【変形系編①】エレキギターの主要モデルをご紹介【ギターを趣味にしよう!】

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【変形系編①】エレキギターの主要モデルをご紹介【ギターを趣味にしよう!】

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皆さんこんにちは!
ギタセレ中の人です。

連載記事【ギターを趣味にしよう!】。
記念すべき10回目の記事となります。

前回、前々回の記事ではFender系とGibson系の主要モデルについてご紹介いたしました。

今回は「変形系編」と題して二回にわたりお送りいたします。

FenderとGibsonはエレキギターの主流を作った二大ブランドと言って過言ではないでしょう。
現代ではその二大ブランドのモデルを踏襲し、各々のアイディアやコンセプトの下で発展させたエレキギターを製作しているブランドが数多く存在しています。

エレキギターはそのサウンドはもちろんですが、見た目が命!です(声を大にして言いたい)。
FenderやGibsonのギターの見た目も良いですが、「もっと個性的なものを…」と求めるのは、自分を表現する音楽家としては自然な気持ちではないでしょうか。

【Gibson系編】にもエクスプローラーやフライングV等、個性的なボディシェイプを持ったギターがありましたが、これからご紹介するのはもっと派手な、個性の強い、過激なモデルが多いと思います…!

また、「何が変形ギター?」という定義も難しいですが…

  • Fender、Gibsonのギターの影響は受けているものの別のブランドのもの
  • その後フォロワーを生み出し、進化をしたモデル
  • ギタセレ中の人の独断と偏見

…という定義で考えました。
「なんでこれが無いの!?」や「いや、これは変形ではないでしょ!」のお言葉はご容赦くださいませ…。

それでは見ていきましょう!
アルファベット順にご紹介いたします。

ディンキータイプ

Jackson Pro Plus Series Dinky® DKA

歴史

1980年代、ハードロックやメタルの速弾き需要に対応するためにJackson社が生み出したスーパーストラト系です。
Soloistをもとにボディを小型化したことから「ディンキー(小さい)」と呼ばれるようになりました。
Floyd Rose搭載や24フレット仕様など革新的なスペックを備え、世界中のメタルギタリストに普及しました。
軽量で演奏性が高いため、現在でもモダンメタルやフュージョンで愛用され、スーパーストラトの定番スタイルとして定着しています。

特徴

シャープで明瞭なサウンドが最大の特徴です。
高出力ハムバッカー搭載により、ディストーションをかけても粒立ちの良い速弾きやカッティングをクリアに再現できます。
また、24フレット構造とフロイドローズにより広い音域と繊細なトーンコントロールが可能で、メタルやフュージョンの複雑なリフや多彩なソロに適応します。
クリーンでも煌びやかに響くため、歪み中心だけでなく幅広いサウンドメイクに対応できる万能性を持っています。

代表的な使用ギタリスト

ウォーレン・デマルティーニWarren DeMartini)/ 米

ソロの入り方が最高。

1953年生まれのアメリカ人ギタリスト。
1980年代のL.A.メタルシーンを代表するバンド「Ratt」のリードギタリストとして知られます。
ブラウンサウンドを基調にした歪みの効いたトーンと、ブルース的要素を取り入れたメロディアスなフレージングが特徴です。
Rattの黄金期には「Round and Round」などのヒットを生み、テクニカル一辺倒ではなく歌心あるギタープレイで人気を確立しました。
JacksonやCharvelのスーパーストラト系を愛用し、派手さと正確さを両立させた90年代以降のHR/HMギタリストに大きな影響を与え続けています。

フィル・コリン(Phil Collen)/ 英

短いソロながらフルピッキングに恋しそうです

1957年イギリス生まれ。
1982年にデフ・レパードへ加入し、世界的ロックシーンに名を刻んだギタリストです。
バンドの代表作「Pyromania」「Hysteria」で見せたモダンで緻密なリフとツインギターの掛け合いは、ブリティッシュ・ハードロックからアリーナロックへの橋渡し役となりました。
長年にわたりJackson製カスタムギターを愛用し、鋭い歪みサウンドと同時に明確な音粒を損なわない演奏スタイルを確立しています。
ステージでは鍛え上げられた肉体美でも有名で、フィジカルとサウンドを一体化させた存在感が魅力です。

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DEAN MLタイプ

歴史

1977年にディーン・ゼリンスキーが設計したモデルです。
GibsonのVとエクスプローラーを融合させたような独創的なデザインで、迫力のあるルックスと長いサステインが特徴です。
特に故ダイムバッグ・ダレルが愛用したことでメタルシーンに欠かせない存在となり、DEAN社を代表するモデルとなりました。

特徴

その大きなボディサイズとユニークな設計から、豊かな中低域と驚くほどのサステインを実現します。
リフでは重厚な鳴りを、ソロやハーモニクスでは広がりのある豊潤なトーンを提供します。
高ゲイン環境でも輪郭が失われにくく、分厚い音でありながら明確な存在感を放ちます。
特にメタルやハードロックにおいて、厚みと力強さを求めるプレイヤーに理想的です。

代表的な使用ギタリスト

ダイムバッグ・ダレルDimebag Darrell)/ 米

「辛いものが大好き」という情報を某ヘヴィメタル誌で読み、期待を裏切らないな…と当時感銘を受けた記憶があります

1966年生まれ、テキサス出身のギタリスト。
本名Darrell Lance Abbott。
バンド「Pantera」の中心人物として、1990年代ヘヴィメタルの方向性を決定づけた存在です。
攻撃的で重厚なリフ、鋭利なピッキング、独特のワーミーバー奏法は彼の代名詞となりました。
DEAN MLをトレードマークとし、独自の「ダイムトーン」は後続のメタルギタリストに計り知れない影響を与えています。
2004年、ライブ中に凶弾に倒れるという悲劇的な最期を迎えましたが、その革新的な奏法とサウンドは今なお語り継がれています。

ダイム自身がデザインした「RAZORBACK」というモデルもあります。
中の人、キュンキュンしちゃいます。

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モッキンバードタイプ

歴史

1970年代後半にB.C.Rich社が発表したモデルです。
流線的で美しいボディラインと個性的なカッタウェイを備え、多くのギタリストの注目を集めました。
ハンドクラフト要素の高いB.C.Richらしい独創性を象徴するギターであり、1980年代のアメリカンハードロックにおいて広く使用されました。
現在でもブランドのアイコン的存在として認知されています。

特徴

中域が強調された豊かな倍音構成が特徴です。
コードストロークでは豊かさを、リードプレイでは粘り気のあるサウンドを奏でます。
歪ませると厚みがありながらも明瞭さを保ち、クリーントーンでは柔らかさと煌びやかさを兼ね備えます。
そのため、バンド内での存在感が強く、華やかさとエッジを両立したサウンドを実現できます。

代表的な使用ギタリスト

hide(ヒデ)/ 日本

あまりにも有名なギタリスト過ぎて…

1964年神奈川県生まれ。
X JAPANのギタリストとして1990年代の日本ロック・メタルシーンを牽引しました。
ソロ活動ではポップセンスと実験精神を融合させ、当時の若者文化に強烈な影響を与えました。
モッキンバードシェイプのモデルを愛用し、独自ペイントが施されたビジュアルもアイコン的存在となりました。
カリスマ性と革新性で国内のロック・ギター文化を拡大し、今も絶大な人気を博しています。
1998年に急逝しましたが、その音楽観は多くのアーティストに継承されています。

スラッシュ(Slash)/米

Gibson Les Paulのイメージが強いですがこの赤いモッキンバードも印象的です

1965年イギリス生まれ、米国育ち。
本名Saul Hudson。
ハードロックバンド「Guns N’ Roses」のリードギタリストとして世界的に知られています。
モッキンバードタイプの他にレスポールタイプを愛用し、ブルースロックを基盤にした太く歌うようなリードトーンは彼の代名詞です。
代表曲「Sweet Child O’ Mine」のイントロリフはロック史に残る名演とされ、90年代以降もソロやVelvet Revolverなど幅広く活動。
独自のメロディセンスと象徴的なルックスで、現在も多くのギタリストのお手本となっています。

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ケリータイプ

歴史

Jackson社がエクスプローラーを鋭く尖らせた未来的なデザインとして開発したモデルです。
メガデスのマーティ・フリードマンのために誕生し、スラッシュメタルにふさわしい攻撃的な外観と演奏性を併せ持っています。
1980年代以降にメタルブームとともに知名度を高め、現在もエクストリーム系ギタリストに根強い人気を誇っています。

特徴

鋭いルックスそのままに、タイトで硬質なサウンドが特徴です。
速いリフでもピッキングの粒立ちが際立ち、歪“みすぎない”バランス感からリフ全体を明瞭に響かせます。
ソロではエッジの効いたトーンが切れ味を増し、ダウンチューニングにも十分対応できる迫力を持っています。
スラッシュやスピードメタルに理想的なサウンドキャラクターです。

代表的な使用ギタリスト

マーティ・フリードマン(Marty Friedman)/ 米

日本びいきであまりにも有名になってしまったマーティ。逆アングルピッキングがステキ。

1962年米国生まれ。
ソロ活動やバンド「Cacophony」を経て、1989年にMEGADETHへ加入しました。
スラッシュメタルの域を超える叙情的でオリエンタルなフレーズが特徴です。
特にアルバム『Rust in Peace』でのギタープレイはメタル史に残る名演として評価されています。
Jackson Kellyを愛用し、速弾きでありながらリリカルな表現力を持つ点が世界的に称賛されています。
2004年以降は日本に拠点を移し、音楽活動のみならず文化番組や審査員など多方面で活躍中です。

ジェフ・ルーミス(Jeff Loomis)/ 英

この方もMegadeth絡みなんですよね…。それはそれで観てみたい!

1971年米国ウィスコンシン州生まれ。
1990年代初頭からプログレッシブ・スラッシュバンド「Nevermore」のギタリストとして活動しました。
高いテクニックを誇り、7弦ギターを駆使した重厚な低音リフと流麗な速弾きが特徴です。
クラシカルな理論を応用したネオクラシカルな要素とモダンメタルの重さを融合させ、インストアルバムでも高評価を得ています。
Arch Enemyに参加し(2023年に脱退)、スウェーデンのメロディックデスメタルを世界的に牽引しています。

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キングVタイプ

歴史

1980年代にJackson社が導入した鋭角的なフライングVです。
メガデスのデイヴ・ムステインが愛用したことでスラッシュメタルの象徴となりました。
従来のフライングVよりもさらに鋭いフォルムを持ち、スピード感や迫力を強調するステージ映えを実現しました。
以降、多くのメタルミュージシャンに愛用され、現在も根強い支持を集めています。

特徴

パワフルで厚みのある中低域と、鋭く抜ける高域を兼ね備えたサウンドが特徴です。
リフでは重厚さを、リードでは伸びのあるサスティンを発揮し、ステージではどんなバンドアンサンブルでもしっかり前に出ます。
特に高出力ピックアップとの組み合わせで、迫力と輪郭を兼ね備えたサウンドを得られます。

代表的な使用ギタリスト

デイヴ・ムステイン(Dave Mustaine)/ 米

ケーラー製ブリッジが眩しい…(ケーラー好きな中の人)

1961年米国カリフォルニア出身。
「MEGADETH」の創設者でありリーダー。
かつてはMetallicaに在籍しましたが脱退、その後自身のバンドを率いてスラッシュメタルを代表する存在となりました。
スピード感と複雑なリフを主体にしたギタースタイルは唯一無二で、シンガーとしても独特の声を持ちます。
かつては King Vモデルを愛用し、政治的な歌詞と攻撃的なサウンドで独自の地位を築きました。
スラッシュ四天王の一角として今も精力的に活動しています。

DEANでもシグネイチャーモデルがありました(キングVシェイプでした)が、現在はGibsonと契約しているようです。
Flying Vシェイプですね…。

ケリー・キング(Kerry King)/ 米

BIG 4 の中ではSlayerが一番好きですっっっ!!! 五寸釘リストバンド重そう…。

1964年米国カリフォルニア生まれ。
スラッシュメタルバンド「Slayer」のリードギタリストとして知られます。
鋭利なリフとアトロシティックなソロでスラッシュメタルの代名詞的存在となりました。
B.C.RichのWarlockやV系シェイプを愛用し、アグレッシブで過激な音とステージングで圧倒的な存在感を誇ります。
リフ中心のプレイスタイルながら、バンドの攻撃性を支える低音弦の刻みとノイズを積極的に取り入れたソロが特徴で、メタル史に残るギタリストと評されています。

B.C.Rich製のキングVを持っているイメージが強いですが現在はDEANエンドーサー。
さらに刺さりそうになっている気が…。

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まとめ

いかがでしたでしょうか。

皆さん、気づかれましたよね?
変形系のギターはほとんどがHR/HM(ハードロック/ヘヴィメタル)界隈のギタリストが使用していると。
音楽が尖っているとギターも尖るわけです。

ヘヴィメタルの全盛期は1980年代と言われています(中の人は大きな声で異論を唱えたいですが。今でも発展していますって!)。
それに倣い、変形系のギターも1980年代に多く誕生しています。
変形系ギターとHR/HMは切っても切れない関係なのです。

ちなみに中の人のFavoriteはIronbirdです。

代表的な使用アーティストにビッグなギタリストが空席なのでチャンスですよ、メタルギタリストの皆さん…。

次回も続きます!

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