【実機レビュー】YAMAHA Pacifica SC|音響解析技術を駆使した設計プロセスで製作されたシングルカッタウェイボディ

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【実機レビュー】YAMAHA Pacifica SC|音響解析技術を駆使した設計プロセスで製作されたシングルカッタウェイボディ

記事中に掲載されている価格・税表記および仕様等は予告なく変更することがあります。

ヤマハから、「Pacifica SC」が登場いたします。
Rupert Neve Designs社と共同開発した専用ピックアップや、独自の音響設計テクノロジーを採用。
ビンテージギターの歯切れ良い響きからモダンなサウンドまで幅広いトーンを生み出し、プレイヤーの豊かな表現力を引き出します。

YAMAHA Pacifica SC Professional

メーカーYAMAHA
型名PACP11S
販売価格¥295,350(税込)
発売予定日2026年3月5日(木)
メーカーYAMAHA
型名PACP11SM
販売価格¥295,350(税込)
発売予定日2026年3月5日(木)

特徴

こだわりのピックアップと独自の音響設計

本モデルのためにRupert Neve Designs社と共同開発された「Reflectone」ピックアップを搭載しています。
タイトに引き締まった低音と明瞭な高音を持ち、バランスの良いモダンなサウンドを出力。
リアのシングルコイルに搭載されたフォーカススイッチを使用すれば、中低域を強調したアグレッシブな音色への変化も可能です。
また、ヤマハ独自の音響設計テクノロジー「アコースティック・デザイン」によるチェンバードボディーを採用。
科学的なアプローチで設計されたボディーが豊かな鳴りを引き出し、長いサステインを可能にします。

快適な演奏性を支える設計とハードウェア

人体工学に基づいたボディーコンター加工と、滑らかなカーブドネックジョイントヒールを採用した製品です。
ハイポジションへのスムーズなアクセスを実現し、長時間の演奏でもストレスを感じさせません。
アーティストの意見を反映したラウンドCネックには、カスタムカラーのティンテッドサテンフィニッシュを採用。
コンパウンドラディアス指板やミディアムジャンボステンレスフレットとの組み合わせにより、スムーズな運指やなめらかなベンディングをサポートします。
ハードウェアには、精度の高いGOTOH製のロッキングチューナーとブラスサドルが使用されています。

個性に合わせて選べる2つのバリエーション

Pacifica SC Professionalには、指板の木材が異なる「PACP11S」と「PACP11SM」の2機種がラインナップされています。
PACP11Sはローズウッド指板を採用し、5種類のカラーフィニッシュを展開。
PACP11SMはメイプル指板を採用し、2種類のカラーフィニッシュから選択可能です。
どちらのモデルも、完成後にヤマハ独自のイニシャル・レスポンス・アクセラレーション(I.R.A.)処理を実施。
これによりギター全体の鳴りが向上し、プレイヤーのタッチに素早く反応するレスポンスの良さを獲得しています。

仕様

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ボディアルダー
ネックメイプル
ボディ/ネック構造ボルトオン
ネックフィニッシュカスタムティンテッドサテンフィニッシュ
指板ローズウッド (PACP11S) 、メイプル (PACP11SM)
指板アール241.3 – 304.8 mm コンパウンドラジアス
ナット素材/幅GraphTech TUSQ/42mm
フレット数/サイズ22/ミディアムジャンボステンレス
ブリッジ/テールピースGotoh BC-TS1S(クローム)/コンペンセイテッド3ブラスサドル
弦間ピッチ10.8mm
D’Addario XL-110 / 0.010-0.046
スケール648.0mm
ピックアップリフレクト―ン EH7n,リフレクト―ン HT7b
ピックアップスイッチ3P セレクタースイッチ
コントロールマスターボリューム,マスタートーン(プッシュ-プル「フォーカススイッチ」)
ペグGotoh SD91 MG-T(ロッキングチューナー)

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YAMAHA Pacifica SC Standard Plus

メーカーYAMAHA
型名PACS+11S
販売価格¥145,200(税込)
発売予定日2026年3月5日(木)
メーカーYAMAHA
型名PACS+11SM
販売価格¥145,200(税込)
発売予定日2026年3月5日(木)

特徴

独自の音響設計とこだわりのピックアップ

ヤマハ独自の音響設計テクノロジー「アコースティック・デザイン」を採用したチェンバードボディ構造です。
3Dモデリングを用いた科学的なアプローチにより、ボディの鳴りを高めて豊かなサステインを引き出します。
ピックアップには、RUPERT NEVE DESIGNS社と共同開発した「Reflectone(リフレクトーン)」を搭載。
タイトに引き締まった低音とクリアな高音が特徴的な、モダンでバランスの良いサウンドを生み出します。
さらに、フォーカススイッチを使用することで中低域を強調したアグレッシブな音色変化も可能です。
トラディショナルな響きから現代的なトーンまで、プレイスタイルに合わせた幅広いサウンドメイクに対応します。

快適な演奏性を支えるネックとボディ形状

人体工学に基づいて精密にコンター加工されたボディデザインを採用しています。
滑らかなカーブドネックジョイントヒールと理想的な重心設計により、ハイポジションへのスムーズなアクセスが可能です。
ピークパフォーマンス時でもストレスを感じさせない、快適な演奏性を実現します。
アーティストからのフィードバックを受けて設計されたラウンドCシェイプのメイプルネック。
ミディアムジャンボステンレスフレットを組み合わせることで、スムーズな運指と滑らかなチョーキングをサポートします。
ツアーでの酷使にも耐えうる高い耐久性。
長時間のステージやレコーディングでも、プレイヤーのパフォーマンスを最大限に引き出します。

信頼性を高める厳選ハードウェアと2種の指板

ハードウェアには、クリアで正確なレスポンスを生み出すGOTOH製のパーツが使用されています。
精密に設計されたロッキングチューナーが、優れたピッチの安定性とスムーズなチューニングを実現。
GOTOH製のブラス「In-Tune」サドルを備えたブリッジが、音の明瞭さと自然な弾き心地をさらに向上させます。
指板の材質によって2つのモデルをラインナップ。
「PACS+11S」はローズウッド指板を採用し、温かみのあるサウンドが特徴です。
一方の「PACS+11SM」はメイプル指板を採用し、立ち上がりの早いクリアなトーンを生み出します。
シティポップに着想を得た鮮やかなカラーフィニッシュ。
洗練されたモダンな外観が、プレイヤーの創造性を強く刺激します。

仕様

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ボディアルダー
ネックメイプル
ボディ/ネック構造ボルトオン
ネックフィニッシュナチュラルスムースサテンフィニッシュ
指板ローズウッド (PACS+11S) 、メイプル (PACS+11SM)
指板アール304.8 mm
ナット素材/幅GraphTech TUSQ/42mm
フレット数/サイズ22/ミディアムジャンボステンレス
ブリッジ/テールピースGotoh BC-TS1S(クローム)/コンペンセイテッド3ブラスサドル
弦間ピッチ10.8mm
D’Addario XL-110 / 0.010-0.046
スケール648.0mm
ピックアップリフレクト―ン EH7n,リフレクト―ン HT7b
ピックアップスイッチ3P セレクタースイッチ
コントロールマスターボリューム,マスタートーン(プッシュ-プル「フォーカススイッチ」)
ペグGotoh SD91 MG-T(ロッキングチューナー)

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メーカー主催の製品説明会および試奏会

先日ヤマハサウンドクロッシング渋谷にて開催された製品説明会および試奏会で同機種がお目見えしました。

当日はソエジマトシキ氏がゲストとして招かれ、実機を用いたデモパフォーマンスと解説を行いました。

デモパフォーマンス
「フォーカススイッチ」のOFF / ON の比較

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実機レビュー

メーカー様のご好意により実機を発売前にお借りすることができました。
レビューいたします。

ボディ周り。
大胆かつシャープなコンター加工に合理性を感じます。

ボディ裏とジャック。
弦は裏通しでジャックプレートは猫目タイプ。

ネックジョイント部。
ヒールカットされている分を鑑みても上側(ネック側)2本のビスの位置にこだわりを強く感じます。

ストラップピンの形状がポピュラーな形状のものと異なります。
このピン、立って演奏する際にバランスを調整してヘッド落ち(ギターから両手を離した際にストラップが滑ってヘッド側に傾いてしまうこと)を防ぐためにこうなっているそうです。
驚!!!
超考え抜かれて作られていますね。

ちなみにエンドピンはポピュラーな形状のものです。
こちらはヘッド落ちに関係ないですもんね…。

ピックアップ部。
噂のRUPERT NEVE DESIGNS社と共同開発した「Reflectone(リフレクトーン)」。
サウンドインプレッションは後述します。

コントロール部。
1ボリューム1トーン、3wayブレードスイッチ。

前述の動画内でソエジマ氏も絶賛していた「フォーカススイッチ」。
TONEノブを引っ張ることによりONとなります。

こちらも噂の“In-Tune”Saddleを搭載したGOTOHのブリッジ部。
三連タイプにも関わらずオクターブチューニングの精度が高いです。
ブラスタイプサドルで明るめな音を生み出します。

ネックエンドにはホイールナット。
調整が容易に行えます。

指板。
メイプル/ローズウッドの違いはあれど、インレイがシンプルかつ未来的でいいですね。

フレットはステンレス製でサイズはミディアムジャンボ。
22F仕様です。

ヘッド部。
Professionalはグロスフィニッシュになっています。
しかしネック裏のフィニッシュはどちらもサテンフィニッシュです。
Professionalはカスタムティンテッドサテンフィニッシュ、Standard Plusはナチュラルスムースサテンフィニッシュとなっておりカラーが異なります。

このロゴ、どなたが書いたのでしょうかね?
とてもおしゃれでセンスを感じます。
Professionalはシルバー、Standard Plusはブラックです。

トレードマークの部分が盛り上がっています。
こういうところが所有欲を駆り立ててくれるポイントだと思います。

ペグはGOTOH製ロック式。
ポストの高さは各弦で異なるのでテンションに違和感を感じることはないでしょう。

ナットはGraphTech TUSQ。
幅は42mm。

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ProfessionalとStandard Plusの違い

ここまで見てきましたが、ProfessionalとStandard Plus、両者に共通する仕様となっています。
「じゃどこが違うの???」
こちらです!

生産地

ネック裏に表記がありますが、Professionalは国産、Standard Plusはインドネシア製となっています。

指板R

Professionalは241.3 – 304.8 mmのコンパウンドラジアス、Standard Plusは304.8 mmとなっています。

ご覧の通り、指板は緩く湾曲しています。

一般的なSTタイプの指板面のR値は184mmです。
この数値が大きくなるほどR(湾曲)は緩やかになります。
逆に数値が少ないとハイポジションでチョーキングをした際にの音詰まりが発生することがあります。
これにより弦高が好みの位置まで下げられないという弊害も生まれます。
しかしローポシションではバレーコードを抑えるときのような一本の指で複数の弦を押さえたり、握り込んで押さえることがあるのでRはきつい(=R値が小さい)ほうが好まれます。

そのいいとこ取りをしようと考えられたのが「コンパウンドラディアス」で、ローポジションからハイポジションにかけて、指板のR値がハイフレットになるに伴い徐々に大きくなる(=湾曲が緩やかになる)加工です。

要はどちらのモデルも一般的なSTタイプよりも湾曲が緩やか、かつProfessionalはローポシションでは湾曲がきつくなりプレイアビリティを向上させている、ということです。

I.R.A処理

I.R.A.処理後(右側)のほうが処理前(左側)に比べて白色〜黄色の部分が多くなり、幅広い帯域で大きな音が出るようになっていることがわかります。

Professioanlにはヤマハ独自技術であるイニシャル・レスポンス・アクセラレーション(I.R.A.)処理を施されています。

I.R.A.処理とは、完成品のギターに対して特定の振動を与えることで ネックと指板などの木材間、木材と塗膜間、材とハードウェア間などに生じているストレスを解消し弾き込まれたギターのような状態を再現するヤマハの独自技術です。
最大限のレゾナンスとサスティーンを実現します。

ネック塗装

先述した通り、Professionalはカスタムティンテッドサテンフィニッシュ、Standard Plusはナチュラルスムースサテンフィニッシュとなっておりカラーが異なります。
カラーが違うのみで演奏感はどちらも同じく、サラサラで摩擦のないスムーズな弾き心地です。

ケース

Professionalにはハードケースが、Standard Plusにはギグバッグが各々付属します。

ギターのハードケースに萌えられるようになって一人前です(?)。

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サウンド・インプレッション

超ハイレンジ!

ピックアップ「Reflectone(リフレクトーン)」を共同開発したRUPERT NEVE DESIGNS社のブランド名に名前のあるルパート・ニーヴさんはオーディオ/レコーディング機材の設計者の「巨匠」です。
ニーヴさんは2021年に亡くなりましたが長命で94歳だったそうで、世界のロック・ポップスの歴史の生き字引のような方でした。
ビートルズのレコーディング機材の製作をしていたくらいですからね…。

そのニーヴさんの意志を受け継いでいる同社。
その技術をギターピックアップにも応用しているようです。
低音から高音、他のギターでは聴こえないような帯域まで鳴ってくれているような感覚です。
あとはお好みに合わせて調整していくだけ。

もともと有るものは削れますが、無いものを足すことができないのは楽器の常。
情報量は多い方が良いのではないでしょうか。

単音弾きの時のヌケ感!

「I.R.A処理」の項目で提示したグラフをもう一度ご覧いただきたいのですが、13kHzあたりの帯域がよく出ています。

13kHzはエレキギターだと生み出せる音の最高周波数に近い音。
そこが出ている、ということは、音のヌケが良いことにつながります。

バンドでソロの時に音が聴こえない→ブースターをかまそう!という考えがちょっと変わり、ギター本来の音で勝負できそうな予感がします。
だって実際突き抜けるような澄んだ音ですもの!

ネックの握りの心地よさ

大人気のPAC600 seriesよりもちょっと肉厚な握り。
左手を任せられる感があっていいです。

Professionalの方がStandard Proよりも少し太めに感じたのはコンパウンドラジアスだからでしょうか。
どちらにせよ私は弾きやすかったです。

パーツの安心感

ブリッジミュートした時のスムース感、POTのトルクの重さ(ヴォリュームで歪み量を調整するのも◎)、ペグの回し具合、どれをとっても一級品。
どれも安心感があります。

ステンレスフレットの「にゅっ!」としたチョーキング感、私大好きです。
錆びにくい分この感じが長持ちするであろう点も点数高いです。

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まとめ

ほんと、オイシイところを押さえたギターだと思います。

基本はハイファイな、オーディオっぽいサウンドのギターだと感じます。
空間系やダイナミクス系のエフェクトが乗りやすかったこともその印象を強くします。

でもそこはYAMAHA、エレキギター としてコシのある中域は見事に生み出しています。
クランチサウンド、超気持ちいいです!!!

この体験は皆さんした方がいいです。
新たな次元な気がします。
ぜひ島村楽器の店頭へ。

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