3.Vタイプ
Vタイプも様々な種類が存在します。「V」というのはボディを逆さにしたときに、「V」の形状をしているからそう呼ばれます。「A」ではないのでご注意を。
フライングV・タイプ
Vタイプの元祖はGibsonのフライングV(Flying V)。1958年に前ページで紹介したエクスプローラーと共に発売されました。

当時のギタリストにとって、エクスプローラーよりも前衛的すぎたんでしょう。エクスプローラーよりも早く、なんと発売翌年の1959年には生産完了してしまいます…
ボディ構造はマホガニー材にハムバッカー×2、セットネックというGibsonらしい仕様です。
しかしその約2年のあいだに生産されたわずかなフライングVを手に入れていたギタリストがいたんです。ブルーズ3大キングの一人、アルバート・キングです。
まずもってブルーズでVを弾くということが、最初知った時は驚きましたがこう見ると無性にカッコイイ。その影響か、キース・リチャーズ(ローリング・ストーンズ)、ジミヘンもVを使い始めます。
それから80年代にフライングVを一躍広めたのがマイケル・シェンカー(MSG、UFO)。
※80年代に入るとGibsonはフライングVを再生産開始します
90年代はレニー・クラヴィッツ。
といったように時代が移り変わってもフライングVはギタリストに愛され続けています。
日本でも小山田圭吾さん(コーネリアス)など、たくさんのギタリストが使用していますよ。
キングV・タイプ
マイケル・シェンカーがGibsonのフライングVを世界中に知らしめていた80年代、Jacksonがラット(RATT)のギタリスト、ロビン・クロスビーのために製作したのがこの「キングV」。(発売当初は「キング」)

フライングvよりも鋭角的なデザインで、LAメタルと呼ばれたRATTの音楽性の中でもかなりの存在感を放っていました。
スペックはピックアップ、トレモロアームなどいろんな仕様が存在します。
80~90年代、メガデスのデイブ・ムステインがキングVを使用して、さらにキングVの人気は高まりました。
ランディV・タイプ
「ランディ」というのは若干25歳で亡くなったランディ・ローズのこと。Jackson(当時はCharvel)がランディのために製作したVシェイプのギターです。

ランディのために作り上げたプロトタイプ2号機がこのシェイプになったのですが、ランディはこれが完成してすぐに飛行機事故でなくなってしまうため、本人がライブで使用した映像はほとんど残っていません。
どちらかというとこの水玉のフライングV・コピーモデルの方が印象が強いかもしれません。
ランディ亡きあと、当時KISSに在籍していたヴィニー・ヴィンセントがランディVを演奏するようになります。
その後もランディVのフォロワーは増え続け、今もJacksonブランドのメイン・モデルの一つとしてランディVがラインナップされています。
このように見てみると、フライングVは最初からブルーズマンが使うなど、幅広く使われる印象ですが、Vシェイプのギターは総じてメタル、ハードロックといったジャンルで使用されることが多いです。特にキングV、ランディVはその鋭角なボディシェイプなので、かなり激しい印象を受けます。
4.PRS(Paul Reed Smith/ポール・リード・スミス)系
PRSは「系」と言ってもPRSでしかないのであまり他社のコピーは存在しませんね。

PRSの代表モデルはこのカスタム。22フレットモデルと24フレットモデルが存在して、基本的にはセットネック使用です。ボディもメイプルトップ、マホガニーバックが標準。そしてトレモロユニットが装備されている事が多いです。
と、ここまで読んで何か気付かないでしょうか?
そう、このカスタムはレスポールとストラトキャスターの「良いとこ採り」をしたギターなのです。しかも単純にスペックをそのまま持ってくるだけでなくPRS独自の機構も多々あります。コイルタップと呼ばれる回路で、ハムバッカー×2個でありながらシングルコイルの音が出せるのもカスタムの標準仕様です。
PRSを使用しているアーティストと言えばこの人。
カルロス・サンタナ。サンタナは「Santana」というシグネイチャー・モデルを使用しています。PRSが世の中に広まるきっかけになった方とも言えます。
マイケル・ジャクソンのツアーギタリストに採用されて一躍有名になったオリアンティもPRSのユーザー。
ストラトよりもスケールが短いので小柄なオリアンティも非常に弾きやすいのだと思います。
日本でもたくさんのギタリストがPRSを愛用しています。
マキシマムザ亮君(マキシマムザホルモン)もその一人。
PRSの完成度の高さ故か、本当に多岐にわたって使われるギターだと思います。ここまでロックなギタリストを紹介しましたが渡辺香津美さんやアル・ディ・メオラもPRSを使っていますし、最近TOKIOの長瀬智也さんもPRSを弾いている姿を良く見かけます。とにかく万能なギターという印象が強いギターです。
5.モズライト
続いてモズライト(mosrite)。モズライトはギターメーカーの名前です。

モズライトは、一瞬でモズライトと分かるシェイプです。ナットのすぐ下に「0フレット」と呼ばれるづレットがあったり、独特のトレモロユニットが載っていたり、ピックアップも独自のピックアップを搭載していたりと、個性的です。
ちなみにモズライトはリッケンバッカーから派生したメーカーです。
モズライトといえば「テケテケ・サウンド」。テケテケの生みの親であるベンチャーズ(The Ventures)はあまりにも有名です。ベンチャーズが使ったことでモズライトはサーフ・ロックの代名詞にもなりました。
日本ではベンチャーズの影響を受けて加山雄三さんや寺内タケシさんもモズライト使いとして知られています。
さらにモズライトは実は別の顔を持っています。
パンクバンド、ラモーンズのギタリスト、ジョニー・ラモーンもモズライト使いでした!
最近でもラモーンズが好きな若い世代のギタリストがモズライトを購入していくことも少なくは無いです。







