皆さんこんにちは!
ギタセレ中の人です。
連載記事【ギターを趣味にしよう!】。
七つ目の記事となります。
エレキギターを選ぶ際の基準の一つとなるのがボディ構造です。
非ギタリストには「どこが違うの???」と思われがちですが、これが大きく異なるんですよ。
今回は代表的なボディ構造4種をご紹介いたします。
ソリッドボディ

The ソリッドボディ!という感じの塗装前。
特徴
木材を一塊で削り出して作られる完全な中空の無い構造。
ハウリングに強く、高い音圧にも耐え、幅広いジャンルに対応できます。
島村楽器の店頭にあるエレキギターのうちの9割以上がソリッドボディ構造のギターです。
要はスタンダード。
ではなぜ他の構造のモデルが存在するかって?
それはソリッドボディには無い魅力がたくさんあるからですよ…!
代表的なモデル
Fender Stratocaster

シングルコイルピックアップ3基を搭載し、カッティングに適した明るいサウンドで多くのジャンルに愛用されています。
Gibson Les Paul

分厚いサスティーンとパワフルなハムバッカーサウンドが特徴。
ロックやハードロックで重用される有名機種。
Ibanez RG Series
RGV250 BK

RGV250 WH

モダン志向のシェイプと高出力ピックアップ、薄いネックでメタルや速弾き系ギタリストから高い支持を受けています。
著名なギタリスト
エリック・クラプトン(Eric Clapton/英)
ストラトキャスターを愛用し、ブルース・ロック界のレジェンド的存在。
ジミー・ペイジ(Jimmy Page/英)
レスポールでハードロックサウンドを確立したレッド・ツェッペリンのギタリスト。
布袋寅泰(ほていともやす/日本)
独自のカッティングサウンドで有名。
自身がデザインした印象的なペントが施されたモデル(フェルナンデス→ZODIACWORKS製)のソリッド・ボディを長年愛用。
チェンバード・ボディ

Gibson Les Paulも軽量化を優先目的としたチェンバード(左)構造から軽量化と音響効果の維持を両立させようと開発された”リリーフ”(中・右)構造に進化、という歴史を辿りました。
※2025年7月時点のGibson Les Paul Standardにはリリーフがありません。
特徴
木材内部を部分的に空洞化し軽量化と適度な空気感を両立。
ソリッドに近いハウリング耐性と温かなサウンドが特長。
セミソリッド/セミホロウ/セミアコースティック・ボディはトップ(表板)とサイド(側板)、そしてバック(裏板)がそれぞれ独立していてそれらを貼り合わせたもので、チェンバード・ボディは厚めのバック材をくり抜いて空洞を作り、表板を貼り付けたもの、と定義されていることが多いようです。
ただその定義は曖昧で、例えば後に挙げる「Paul Reed Smith Hollowbody II」は名前では「ホロウボディ」と言っていますが、上記の定義からすると「チェンバードボディ」となります。
代表的なモデル
Fender Telecaster Thinline

象徴的なテレキャスターに軽量化のため空洞を内部加工したバージョン。
甘いサウンドと重量バランスが特徴。
Gretsch Duo Jet

ボディ内部にチャネルが刻まれ、独特の明るさと軽やかさが際立つロックやパンクで愛用されるモデル。
Paul Reed Smith Hollowbody II

一見セミホロウだが、ボディ内に独自のチェンバー構造を持ち多彩なトーンが得られます。
著名なギタリスト
カーティス・メイフィールド(Curtis Mayfield/米)
ソウル・ミュージックの巨人。
Telecaster Thinlineといえばこの人。
ジョージ・ハリスン(George Harrison/英)
言わずと知れたThe Beatlesのギタリスト。
ご覧の通り、自身のアルバムのジャケットでGretsch Duo Jetを手にしています。
ニール・ショーン(Neal Schon/米)
ジャーニーのギタリストでPRS Hollowbody IIを用い独自のリードサウンドを実現。
セミソリッド/セミホロウ/セミアコースティック・ボディ

この状態に表板と裏板を貼り付けるわけですね。
上部から下部に渡って一つのブロックとなっている木、これがセンターブロックです。
特徴
セミアコースティックギターは、ソリッドギター(エレキギター)とフルアコースティックギターの中間的な構造を持つギターです。
ボディ内部に空洞(ホロウ構造)を持ちつつ、センターブロックと呼ばれる木材がボディ中央部を貫き、ハウリングを抑えつつも豊かな響きとサスティン(音の伸び)を両立しています。
ジャズやブルースはもちろん、ポップスやロックにも適しており、ウォームで奥行きのあるサウンドが特徴です。
また、見た目にも個性的で高級感があり、多彩な音楽ジャンルで愛用されています。
代表的なモデル
Gibson ES-335

代表的なセンターブロック入りセミホロウ。
クリーンからドライブサウンドまで幅広く対応。
YAMAHA SA2200

ES-335の系譜を引くモデルで、ジャズ・ロック・フュージョン等多くのジャンルに支持されています。
Epiphone Casino

センターブロックが無いので国内ではホロウ/フルアコースティック・ボディとして扱われることが多いですが、海外ではセミソリッド/セミホロウ/セミアコースティック・ボディとして分類されることが多いです。
著名なギタリスト
B.B.キング(B.B.King/米)
「ルシール」と呼ぶES-335(系統)を愛用し、伝説的なブルースを演出。
ノエル・ギャラガー(Noel Gallagher/英)
ちなみに中の人は当時Blur派だったなんて言えない…。
オアシス時代からES-355等、セミホロウサウンドでバンドを特徴づけました。
生形真一(うぶかたしんいち/日本)
ELLEGARDEN / Nothing’s Carved In Stoneのギタリスト。
その熱いプレイは多くのフォロワーを生んでいます(中の人もその一人です)。
Gibsonから自身のシグネチャー ES-355も発売しています。
ホロウ/フルアコースティック・ボディ

こちらは表板が既に貼られていて、そこに電装系パーツが取り付けられた状態です。
表板を支える力木はありますがセミアコのようなセンターブロックはありません。
特徴
フルアコースティックギターは、ボディ全体が空洞(ホロウ構造)になっているエレクトリックギターの一種です。
生音でも十分なボリュームと豊かな響きを持ち、繊細で温かみのあるサウンドが特徴です。
ただ完全な空洞構造ゆえにハウリング(音の回り込み)が起こりやすい傾向があります。
主にジャズやブルース、ビッグバンドなどで愛用されてきましたが、その柔らかく奥行きのある音色からオールジャンルで使用されることも増えています。
ボディが大きめで装飾も美しいモデルが多く、優雅な外観も魅力のひとつです。
代表的なモデル
Heritage Eagle Classic

フルアコといえばGibson ES-175。
現在は廃盤となっています。
Gibsonがかつて工場を閉鎖した際に、その土地に残ることを決意したクラフトマンたちが設立したのがHeritage。
Eagle ClassicはES-175の血を一番濃く受け継いでいるフルアコではないでしょうか。
Gretsch White Falcon

大ぶりで美麗な外観、煌びやかなトーンでロカビリーやジャズに広く愛される逸品。
Ibanez Artcoreシリーズ

価格帯も手頃で、セミアコ特有の太くまろやかなトーンが得られます。
著名なギタリスト
ウェス・モンゴメリー(Wes Montgomery/米)
ホロウボディを用いたオクターブ奏法でジャズ界に多大な影響を与えました。
ジャケットで抱えているのがおそらくGibson ES-175です。
ブライアン・セッツァー(Brian Setzer/米)
「ストレイ・キャッツ」のメンバーとしてロカビリー・リバイバル(ネオ・ロカビリーの隆盛)の中心となったギタリスト。
ソロや自身の名を冠したビッグバンドオーケストラでの活躍も有名です。
衰退していたGretschブランド復興の立役者でもあります。
横山健(よこやまけん/日本)
曲頭からにしてありますが、ぜひ初めのMCも。
「Hi-Standard」ではレスポールタイプのギターを愛用しているイメージが強いですが、近年はGretschのギターを多く使用。
同ブランドには自身のシグネチャーモデルもあります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
最初に買う一本 = 無難なソリッドボディ、ではなく、セミアコを選んだりするのもアリですよ。
それが先々個性となっていくのです。
次回からは、今回のお話も踏まえて、エレキギターのモデルの解説をしていきます。