皆さん、こんにちは!商品部バイヤーの古川(ふるかわ)です。
全国の銘器を訪ね歩くこの連載も12回目を迎えました。今回は、私が長年「いつか必ずその真髄に触れたい」と願い続けてきた、日本ギター製作界の至宝・小林一三(こばやし いちぞう)さんの聖域へとお邪魔してきました。
小林さんの工房は、東京都町田駅から車で10分ほど走らせた、穏やかな空気が流れる住宅街の中にあります。
今回の取材は2日間にわたりましたが、幸運にも両日とも雲一つない見事な晴天!町田駅でタクシーに乗り込み、車窓から差し込む春の陽光を浴びながら、「今日はどんな伝説が聞けるだろうか」とはやる気持ちを抑えきれなかったのを覚えています。

イントロダクション

工房の扉を開けると、そこには満面の笑みを浮かべ、物腰柔らかく迎え入れてくれる小林さんの姿がありました。
その優しいお人柄に一瞬で引き込まれますが、いざ木材を手に取り、製作の話が始まると空気は一変します。ニコニコとした表情の奥に、コンマ数ミリの狂いも許さない鋭い職人の「眼」が宿る。そのギャップこそが、日本屈指の名匠としての凄みでした。

ここまでギター製作に情熱を持ち続けている方は、世界中を探しても他にいないのではないか。そう確信するほど、氏の人生のすべてはギター製作という情熱の炎に捧げられていました。
「たまには休んでください」と思わずこちらが心配してしまうほど、365日製作に向き合い続けているその姿勢。町田の住宅街に静かに、しかし熱く存在するその「本質」を深掘りします。
ルシアー 小林一三 プロフィール

1956年生まれ。1978年、22歳の時に名門「茶位ギター工房」の門を叩き、日本ギター製作界の巨匠・茶位幸信氏に師事。そこから20年間、あらゆる「箱もの」楽器の真髄を叩き込まれました。
その技術は早くから認められ、伝説のブランド「D’Angelico(ディアンジェリコ)」の国内最高級ラインの製作を一手に担当。
1998年の独立後、自身のブランド「Ichizo Kobayashi」を設立。生涯製作本数は約600本に達し、今なお進化を続ける現役屈指の鉄人職人です。
古川 × 小林一三 インタビュー(前半)

茶位時代の「製作の戦場」と修行の真実

22歳で名門・茶位工房に入られてから20年間。そもそも、なぜこの世界に飛び込もうと思われたんですか?

始まりは本当に偶然だったんですよ。20歳くらいの時に姉が持っていたギターを触り出したのがきっかけでね。ずっと独学でやっていたけど、全然上手くならなくて(笑)。
それで本屋に教則本を探しに行った時、たまたま雑誌に求人広告が出ていたんです。「茶位ギター工房」の求人でした。
もともと勉強は大嫌いだけど、物を作ることだけは大好きだったから、その広告を見た瞬間に「ああ、もうこれしかない!」と思って。すぐに連絡して、翌年から弟子として働き始めました。

当時の茶位工房といえば、まさに日本におけるギター製作の総本山。現場はどのような環境だったのでしょうか。

一言で言えば、まさに「物作りの戦場」でしたね。当時は年間40〜50本を仕上げるのが当たり前。入ったばかりの自分は何もできないから、最初は荒削りや先輩の下働きばかり。
でもね、出入りは激しかったですよ。1年で辞める人間もいれば、10年続く人間もいる。その違いはね……実は「ギターを弾くのが好きなやつ」は辞めてしまうんです。

えっ、弾くのが好きな人が辞めてしまうんですか?

そう。残るのは「物を作ることが大好きなやつ」だけ。私はたまたまギターに出会ったからギターを作っていますが、極論、ギターじゃなくてもよかったのかもしれない。
そのくらい「作る」こと自体が好きなんです。ギタリストとして成功しなかったから職人になる人もいるけれど、基本は「物を作ること」に命をかけられるかどうか。そこですね。

まさに修行の場だったのですね。ところで、茶位工房といえばクラシックギターのイメージが非常に強いですが、小林さんは当時から他の楽器も手掛けられていたのですか?

そうなんです。実はクラシックギターだけではなかったんですよ。鉄弦(アコースティック)、ウクレレ、さらにはエレキギターの箱もの(フルアコ)まで、あらゆる構造を同時並行で学べた。
当時は今みたいにネットで調べられる時代じゃないから、目の前にある「鳴る楽器」をバラしたり、一から設計図を興したりして、体で覚えるしかなかった。それが私にとっては大きな財産になりました。結局、20年いましたね。

20年……!人生の大きな時間を捧げられたのですね。42歳での独立には、何かきっかけがあったのでしょうか?

10年を超えてからは、師匠がバイオリン製作に注力されていたこともあって、私がギター部門の工房を預かって若い人を指導していたんです。
なかなか辞めるタイミングがなかったんだけど、ある時、師匠の息子さんが工房に入ってきた。その時にね、「私がずっとここにいたら、息子さんはやりにくいだろうな」と思って(笑)。
それで、ちょうど20年という節目で独立を決めたんです。
伝説の継承〜ディアンジェリコ製作の苦悩

ご自身の技術のためだけでなく、師匠のご家族への配慮まで……。そんな誠実な小林さんだからこそ、師匠も「最高の形」で送り出してくださったわけですね。

ありがたいことにね。私が独立する際、師匠が「独立祝いだ」と言って、当時工房で手掛けていた伝説のブランド「D’Angelico(ディアンジェリコ)」の仕事をそのまま私に預けてくれたんです。
職人の世界で、看板の仕事を弟子に持たせてくれるというのは、これ以上ない信頼の証ですから。

ディアンジェリコといえば、世界中のギタリストが憧れるアーチトップの最高峰。それを引き継ぐプレッシャーは相当なものだったと思いますが、一番苦労された点はどこですか?

そうですね……一番は、資料が海外の古い写真1枚しかなかった「ティアドロップ」モデルの再現ですね。設計図なんてどこにもない。
写真からアーチの深さやバインディングの厚みをコンマ数ミリ単位で推測して、一から図面を興していったんです。他にも7弦ギターのフルアコなど、前例のないモデルばかりで強度計算からやり直しでした。
でも、この時の「正解がない中で答えを見つけ出す」経験があったからこそ、迷うことなく自分の楽器作りに没頭できるようになったんです。
休日はいらない、365日の没頭

職人歴48年。今なお、元旦以外は毎日工房に立たれていると伺って驚きました。

私にとっては、これが「最高の遊び」なんですよ。納期があるから作るんじゃなくて、ただ「作りたい、ここにいたい」から作る。
好きなことが仕事になっていて、毎日大好きな木材に囲まれている。これ以上の幸せはないでしょう? 昨年末に久しぶりに1日だけ休みましたが、あとはずっとここにいます。

その「楽しんでいる」感覚が、一般的な製作家の倍以上のスピードで、かつ精緻なギターを生み出す原動力なんですね。

基本は3本1ロットの同時進行です。乾燥待ちの時間を無駄にしない合理的な工程管理。だいたい45日から60日で3本が仕上がる。
かつては年間30本以上作っていた時期もありました。今は少しペースを落として年間20本ほどですが、それでも一般的な製作家の倍以上のスピードです。
でも、速いからといって雑なわけじゃない。茶位時代に徹底的に効率化された技術が身についているんです。
大型機材を使わない、究極の「手」の治具

小林さんの工房を拝見していて驚いたのが、大手メーカーにあるような大型のプレス機や機械がほとんど見当たらないことです。

私はね、大型の機材はほとんど使いませんよ。強制乾燥機もホットプレスもね。例えばサイド(側板)を曲げる作業も、すべて自分の「手」の感覚だけでやります。
機械を通すと木の個性が死んでしまうし、何より自分の手で直接触れていないと、その木の「限界」がわからないんです。

まさに職人の勘ですね。あと、接着の際に見かけたあのアイロン……かなり年季が入っていますが、これも特別なものですか?

ああ、これね(笑)。リサイクルショップでわざわざ探した、昔の金属製の重いアイロンです。最近のテフロン加工の軽いのだとダメなんだ。
裏板を接着する前に、これで直接「焼く」んです。水分を極限まで飛ばして、細胞を安定させる。40年以上このスタイル。自分の使いたい道具をDIYしたり改造したりするのが、一番手に馴染むんですよ。
工房紹介 町田の「木材聖域(サンクチュアリ)」
小林さんの工房に足を踏み入れると、そこには「効率」という言葉を置き忘れてきたような、濃密な職人の時間が流れていました。
驚くべきは、現代のギター製作現場では当たり前となった大型のプレス機や、数値をデジタル管理する乾燥設備が一切見当たらないのです。




壁一面、そして天井近くまで積み上げられた木材の山は、さながら「木の地層」です。
小林さんが40年以上かけて収集し、この工房の空気の中でじっくりと寝かせてきた材たちは、単なる材料(無垢材)ではなく、小林さんと対話を続ける「家族」のような存在に見えました。



ここでは、その「手のひら」から魔法が生み出される舞台裏を少しだけご紹介します。
小林さんの工房で、私が最も息を呑んだ瞬間。それは、ギターの「声」を決定づける表板(トップ材)の厚みを追い込む作業でした。そこには、現代の工場のような自動サンダー(研磨機)の音はありません。
聞こえてくるのは、シュッ、シュッという、リズミカルで迷いのない鉋(かんな)の削り音だけ。しかし、その一削りごとに、木材は「ただの板」から「楽器」へと昇華されていくのです。





古川 × 小林一三 インタビュー(後半)
音響理論と素材の拘り〜0.1mmの攻防

小林さんの楽器を弾くと、音が真っ直ぐ遠くまで飛んでいく「遠鳴り」の凄さに驚かされます。その秘密はどこにあるのでしょうか。

私はね、裏板を「強固な反響板」と考えているんです。だからサイドは2.0mm、裏板は2.5mmと、あえて厚みを持たせる。
最近は全体を柔らかく震わせるために裏板を薄くする人もいるけれど、それでは音の芯がボヤけてしまうんです。

太鼓と同じ考え方ですね。

その通り!太鼓の皮がしっかり張っていなければ音が飛ばないのと同じで、裏板で音をしっかりと反射させて、表板から真っ直ぐにエネルギーを飛ばす。その「剛性」こそが、クリアな輪郭を生むんです。

トップ材の厚みについてはどうですか?

ジャーマンスプルースなら、最終的には2.5mm程度まで追い込みますが、数値は二の次。重要なのは「放射状組織(髄線)」ですね。
板を弾き、その跳ね返りの「腰」を感じ取る。これがしっかり通っている板は、薄く削っても板が負けず、レスポンスが良くなる。だから私は「柾目(まさめ)」に徹底的にこだわります。

裏板に飾り(バックストリップ)を入れない手法も、小林さんの楽器の特徴ですよね。

名工アグアドへのリスペクトで、このスタイルを貫いています。飾りのラインを入れないということは、接着面の狂いが一切許されないということ。
アイロンで熱を入れ、水分を極限まで飛ばしてから、アロン(瞬間接着剤)で一体化させます。48年間、私のギターでセンターが割れたという報告は一度もありませんよ。

見えない部分、例えばブレーシング(力木)やライニング(裏地)といったパーツの素材についても、やはり独自のこだわりがあるのでしょうか。

もちろんです。ライニングはね、表板側にはジャーマンスプルースを、裏板側にはセドロ(スペイン杉)を使います。
特にセドロはヤニが強くて、独特の良い香りがするでしょう? あの香りが私のこだわりなんです。

(工房に漂う香りを嗅いで)確かに、深みのある落ち着く香りがしますね……!

そう。ブレーシングも基本はジャーマンスプルースですが、これも数十年寝かせた材を細く割って使います。
あと、ブリッジプレートにはメープル。硬くて粘りがあるから、弦の振動を直接受け止める場所に一番いいんです。
ネックブロックも贅沢にホンジュラスマホガニーを使ったりと、見えないところほど「何が最適か」を突き詰めています。
木材の神秘〜結晶化と40年の眠り

工房の奥には40年以上ものストックがあるとお聞きしましたが、やはり「寝かせる時間」が重要なのでしょうか。

自然乾燥で数十年経って初めて、木の中の樹脂(ヤニ)は酸化して「結晶化」するんです。強制乾燥ではこうはいかない。ヤニが固まって初めて、振動を一切ロスしない「鳴る木」になるんです。

「枯れた音」の正体は、この時間の積み重ねにしかないというわけですね。

その通りです。だからこそ、塗装も非常に薄く仕上げる必要がある。うちは下地剤(サフェーサーなど)を一切使いません。目止めをしたら、直接ラッカーやセラックを吹くんです。

下地なしですか……! それは手間もかかるし、木の表面の美しさがダイレクトに出るから、一切誤魔化しがききませんね。

そう。手間はかかるけど、生地がむき出しのような薄い塗膜が、一番木を活かせますから。トップだけセラックにすることもありますが、それもすべて「音を活かす」ための選択です。
杢材選定について

今回の滞在で最も圧倒されたのが、あの5時間に及ぶ杢材選定でした。工房の奥、まるでタイムカプセルのようなストックルームから、次々と「お宝」を運んできてくださいましたね。

せっかく古川さんが遠いところから来てくれたんだからね。出し惜しみしてもしょうがない(笑)。
あの奥に眠っているのは、私が20代、30代の頃に「これは!」と思って手に入れた宝物ばかりです。今のペースで作っても、あと200年は仕事しないと使い切れないくらいありますから。

それにしても、驚いたのは価格の設定です。今ハカランダ(ブラジリアン・ローズウッド)などの希少材を市場で手に入れようとすれば、当時とは比較にならないほど高騰しています。
それを小林さんは、当時の仕入れ値を基準に提供してくださいました。

私はね、材料を転売して儲けようとは思っていないんですよ。自分が昔、安く買った材だから、今の相場なんて関係ない。当時の価格でお客さんに届ければいい。それが私の職人としてのやり方なんです。

その心意気に震えました……。さらに、今回オーダーさせていただいた6本すべてに、通常は80万円以上の最高級モデルでしか使わない「マスターグレード」の材を投入してくださることになりました。

今回のプロジェクトは私にとっても特別ですからね。最高のジャーマンスプルース、それからベアクロー(熊の爪痕のような独特の杢目)が入った極上の硬い材、そしてハカランダ。これらに命を吹き込むのが今から楽しみですよ。

選定の際、長年のシーズニングで焼けた表面を、小林さんが鉋(かんな)でシュッと一削りされた瞬間……。

あはは、あの瞬間の古川さんの顔、忘れられないよ(笑)。

いや、本当に驚きました! 削った瞬間に現れる、あの鮮やかで生命力に満ちた木の肌。アルコールを塗って塗装後の色の深みをチェックさせていただいたとき、その美しさに言葉を失いました。

納得して選んでもらいたかったからね。あの鮮やかな色は、何十年もじっくり自然乾燥させてきた本物の証なんです。

さらに、ハカランダとマダガスカルローズをセレクトした計3本には、ホンジュラス・マホガニーの1P(ワンピース)ネックを、追加料金なしでサービスしてくださるという……。これ、本当にいいんですか?

ボディがこれだけ最高の材なら、ネックも一番いいもので組まないと楽器としてのバランスが取れないでしょう?
普通なら3本分取れるような大きな材から、あえて1本しか取らない贅沢な「1本竿(一体成型)」のネック。今回は特別に、最高のバランスで仕上げさせてもらいます。
納期と今後の展望

小林さんの魂がこもったこの6本。待望の完成時期ですが、第1弾はいつ頃になりそうでしょうか。

今進めているロットが終わり次第、すぐにかかります。第1弾の3本は5月中の完成を目指していますよ。
ゴールデンウィークは休みなしで、このマスターグレードの材たちを最高のギターに仕上げていきます。

小林さんが丹精込めて、文字通り命を削るようにしておつくりになられるギター。
入荷しましたら、その想いと一緒に、大切にお客様へ繋いでいきます。今回は2日間にわたり、本当にありがとうございました!

それは最高だね。私にとっても、自分の作った楽器が大切にされることは「親心」としてこれほど嬉しいことはないよ。
こちらこそ、私の想いを理解して、わざわざ町田まで来てくれてありがとうございました。良いものにするから、楽しみにしていてください。
至高のオーダー、5時間に及ぶ「命のストック」選定
100枚を超えるストックの中から、今回の「ルシアーズセレクション」に相応しい至高の6本分を絞り込む。
それは、小林氏の40年の蓄積と私の情熱がぶつかり合う、濃密な5時間となりました。
STEP 1:40年の眠りを解く「一削り」
棚の奥から取り出されたのは、表面が黒く酸化し、一見すると古びた板。しかし、小林氏が鉋(かんな)を一閃させると、景色は一変します。
40年間、じっくりとヤニが「結晶化」するのを待っていた杢材が、目も眩むほど鮮やかな「深紅の肌」を見せた瞬間。その生命力に、私は思わず息を呑みました。


STEP 2:仕上がりを予見する「シミュレーション」
削り出した素肌に少量のアルコールを吹きかけます。これは塗装後の発色を確認する重要な工程です。
濡れたような光沢の中に、宇宙の星雲を思わせる複雑な杢目と、漆黒のラインが浮かび上がります。小林氏は「強制乾燥では絶対に出せない色だよ」と、満足げに目を細めました。


STEP 3:音を「視る」タップトーン
選定は見た目だけではありません。小林氏は板を軽く持ち、爪先で「コンッ」と叩きます。
すると、板がスピーカーのように共鳴し、工房全体に高い金属的な倍音が響き渡りました。
「こっちは音が速く、ソロ向き」「これは粘りがあり、ストロークでも声に負けない」。一音一音の「速度」と「密度」を聴き分け、個体差を見極めていきます。

選定を終えた際、小林さんがポツリと言いました。「最高のギターにするよ。楽しみにしていて」
材を愛おしそうに撫でる小林さんの言葉に、次の100年を歌い継ぐ楽器の誕生を確信しました。
今回選定した「最高の6本」【オーダーモデル詳細】
5時間かけて検討の末、小林氏とともに確信した究極の6本です。
【6月より順次入荷予定:第一弾】
OM/CW GS/BR(ハカランダ・カッタウェイ)
| 項目 | 仕様内容 |
|---|---|
| モデル | オーエム(OM) |
| 表板(トップ) | ベアクロウ・ジャーマンスプルース |
| 側・裏板(サイド&バック) | ハカランダ |
| ネック | ホンジュラス・マホガニー1P |
| 指板(フィンガーボード) | エボニー |
| ブリッジ | エボニー |
| カッタウェイ | ベネチアン |
| ナット/サドル | 牛骨 |
| ヘッドプレート(表) | ハカランダ(アバロン・インレイ入り) |
| ヘッドプレート(裏) | ハカランダ |
| 指板インレイ | なし(サイドのみ2ミリ・アバロンドット) |
| ロゼッタ | 5ミリ・アバロン・シングルリング |
| バインディング | カーリーメイプル |
| ペグ(チューニング・マシーン) | ゴトー SGS510CK |
| ペグボタン | ES5(CKメッキ) |
| ナット幅 | 44.5ミリ |
| スケール(弦長) | 645.2ミリ |
| ピックガード | ハカランダ |
| アームレスト | カーリーメイプル・コンター加工 |
| 塗装(フィニッシュ) | ラッカー |
| ケース | ボブレン BL-AW |



SJ/CW GS/MR(マダガスカルローズ・カッタウェイ)
| 項目 | 仕様内容 |
|---|---|
| モデル | エスジェイ(SJ) |
| 表板(トップ) | ベアクロウ・ジャーマンスプルース |
| 側・裏板(サイド&バック) | マダガスカル・ローズウッド |
| ネック | ホンジュラス・マホガニー1P |
| 指板(フィンガーボード) | エボニー |
| ブリッジ | エボニー |
| カッタウェイ | ベネチアン |
| ナット/サドル | 牛骨 |
| ヘッドプレート(表) | ハカランダ |
| ヘッドプレート(裏) | フレイムコア |
| 指板インレイ | なし(サイドのみ2ミリ・白蝶貝ドット) |
| ロゼッタ | コア |
| バインディング | フレイムコア |
| ペグ(チューニング・マシーン) | ゴトー SGS510CK |
| ペグボタン | ES5(CKメッキ) |
| ナット幅 | 44ミリ |
| スケール(弦長) | 645.2ミリ |
| ピックガード | ハカランダ |
| アームレスト | フレイムコア・コンター加工 |
| 塗装(フィニッシュ) | ラッカー |
| ケース | ボブレン BL-J16 |


D/CW GS/IR(ドレッドノート・カッタウェイ)
| 項目 | 仕様内容 |
|---|---|
| モデル | ディー(D) |
| 表板(トップ) | ジャーマンスプルース |
| 側・裏板(サイド&バック) | インディアン・ローズウッド |
| ネック | ホンジュラス・マホガニー |
| 指板(フィンガーボード) | エボニー |
| ブリッジ | エボニー |
| カッタウェイ | フローレンタイン |
| ナット/サドル | 牛骨 |
| ヘッドプレート(表) | エボニー |
| ヘッドプレート(裏) | フレイムコア |
| 指板インレイ | なし(サイドのみ2ミリ・白蝶貝ドット) |
| ロゼッタ | コア |
| バインディング | フレイムコア |
| ペグ(チューニング・マシーン) | ゴトー SGS510CK |
| ペグボタン | ES5(エボニー) |
| ナット幅 | 43ミリ |
| スケール(弦長) | 645.2ミリ |
| ピックガード | エボニー |
| アームレスト | フレイムコア・コンター加工 |
| 塗装(フィニッシュ) | ラッカー |
| ケース | ボブレン BL-W |


【10月より順次入荷予定:第二弾】
OMD/CW GS/IR(OM厚胴・カッタウェイ)
| 項目 | 仕様内容 |
|---|---|
| モデル | オーエム厚胴(OM厚胴) |
| 表板(トップ) | ジャーマンスプルース |
| 側・裏板(サイド&バック) | インディアン・ローズウッド |
| ネック | ホンジュラス・マホガニー |
| 指板(フィンガーボード) | エボニー |
| ブリッジ | エボニー |
| カッタウェイ | フローレンタイン |
| ナット/サドル | 牛骨 |
| ヘッドプレート(表) | エボニー(アバロン・インレイ入り) |
| ヘッドプレート(裏) | カーリーメイプル |
| 指板インレイ | なし(サイドのみ2ミリ・アバロンドット) |
| ロゼッタ | 1.5ミリ・アバロン・ダブルリング |
| バインディング | カーリーメイプル |
| ペグ(チューニング・マシーン) | ゴトー SGS510CK |
| ペグボタン | ES5(エボニー) |
| ナット幅 | 44.5ミリ |
| スケール(弦長) | 645.2ミリ |
| ピックガード | エボニー |
| アームレスト | カーリーメイプル・コンター加工 |
| 塗装(フィニッシュ) | ラッカー |
| ケース | ボブレン BL-AW(厚み確認中) |
| その他 | 胴厚(ボディあつ):95~118ミリ |


OO GS/IR(ダブルオー・インディアンローズ)
| 項目 | 仕様内容 |
|---|---|
| モデル | ダブルオー(OO) |
| 表板(トップ) | ジャーマンスプルース |
| 側・裏板(サイド&バック) | インディアン・ローズウッド |
| ネック | ホンジュラス・マホガニー |
| 指板(フィンガーボード) | エボニー |
| ブリッジ | エボニー |
| カッタウェイ | なし |
| ナット/サドル | 牛骨 |
| ヘッドプレート(表) | エボニー(アバロン・インレイ入り) |
| ヘッドプレート(裏) | カーリーメイプル |
| 指板インレイ | なし(サイドのみ2ミリ・アバロンドット) |
| ロゼッタ | 1.5ミリ・アバロン・ダブルリング |
| バインディング | カーリーメイプル |
| ペグ(チューニング・マシーン) | ゴトー SGS510CK |
| ペグボタン | ES5(エボニー) |
| ナット幅 | 43ミリ |
| スケール(弦長) | 632.5ミリ |
| ピックガード | エボニー |
| アームレスト | カーリーメイプル・コンター加工 |
| 塗装(フィニッシュ) | ラッカー |
| ケース | ボブレン BL-LG |


D/CW AS/MR(アディロン・マダガスカル)
| 項目 | 仕様内容 |
|---|---|
| モデル | ディー(D) |
| 表板(トップ) | アディロンダック・スプルース |
| 側・裏板(サイド&バック) | マダガスカル・ローズウッド |
| ネック | ホンジュラス・マホガニー1P |
| 指板(フィンガーボード) | エボニー |
| ブリッジ | エボニー |
| カッタウェイ | フローレンタイン |
| ナット/サドル | 牛骨 |
| ヘッドプレート(表) | エボニー(アバロン・インレイ入り) |
| ヘッドプレート(裏) | フレイムコア |
| 指板インレイ | なし(サイドのみ2ミリ・アバロンドット) |
| ロゼッタ | 5ミリ・アバロン・シングルリング |
| バインディング | フレイムコア |
| ペグ(チューニング・マシーン) | ゴトー SGS510CK |
| ペグボタン | ES5(エボニー) |
| ナット幅 | 43ミリ |
| スケール(弦長) | 645.2ミリ |
| ピックガード | エボニー |
| アームレスト | フレイムコア・コンター加工 |
| 塗装(フィニッシュ) | ラッカー |
| ケース | ボブレン BL-W |


まとめ

2日間にわたる取材の最後、私は小林氏の手をまじまじと見せていただきました。
48年間、木を削り、熱いアイロンを握り、弦を張り続けてきたその手のひらは、至る所に分厚いタコができ、ところどころ皮が剥けていました。
「昨日もここを剥いちゃってね」とはにかむ小林さん。その笑顔は、まるで昨日ギター作りを始めたばかりの少年のような純粋さに満ちていました。
膨大な知識、伝説の経歴、そして圧倒的な技術。そのすべてを兼ね備えながら、今なお「次はもっといいギターを作りたい」と、休む間もなく工房に立ち続ける。
小林一三さんのギターは、単なる「製品」ではありません。48年という歳月、そして元旦以外休むことなく注ぎ込まれた「時間と情熱」そのものです。
「自分が納得したものにしかOKを出さない。どこで妥協するか、それが甘いか辛いか、それだけだ」と語る小林さん。その厳しい基準をクリアした楽器だけが、私たちの手元に届きます。
「100年後の職人が私のギターを見て、いい仕事だなと言ってくれたら本望だ」
その言葉通り、氏の楽器は100年経った後も、色褪せることなく音楽を奏で続けるでしょう。
この物語、ストーリーを纏った楽器をお客様に提供できることに、私は大きな喜びを感じています。小林一三さんの魂が宿った「本物の音」を、ぜひ皆様も体感してください。
ルシアーズセレクションについて
国内外のルシアーが手がけるワンオフ作品・少数製作モデルを集めた企画「ルシアーズセレクション(Luthier’s Selection)」を展開しています。
ルシアーズセレクション 展開店舗
最新情報や試奏のご希望はオンラインストア掲載ページまたは各店までお問い合わせください。
カタログモデルでは出会えない一本とじっくり向き合っていただけるよう、落ち着いて座って試奏できる環境でご来店をお待ちしております。
※店舗ごとに展示モデル・在庫状況は異なります。
銘器探訪の管理人

古川 惠亮プロフィール
京都府出身。大阪での歌い手としての活動を経て、「音楽の楽しさを届ける側になりたい」との思いから、2004年に島村楽器へ入社。
ギターへの深い愛情と幅広い知識を武器に、アコースティックギターの販売で10年連続トップセールスを達成。
現在はバイヤーとして、米国のMartin社での買い付けをはじめ、Furch、K.Yairi、Takamineなどのブランド、ならびに国内外のルシアーと共に、数々のカスタムモデルの企画・仕様策定・デザインを手がける。
プライベートでは3児の父として、家族との時間を大切にしている。
目下の悩みは、子どもとのゲーム対戦でなかなか勝てないこと。







