒のギターを手にした自分は「よし、これで僕もメタルギタリストだ!」と意気揚々とライブで演奏してましたが、外見は強面(こわもて)でもなくマッチョでもなく、当時やっていた曲もメタルという感じでもなかったため「何か合ってないな」と感じ、次第にステージでの使用機会は減ってしまいました。
ですが買った事については全く後悔はありません。
仮にバンドメンバーから「たぶん合わないから他のギターにしたら?」と言われても絶対にエクスプローラータイプを買っていたと思います。
だって「メタルギターが欲しい」気持ちで溢れていたのですから。
このギターは私が買った初めてのアクティブピックアップ搭載(歪ませてもノイズが少なくて感動しました)のギターでもあったので、その後はレコーディングで使用したり家ではドロップチューニングにしてギャンギャンに歪ませて楽しんだりと、ステージ以外でとても楽しく便利に使わせていただきました。
モラージュ菖蒲店
中村(なかむら)
ギターを選ぶときは自然と、
1.ルックスと佇まい
2.弾きやすさ(鳴らしやすさ)
3.音
の順番で見ています。
多くの方が初めるきっかけには「憧れ」があると思います。
好きなギタリストも一目ぼれのギターでも何でも「カッコイイ」という想いは最大のモチベーションになります。
次に目標とした曲やフレーズを弾けた時の達成感や高揚感も音楽の醍醐味ですので、ストレスなく気持ちよく弾けるギターを選ぶ事も大切です。
音の部分は演奏技術の向上やエフェクターなど周辺機材を追求したりする事で、割と後からどうにでもなるので最後にしました。
判断基準は理屈より直感重視というのは全部に共通すると思います。
さいごに
いかがでしたでしょうか?
意外と皆さん値段・スペック・ブランドではなく「感覚的な部分」を大事にされる事をオススメされていましたね。
ですがここが本当に「核心」だと思います。
エレキギターに限らず、何かを継続していくための「モチベーションの維持」ってとても難しいですよね。
疲れていたり、練習が上手くいかなくてモチベーションが下がる場面は多々あると思いますが、やはりそんな時に「この楽器だったら眺めているだけでも楽しめる」と感じられれば気持ちも上がります。
島村楽器では様々なエレキギターを取り扱ってますので、ぜひそんな気持ちにさせてくれる一本を探してみてくださいね。
