【実機レビュー追加】BOSS PX-1|歴史的ペダルのサウンドを現代に蘇らせる革新的プロセッサー

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【実機レビュー追加】BOSS PX-1|歴史的ペダルのサウンドを現代に蘇らせる革新的プロセッサー

記事中に掲載されている価格・税表記および仕様等は予告なく変更することがあります。

BOSSより、新製品「PX-1」が発表されました。
1977年以来の歴史を誇るコンパクト・ペダルの名機を忠実に再現し、プリインストール16種に加えて専用アプリから拡張も可能。
直感的操作性とモダンな機能を備えた、時代を超えて愛され続けるBOSSサウンドを体験できるコンパクト・ペダルです。

(9月1日(月)14:00に実機レビューを追加いたしました。)

BOSS PX-1

メーカーBOSS
型名PX-1
販売価格¥38,500(税込)
JAN4957054521578
発売予定日2025年9月13日(土)

特徴

名機の忠実な再現

PX-1は、1つのエフェクトの再現に全DSPリソースを割り当てる設計を採用しています。
このアプローチにより、固有のレスポンスやノイズ特性までも表現し、オリジナルの魅力を最大限に提示します。
初代オーバードライブOD-1やコーラスCE-2など、歴史的なモデルが現代のステージで蘇ります。

モダンな操作性と拡張性

直感的な操作を可能にするグラフィックLCDを搭載し、従来のコンパクト・ペダルと同等のサイズを維持しています。
別売のペダルやフットスイッチを組み合わせることで、リアルタイム制御やモデル切替が可能となります。
さらに、BluetoothやUSB Type-Cによるアプリ連携機能により、追加エフェクトの導入や将来的な拡張にも対応しています。

安心の設計と付帯サービス

ACアダプターとUSBバスパワーの2電源方式を備え、演奏シーンに合わせた運用が可能です。
付属するRoland Cloud Ultimate 6か月メンバーシップにより、同等のプラグインをDAW環境でも楽しむことができます。
また、5年間の長期保証が付帯しており、信頼性と安心感を兼ね備えた仕様です。


プリインストール・モデル一覧

OD-1
Over Drive
BOSS の象徴的な存在でもあるオーバードライブの初号機です。クランクアップさせた真空管アンプのサウンドに見られる偶数次倍音を多く含み、温かみのある歪みを作り出します。唯一無二のサウンドと弾き心地が、単体ではもちろん、スタック•アンプのブースターとしても今なお多くの人を魅了して止まないコンパクト•ペダルです。
SP-1
Spectrum
SP-1 Spectrum は特定の帯域をブーストするエフェクトです。音抜けを良くしたり、ドライブ•エフェクトの前段に追加して歪みのキャラクターを大きく変えたりなど、幅広く活用できます。プリアンプ•ペダルとして使用し、サウンドに味付けすることも可能です。設定次第で、フィックスド•ワウのようなサウンドを作り出すこともできます。
PH-1
Phaser
軽やかなうねり、豊かなローエンドのレスポンスが特徴のフェイザー•エフェクトです。2 つのノブによるシンプルな設計が、どんな設定でも音楽的な効果をもたらします。最短距離で理想のフェイザー•サウンドが得られるコンパクト•ペダルです。
SG-1
Slow Gear
入力された信号のアタックを抑えて音の立ち上がりをなめらかにするエフェクトです。ギターのボリュームを手で操作することなく、ヴァイオリン奏法が可能になります。ディレイやリバーブと組み合わせることで、幻想的なサウンドを作り出すこともできます。
CS-1
Compression Sustainer
圧縮方式に、フォトカプラを用いた光学式を採用したコンプレッサーです。圧縮が始まるまでに発生する光学式ゆえのわずかな遅延が、音楽的なコンプレッション•サウンドを作り出します。単に音量バランスを整えるだけではない、他では成しえない演奏表現が可能です。
TW-1
T Wah
ピッキングの強弱に応じてフィルターが動作し、ワウ•エフェクトを加えます。2 つのノブで感度とエフェクトの深さを設定すれば、簡単にワウ•サウンドを得ることが可能。もちろんベースでも使用が可能です。
SD-1
SUPER OverDrive
40 年以上にわたり販売されている、ロングセラー•モデルです。OD-1 のナチュラルなオーバードライブ•サウンドを踏襲しつつ、新たに高域を調節する TONE ノブを搭載。サウンドの明瞭感や温かさをコントロールすることで、幅広いサウンド•バリエーションを実現します。
DS-1
Distortion
荒々しさを持ちつつも、タイトで豊かな倍音が、原音の良さを決して損なわないディストーションです。1978 年の登場以来、ハードロックやメタル、パンクなど幅広いジャンルにおいて使用され、クラシックな歪みサウンドの代名詞として今も愛され続けています。

専用アプリから追加可能なモデル一覧

CE-2
Chorus
世界初のコーラス•ペダルBOSS CE-1 Chorus Ensemble に続いて開発されたコンパクト•ペダルです。深く、独特の揺れ感を持つ CE-1 に対し、CE-2 は爽やかで広がりのあるコーラスを特徴とします。豊かな中域と温かみを持ちつつ、DEPTHを深く設定しても馴染みやすいコーラス•サウンドで、幅広い演奏が可能です。
BF-2
Flanger
20 年以上にわたって販売されたフランジャー•ペダルです。BBD を用いたアナログ回路設計による、マイルドなフラン
ジャー•エフェクトが特徴的です。ノブの設定次第で、フランジャー•エフェクトだけでなくコーラス、ショート•ディレイ、ビブラートのようなサウンドも得られます。
PN-2
Tremolo/Pan
パンニングとトレモロを組み合わせた個性的なエフェクトです。ステレオ出力を活かした PAN モードを用いることで、音量の変化とともにサウンドが左右を飛び交うユニークな音像を得られます。パンニングとトレモロの波形は三角波と矩形波の 2 種類から選択可能。PX-1 では、オリジナルにはない TAP TEMPO や MIDI SYNC の機能も使用可能です。
OC-2
Octave
オクターブ•ペダルの元祖でもあるOC-2 は、原音の位相を反転して加える独自の手法により、滑らかな波形を維持したオクターブ•サウンドを作り出すことが可能です。シンセサイザーを思わせるユニークなトーンは、シンセ•ベースのような分厚い低音を作り出すことができるため、ベーシストからも高い人気を誇ります。
PS-2
Digital Pitch Shifter/ Delay
コンパクト•ペダルでピッチの変更を実現し、数多くのギタリストを驚かせたピッチ•シフターです。8bit のデジタル処理とアナログ回路によるピッチと音量の揺れが、現代においては心地の良い Lo-Fi トーンとして魅力を放ちます。まさに「ヴィンテージ•デジタル」なサウンドです。なお、モードを切り替えることで最大 2 秒のディレイ•ペダルとしても使用できます。
VB-2
Vibrato
ピッチに揺らぎを加えることで、独特な世界観をもたらすエフェクトです。開放弦をからめたアルペジオを奏でれば、そのサウンドの虜になります。また、揺らぎが最大になるまでの時間を調節したり、踏んでいるときのみエフェクトをオンにさせたりすることも可能。他にはないサウンドと表現力を備えたコンパクト•ペダルです。
DD-2
Digital Delay
ラック•タイプが主流であった当時、世界初のペダル型デジタル•ディレイとして登場しました。デジタル技術の黎明期に誕生したこのペダルは、デジタル•ディレイらしいクリアさの中にも温かみを持ち、アンサンブルに自然と馴染む音楽的なサウンドを備えます。
DF-2
SUPER Feedbacker & Distortion
ユニークなフィードバック機能を備えたディストーション•ペダルです。DS-1 よりも高いゲインを持ちつつ、荒々しさを抑えたスムースな歪みを備えます。さらにペダル•スイッチを押し続けることで豪快なフィードバックを巻き起こすことが可能です。この機能はヘッドホンを使用しているときでも使用できます。

仕様

仕様を見る
  • サンプリング周波数:48kHz
  • AD 変換:24 ビット+ AF 方式 ※ AF 方式(Adaptive Focus method)は AD コンバーターの SN 比を飛躍的に向上させるローランド/ボス独自の方式です。
  • DA 変換:32 ビット
  • 規定入力レベル INPUT A(MONO)、INPUT B:-20dBu
  • 最大入力レベル INPUT A(MONO)、INPUT B:+7dBu
  • 入力インピーダンス INPUT A(MONO)、INPUT B:1M Ω
  • 規定出力レベル OUTPUT A(MONO)、OUTPUT B:-20dBu
  • 最大出力レベル OUTPUT A(MONO)、OUTPUT B:+7dBu
  • 出力インピーダンス OUTPUT A(MONO)、OUTPUT B:1k Ω
  • 推奨負荷インピーダンス OUTPUT A(MONO)、OUTPUT B:10k Ω以上
  • バイパス:バッファード・バイパス
  • コントロール:LEFT つまみ、CENTER つまみ、RIGHT つまみ、ペダル・スイッチ
  • インジケーター:CHECK インジケーター
  • ディスプレイ:グラフィック LCD 128 × 48 ドット
  • 接続端子 INPUT A(MONO)、INPUT B、OUTPUT A(MONO)、OUTPUT B 端子:標準タイプ、CTL1,2/EXP 端子:TRS 標準タイプ、DC IN 端子、MIDI IN 端子:ステレオ・ミニ・タイプ、USB COMPUTER 端子:USB Type-C(R)
  • Bluetooth 対応プロファイル:GATT(MIDI over Bluetooth Low Energy)
  • 電源:AC アダプター、USB 端子から取得
  • 消費電流:260mA(AC アダプター)、420mA(USB)
  • 外形寸法:73(幅)× 125(奥行)× 56(高さ)mm
  • 質量(AC アダプターを除く):400g
  • 付属品:AC アダプター、保証書、チラシ(安全上のご注意、使用上のご注意、お問い合わせの窓口)、Roland Cloud アクティベーション・カード
  • 別売品 フットスイッチ:FS-5U、デュアル・フットスイッチ:FS-6、FS-7、エクスプレッション・ペダル:FV-500H、FV-500L、EV-30、Roland EV-5、TRS/MIDI コネクティング・ケーブル:BMIDI-5-35、BMIDI-1-35、BMIDI-2-35、BCC-1-3535、BCC-2-3535
  • ※ 0dBu = 0.775Vrms

実機レビュー

BOSS様より実機をお借りしました。
発売前ですが一足お先に音を出させていただきました。
レビューいたします!

開封の儀

まずは開封の儀です。

通常のBOSSコンパクトエフェクターと比べて箱は大きめです。

従来品を2個並べるとほぼ同じ大きさでした。

はい出ました今回の主役!

箱の中身は上記のようになっています。

今回は箱が大きかったのは「ACアダプターが付属しているから」です。
てっきり専用なのかと思いきや…

PSA-100Sでした。

BOSS様に確認したところ「電池駆動不可につき、PSA-100Sをお持ちでない場合に本体購入のみでは使用できない状態となってしまうため、アダプター付属となっております。」との回答でした。
言われてみれば確かに、他のBOSS製品(マルチエフェクター等)も電池駆動できないものにはアダプターが付属していますね…。

※取扱説明書には「ACアダプターは、必ず付属のものを、AC100Vの電源で使用してください。」との表記があります。

サブスクリプション・サービス「Roland Cloud Ultimate」のメンバーシップが6ヶ月間付属しています。
PX-1と同様のサウンド・クオリティを誇るBOSS Effect Pedalsプラグインが含まれており、アイコニックなエフェクトをDAW上で楽しむことが可能です。

アプリを準備

エフェクトを購入して使用するためには「BOSS Effect Loader」というアプリが必要です(アプリは無料)。
アプリを起動後…

  • 利用規約の確認
  • アカウントの作成
  • ログイン
  • Bluetoothの接続

…という操作をします。
所要時間は15分くらい。
説明書いらずでとても分かりやすいです。

今回通してのことなのですが、説明書を読まなくてもサクサク操作ができます(もちろん説明書もあります。ダウンロード版)。
このあたりはさすがBOSS。
コンパクトエフェクターを操作しているのとほぼ変わらない感覚で使えます。
スマホを使う程度の能力があれば全く問題がないと思いますので、煩雑な操作が苦手な方も安心してください。

アプリ内では…

このようにエフェクトを選んで購入できます。
2026年1月追加が予定されているモデルは、

  • OD-2 TURBO OverDrive
  • DM-2 Delay
  • DC-2 Dimension C

…なのですが、それぞれ販売予定価格は1,000円(税込)とのことです。
安っっっす!!!
送り仮名間違えるくらい驚きました。

今後の追加で、「PW-2 PowerDriver」来ないかなぁ…。
早々に生産終了してしまったエフェクターなのですが、好きだったのですよ…。
BOSSさん、期待しています。

さてその実力やいかに…

というわけで、今回はプリインストールされている「SD-1」「DS-1」を実機と比較してみます。
(アプリから追加可能な「CE-2」「VB-2」に関してはまたの機会に…。

電源ON!

電源を入れると、まずはおなじみBOSSロゴの表示。

いきなりエフェクト選べと…。
上部3つのノブはもちろん回せて、押し込むことでボタンの役割も果たします。

まずはそのままEXECUTE(実行)するために一番右のノブを押下。

キタコレ!
いきなり伝説の名器です。

それではDS-1に変更しましょう。

ね?
簡単でしょう?
実質操作をしているのは①③⑤の3つだけ!

DS-1

両者同じ設定で試します。

はじめは「あれ?PX-1のほうがちょっとだけ音量大きめ?」と感じ、調整しました。

一発Eのオープンコードを引き比べた時の私の感想。

「うん、全く同じ(笑顔)。」

これ、すごいですね。
ブラインドテストされたら絶対同じエフェクターだと答えると思います。
音量調整前は少しゲインが高めかな?と感じましたが、揃えたらほぼ同一人物。
これまでにもDS-1をモデルとしたエフェクター(プラグイン含む)を弾いてきましたが、再現度は300%くらいでPX-1が優れています。
さすが本家…。

さらに驚かされたのがこの後。
TONE、LEVEL、DIST、それぞれのノブを動かしながらいろいろなフレーズを弾きました。
増やしたり、減らしたり…。
0にしたり、100にしたり…。
16にしたり、80にしたり…。

「いや、これ同じエフェクターでしょ!!!」

音の変化、ふるまい方に違いを感じないのです。
0、16、50、80、100、どの数値でもDS-1と同じ(と言っても過言ではないと思います)音が出ます。
むしろDS-1の鼻づまり感が無くなってヌケがいいんじゃないかと感じてしまう自分がいます。

ギターのVOLUMEへの追随性もバッチリ。
デジタルエフェクターはVOLUME調整に弱い、と言われていたのはもう過去の話なんですね。

SD-1

期待が膨らまないわけがない…。

今回は特に調整なく同じ音。

…いやいやいや!
同じ音、なんですよ…。

DS-1の時と全く同じ感想。
後ろ向いて弾いたら絶対わかりませんよ。

今回、これまでのSD-1をモデルにしたエフェクターとの違いをハッキリと感じさせられたのは、ピッキングをした時に弦とピックがこすれ合う時の「粘り気」とでも言えばよいのでしょうか。
それを忠実に再現している点です。
同じような音が出るエフェクターはあれど、同じような弾き心地まで再現しているものはこれまで弾いたことがありません。
PX-1の凄さはそこにあると感じます。
いやーすごい。

ちなみにノブを回すとディスプレイ内のメモリも動くのですが、上部に数値で表示されます。
コンパクトのように直感的に使うもよし、数値でぴったり合わせて使うもよし。

実機レビューまとめ

ハッキリ言いましょう。

「BOSSエフェクターが好きな人、全員必ず買ってください!!!」

この完成度、半端じゃないです。
中の人もこれは必買です。

価格?
アプリの課金?
そんな懸念は吹き飛びます。
費用対効果メチャ高です。
2025年度「買ってよかった機材」最有力候補では?

ちなみに公式画像ではありませんでしたが、下部はこうなっています。
BOSSマニアの皆さん、ネジ、無くなっちゃいましたよ…。

BOSS様に伺っところ「こちらも電離駆動不可につき設計が違うため、通常の手で回せるネジではないものになっております。」とのことでした。
電池駆動ではない = 電池を交換する必要はない = 開けることはない、ですもんね。

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