ブルーズ(Blues)
ジャズがニューオリンズで生まれたのに対し、ブルーズはメンフィスで形になっていきました。(ブルーズの起源はほぼ確実らしいです)
ブルーズの方が黒人たちの虐げられた感情をがより表れている、労働歌としての発展を遂げていきました。
●アコギの場合
最初期のブルーズは1890年代。ブラインド・レモン・ジェファーソンが歌っていた1910~20年代にもまだエレキギターは存在していません。やはりスチール弦のアコギ、しかも小さいボディの今では「パーラーギター」と呼ばれるタイプが主流でした。
GibsonからはBlues Kingというモデルが出ています。非常にコンパクトで、ブルーズマン達が持っていたそれに近いタイプです。
●エレキギターの場合
デルタで生まれたブルーズは、シカゴで「シカゴ・ブルーズ」と呼ばれるようになります。同じブルーズでもシカゴ・ブルーズはエレキギターが生まれた後でバンド形式を取っていきます。そうなるとと楽曲も派手になり、使われるギターの種類も多種多様になっていきます。
その中でもセミアコは印象に残っています。3大キングのうちBB.キング、フレディ・キングの二人がセミアコですし。
その後時代が進んでシカゴ・ブルーズが全盛期になるとストラトを使用するブルーズギタリストがたくさん出てきました。1954年に発売されたストラトキャスターは、その「枯れた」と形容されるサウンドを武器に人気を博すのです。
動画はバディ・ガイ。シカゴ・ブルーズの代表的ギタリスト/シンガーです。他にもスティーヴィー・レイ・ヴォーン、オーティス・ラッシュ、マジック・サム、ジミー・ヴォーン、エリック・クラプトン…と挙げればキリがないほどのギタリストがストラトを愛用しています。
●ベースの場合
デルタ・ブルーズ(ニューオリンズで発祥した頃のアコギを使ったブルーズ)の場合はギターのみでの演奏がメインだったのと、ベース“ギター”もまだ生まれていなかったため、シカゴ・ブルーズが隆盛してバンド形態になった後のベースのイメージが強いです。
やはりウッドベースをギター形式にしてエレキベースを作ったFenderの功績は大きく、ジャズベを使用しているのをよく見かけます。やはり汎用性の高さからでしょうか?
ロックンロール/ロカビリー(Rock’n Roll/Rockabilly)
●エレキギターの場合
シカゴブルーズから発展したロックンロール。チャック・ベリーやファッツ・ドミノなど黒人から生まれた音楽ではありますが、エルヴィス・プレスリーやビル・ヘイリーの登場で白人達の間に一大ムーヴメントが起こります。
また、ビルやエルヴィスのロックンロールは白人音楽だったカントリーやヒルビリーからの影響が強く、ロカビリーの走りでもありました。その後ネオ・ロカビリーと呼ばれる音楽になって行きます。
ロカビリーについては派生ジャンルがたくさんあるのでここまでにしておきます。
ロックンロールの誕生が約1950年。その頃のエレキギターの流行はフルアコ、セミアコ。ロックンロール・ギタリスト達もやはりそれらを使用していました。
その後のロカビリーにおいては、Gretschのフルアコの登場でフルアコのイメージが強いです。
ロックンロール/ロカビリーにはやはりこういった箱モノが似合いますね。
●アコギの場合
ロックンロールでのアコギの印象はやっぱりエルヴィス。
ドデカイGibsonのSJ-200を弾いてポーズを決めるこのかっこよさ!
ちなみにエルヴィスはMartinのD-28も使用していました。時代的にもGibson、Martinを選択するのが妥当だったのだと思います。
●ベースの場合
島村楽器のミスター・ロカビリーに聞いてみました。「ロックンロールやロカビリーでベースといえばどんなモデルでしょう?」
→「ウッドベース一択!」
…との事です。
ロックンロール、ロカビリーが生まれた時代においてはエレキベースがそこまで浸透していなかったのもありますが、90年代に日本で活躍したロカビリーバンド、マジックを見てもウッドベースです。この音質やルックス面で、ウッドベース以外には「ナシ」なのです。