6.変形ストラトタイプ/RGタイプ
ストラトキャスターから発展したギターがこのカテゴリーです。シェイプはストラトっぽいのですが、多少鋭角な感じで、ハムバッカーが搭載されていることが多く、トレモロユニットもロック式だったりします。(もちろん通常のシンクロナイズド・トレモロやストップ・テールピースのモデルもありますが)
Ibanez RG、S
変形ストラトの最右翼がIbanez(アイバニーズ)ではないでしょうか。IbanezのこのシェイプはRGと名付けられ、テクニカルなギタリストやハードなギタリストに人気があります。
超絶テクニックのギタリスト、スティーヴ・ヴァイ(Steve Vai)は自身のシグネイチャー・モデルを使用していますが、RGを基本としたモデルです。
ヴァイと並ぶテクニカルなギタリスト、ジョー・サトリアーニ(Joe Satriani)もIbanezの「S」シリーズを基にした彼のシグネイチャー、JSシリーズを使用しています。
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SCHECTER
SCHECTER(シェクター)もテクニカルなギタリストに非常に人気があるメーカーです。
SCHECTERは非常に数奇な運命を辿っているメーカー。(その辺は長いので割愛します) 海外でもハードロック系の、テクニカルなギタリストが愛用することが多いです。上記のSDシリーズは特にピックアップもSCHECTER製で、他のラインナップとは一線を画します。
近年すさまじい盛り上がりを見せたSCHECTERのSDシリーズ。その要因はニコニコ動画、「弾いてみた」にありました。カリスマ的な人気を誇ったギタリストがSDを使用することで、影響を受けた方も多かったのです。そういったところは昔には無い、ギターの流行の仕方ですよね。
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Jackson
またまた登場しましたJackson。Jacksonのこのシェイプは「ソロイスト」(Soloist)と呼ばれるモデル。
進化型ストラトの草分け的な存在です。スルーネック構造のものが多いですね。Jacksonヘッドと呼ばれるこの形と、指板のポジションマークはハードロック・ギタリストの憧れでした。
ストラトやレスポールのイメージが強いジェフ・ベックも使用していました。
変形ストラトタイプは、テクニカル、ハード、ロック、といったキーワードが浮かんでくるギターたちです。それ以外で弾けないかと言えばそうではなく、逆に万能タイプなのでいろいろ対応できるのですが、ボディのシェイプや見た目の印象から、そういったジャンルの々が好むギターになっています。
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7.変形ギター
読んだままのギターのジャンルです。これまでの、スタンダードなシェイプからは一線を画す、あきらかに形が変わっているギターです。時代の流れと共にそういったギターは増えてきました。
…モズライトや、エクスプローラーだって最初発売されて時はあきらかな「変形」だったんでしょうけども。
モッキンバード・タイプ(B.C.Rich、FERNANDES等)
変形タイプの中でももっとも有名と言えるのがモッキンバード(通称モッキン)です。
基本的なスペックはスルーネック、ハムバッカー×2といったところで、いろいろな仕様が存在するのも特徴。実は歴史も長く、1974年には第一号が発売されていた、歴史のあるモデルなんです。
モッキンを使うギタリストはエアロスミスのジョー・ペリーなど多々挙げられますが、元ガンズ・アンド・ローゼズのスラッシュの使用で一気に知名度が上がりました。
レスポールのイメージが強いスラッシュですが、モッキンも似合いますねぇ~
国内ではFERNANDESから発売されているモッキンタイプのシグネイチャー・モデルを使用したこの方。
日本国内だと「モッキンバード」というよりも「hideモデル」と言った方が通じやすいかもしれませんね。
ビースト(B.C.Rich)
こちらもB.C.Richのギター。その名もビースト(Beast:野獣)です。
これはも何も言わずともメタル、デスメタル、ハードコアの方々が好むシェイプ。理屈じゃありません。
フォレスト(ESP、EDWARDS、GrassRoots)
海外の変形ギターの草分けがB.C.Richなら、国内ではESPじゃないでしょうか。
そんなESPブランド系列(ESP、EDWARDS、GrassRoots)のギターの中でも圧倒的な人気を誇るのが「フォレスト」(Forest)シリーズ。ビジュアル系バンドのギタリストに圧倒的な人気を誇ります。
最初はベースとして発売され、ラルク・アン・シェルのtetsuyaさんが使用したことでこのシェイプの楽器がスタートしました。
その後、動画のようにPierrotのアイジさんがギターバージョンを使用した事で一気に人気が爆発しました。
変形ギターはビギナーには「持ちづらい」「弾きづらい」などの意見もあると思います。また、力加減がまだ甘く、ボディサイズの把握も出来ていないので楽器を傷つけてしまうかもしれません。しかーし!「憧れのあの人と同じ楽器を使いたい」という欲望はギター上達の近道でもあるのです。よほどの変形で無い限り、そういった理由であきらめるのは得策ではないですよ。
8.多弦ギター
変形ギターの次は多弦ギターでしょう。「多弦」という事は、通常の6本より弦が多いギターということ。7、8、9…最近では10弦ギターなんてものもあります。ちなみに最後に触れる12弦はそのあたりとは意味合いが変わるので。
7弦
さっそく7弦行ってみましょう。7弦は多くの場合、低い方に1本弦を足します。チューニングは「シ」(B)になるので、全弦のチューニングはシ-ミ-ラ-レ-ソ-シ-ミ(B-E-A-D-G-B-E)となります。ハイポジションでソロを弾いている時、低いソ(G)を鳴らしたければ6弦の3フレットまで戻らなければなりませんが、7弦であれば8フレットに同じ音があるので戻らなくても済んでしまいます。そういった理由から7弦ギターを使うジャズギタリストもいらっしゃいます。
ただ最近の7弦および多弦のトレンドは、やはりメタル、ジェントといったジャンルでしょう。こういったジャンルに飛び込みたいのであれば、最初から多弦、という選択肢の可能性は0ではありません。(出来れば6弦からスタートのほうが上達は早いと思いますが、「7弦ギタリストになるだ」という志が決定しているならそれもアリだと思います。)
では7弦で最近話題のメーカーを少し紹介しておきましょう。まずはStricrtly 7 Guitars(通称S7G:エスセブンジー)。
7弦専門メーカーとしてスタートしましたが、今では6~9弦のギターを作っています。ラインナップの中でも「ステイン・フィニッシュ」と呼ばれる塗装やDjentらしいサウンドを生み出す木材とその組み込みが人気。
S7GDjent系のサウンドを聞いてみましょう。S7Gを愛用するチンプ・スパナーのジム・ヒューズによるデモです。
このブリッジミュートした状態でピッキングした際のサウンドが「ジェン」というサウンドに聞こえるから「Djent(ジェント)」というジャンルが出来上がったわけです。ヘビーながら輪郭のはっきりしたサウンドです。
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続いてMayones(メイワンズ)。国内では「メイワンズ」の読み方が定着していますが、海外では「マイヨネズ」という読み方が一般的なようです。
メイワンズはポーランドのギターメーカー。6弦や7、8弦のギターや多弦ベースをラインナップしています。日本に入ってくる数量はS7G同様飛行に少ないのですが、Peripheryのミーシャ・マンソーの使用で一気に人気が爆発しています。
※紹介動画は6弦ですが、ミーシャは7弦、8弦のMayonesも愛用しています。こういった“True Temperament Frets”という音程を正確にするための機構を載せたりと、作りの細やかさがウリのギターメーカーです。
8弦
8弦ギターは、7弦よりも更に一つ下に弦を追加するのが一般的。チューニングはファ#-シ-ミ-ラ-レ-ソ-シ-ミ(F#-B-E-A-D-G-B-E)。7弦よりも低いサウンドが出せるギターで、ヘビーなサウンドの方向へどんどん進んでいます。
8弦を製作しているメーカーは先ほどのS7GやMayonesもそうですが日本だとSCHECTERが挙げられます。
SADSのギタリストとしても知られるK-A-ZさんもSCHECTERの7弦、8弦を使用しています。
いかがですか、8弦ギターがどれだけ低音に迫れるかが分かりますね?
続いてStrandberg。先日楽器フェア2014でデビューしたBoden OSシリーズも人気のヘッドレス、多弦メーカーです。
特徴はその個性的なボディや、ネックの裏側の形状。丸ではなく台形になっています。元々はジャズ等のジャンル向けに生まれたギターだということでしたが、今はDjentやメタルのギタリストに大変好まれています。
S7Gのところでギターを弾いていたジム・ヒューズがベーシストとして参加しているシャッタード・スカイズのプロモ。ギターのイアン・ロケットがStrandbergのBodenを弾き倒しています。
9弦
8弦よりさらに下に弦を追加したのが9弦!ド#-ファ#-シ-ミ-ラ-レ-ソ-シ-ミ(C#-F#-B-E-A-D-G-B-E)というチューニング。IbanezやSCHECTER、S7Gが発売しています。(Ibanezは7、8弦ギターももちろん作っていますよ。)
9弦ギターを使用しているギタリストを考えてみても、まだあまり思いつきません… そのくらいこの9弦というジャンルはまだ新しいと思います。
ということでIbanezのデモ動画をご紹介。
これはスゴイですね。もうギターのサウンドじゃない… なんせ9弦めはベースの弦を張ってますしね。ビギナーで9弦を最初に手に取る型は極稀だと思いますが、一応知っておいて損は無いでしょう。
12弦
この12弦はこれまでの低音へ、低音へ、といた流れとは全くの別物。通常の6本の各弦の横に「複弦」と呼ばれる弦を張ります。1~3弦の横にはそれぞれ同じチューニングの弦を、4~6弦の横にはそれぞれオクターブ上の弦を張ることで、独特の響きを得るためのギター。ビートルズのジョージ・ハリスンもリッケンの12弦を使用していました。
12弦で有名な演奏といえば、イーグルスの「ホテル・カリフォルニア」。ドン・フェルダーが12弦と6弦のダブルネックのGibson SGを弾いています。(動画でチェックしてみてください)
イントロのアルペジオ演奏はこの12弦によるものです。
ちなみにレッド・ツェッペリンのジミー・ペイジもこのギターを弾いていました。
ジミーはアルペジオではなくコードストロークで12弦を使っていますね。
というように多弦ギターを見てきました。多弦ギターは、「本当にそのジャンルのその曲をやりたい」という信念があるならば手を出しましょう。ビギナーさん向けの教則本は6弦のギターを使って書かれているので、多弦はプラスαで学ぶことになります。そういった意味では最初に多弦ギターを手に入れるのはかなりの冒険でもあります。
しかし何度も言いますが、「強い意志」があるならそれも全くの間違いというわけではありません。