島村楽器のオリジナルギターブランドHISTORYから、石川県金沢市で木材販売加工を行うフルタニランバー株式会社とコラボレーションした、国産材『能登ヒバ』を使用した限定モデルを2024年11月29日(金)に発売します。
今回の企画をお伝えする前に、能登半島地震で被災された皆様には心よりお見舞い申し上げます。また1日でも早い復興を願っております。
HISTORYはPerformanceシリーズ、Standardシリーズ、Advancedシリーズ、Premiumシリーズの合計4つのシリーズから成りますが、今回リリースする能登ヒバモデルは、4シリーズの中でも最上位となる、Premiumシリーズからとなります。
HISTORY Premiumシリーズとは
HISTORYレギュラーラインナップ初の個人工房ハンドメイド






往年の名機にインスパイアされたサウンド、そしてHISTORYが長年磨き続けた弾きやすさを注ぎ込んだ「Premiumシリーズ」。
高品質な素材を随所に使用し、レギュラーラインアップとしては初めて、高度な技術をもつ個人工房にてハンドメイドで1本ずつ製作。
真に良いギターとベースを追求する中級者から上級者にも納得いただける仕上がりです。
主な特徴
オリジナル手巻きピックアップ



サウンドの要となるピックアップは工房内ですべて手作りで製作されています。
HISTORYではヴィンテージギターに使用されていたフォームバー線やエナメルワイヤーをアメリカから輸入し、マグネットの種類や巻き数などを試行錯誤して3種類のオリジナルピックアップ(モダンタイプ、50’sヴィンテージタイプ、60’sヴィンテージタイプ)を開発。
搭載する楽器が目指すサウンドに合わせてモデルを選択しています。
※一部限定モデルを除く
極薄オールラッカー塗装


塗装には下地から仕上げまでニトロセルロースラッカーを使用した、オールラッカー塗装を採用しています。
極めて薄い塗装に仕上げることで、塗膜がボディ・ネックの豊かな鳴りを妨げることなくプレイヤーに伝えてくれます。
柔らかい塗装のため、演奏に伴う傷などもつきやすいですが弾き込むほどに味のある経年変化が現れ、そのプレイヤーならではの1本に育っていく魅力があります。
※一部限定モデルを除く
HISTORY Premiumシリーズ製作担当「Tsubasa Guitar Workshop」

Tsubasa Guitar Workshopのオーナーであり、ヴィンテージ楽器のようなサウンド・スペックを実現する技術に定評があるギター製作家、田中 千秋氏が製作を担当。
伝統的なエレキギター・ベース製作の手法を重んじながらも、現代の音楽事情に寄り添ったプレイヤー目線での楽器製作は、HISTORYの目指す方向性に合致しています。
丹念に作られたサウンド、細部にわたるクオリティの高さに、同氏のクラフトマンシップが十二分に発揮されています。
田中 千秋氏プロフィール
1968年生まれ。長野県出身。
ギタークラフト専門学校卒業後、大手ギターメーカーを経て独立。Tsubasa Guitar Workshopを設立し、ハンドメイドによるギター製作・リペアを開始。
2016年にはNCルーター、塗装ブース等の設備を導入し、現在はピックアップの自社製造も行う。
35年以上にわたるキャリアの中で、膨大な数のヴィンテージギターの修理や塗装を経験。
1950年代~1960年代の楽器作りのスピリットを吸収し、木材の選定、塗装、ビルドアップ、セッティングなど卓越した技術を持つ。
国産材「能登ヒバ」とは

石川県の県木。県独特の造林樹種で、能登半島で広く造林されています。
現在、その造林面積は12,317haで輪島市、穴水町を中心に分布しています。
特徴として独特の強い香りがあります。
独自成分ヒノキチオールを含んでおり、高い耐久性耐水性を有し、住宅の土台や水廻りに用いられる事が多い樹種です。
「アテ」は素材名称、「能登ヒバ」は製品名称となります。
また能登のアテ林業は、2023年5月31日に林業遺産に登録されました。
楽器材としての能登ヒバの主な特徴



・共振性や歯切れの良さによる高い音響効果
・針葉樹のため、比較的軽量で取り回しが良い
・美しい木目
・圧縮ヒバはメイプル材に匹敵する強度
オリジナル乾燥技術「woodbe(ウッドビー)」


経年変化による木材の反りや割れを防ぐため、木材の乾燥処理は必要不可欠な工程です。
従来の処理方法では乾燥期間が長期にわたりますが、改質水と抗火石による高速・高品質な木材乾燥技術「woodbe(ウッドビー)」により、乾燥時間を大幅に短縮。
水分を効率よく高速に蒸発させることで、ヒビやねじれの少ない高品質な木材を作り出しています。そのため、繊細な楽器材への使用に適しています。
圧縮加工により、メイプル材に匹敵する強度を実現



能登ヒバなどの針葉樹は柔らかい木材ですが、プレス圧縮し熱処理を施すことで強度を上げています。
この処理によりギター・ベースのネックに求められる強度を実現しています。
環境保全活動



能登ヒバが育つ里山では、成熟した木を伐採して木材に活用しながら次世代の若木を植林。この循環により豊かな里山が維持されます。
サステナブルな木材である能登ヒバを楽器に使うことで、里山の保全に貢献します。
島村楽器と能登ヒバのこれまでの取り組み
島村楽器とフルタニランバー株式会社の取り組みは、今回のオーダー担当者である北陸地区ブロックマネージャー越野の社内提案から始まりました。
COTONE「日本ウクレレ」の木材として採用



木材パーツのすべてに国産木材を使用し、組み立ても日本国内で行う「日本ウクレレ」企画商品として、能登ヒバを使用したモデルを開発しました。
森を感じながら楽器を選ぶ新ブースを金沢フォーラス店に新設(2023年12月より)

実際に楽器に使用される木材そのものが持つ香り・音色などの特徴とともに、産地となる森林のイメージや価値、地域の里山保全への意識を嗅覚、聴覚、視覚、触覚、そして知識とともに育みながら能登ヒバを使用した楽器を試奏できる体験型イベントスペースを設置しました。
そして今回新たに開発されたのが、HISTORY Premium 能登ヒバモデルです。
HISTORY Premium 能登ヒバモデルラインナップ
HST-Premium/NOTO(M3DLB・HTW)


型名 | カラー | 販売価格 |
HST-Premium/NOTO | M3DLB・HTW | ¥294,000(税込) |
能登ヒバならではのサウンド特性と演奏性をもつエレキギター
本モデルはボディ材に能登ヒバ、ネック材に圧縮能登ヒバを使用。楽器としての振動性・音の歯切れの良さなど、針葉樹である能登ヒバならではのサウンド特性をもちます。木材として比較的軽量である能登ヒバを使用したため、長時間演奏しても疲れにくく、快適に演奏しやすいエレキギターとなりました。
能登ヒバの特性を最大限に活かすために、カスタマイズされたオリジナルピックアップを搭載。工房内で一点一点丁寧に製作しています。
ラッカー塗装のボディにエイジド加工を施し、使い込んだヴィンテージギターを彷彿させる重厚なたたずまいとなっています(M3DLBは、ヴィンテージサンバーストを意識したマルチレイヤー仕様)。
一方、ヴィンテージギターにはない使いやすさを追求しています。滑らかなグリップ感のネックや、ハイポジションの大胆なヒールカットにより演奏性が向上しました。また、ネックを外さずにトラスロッドの調整が可能です。
初回生産分展示予定店舗
店舗名 | 展示予定カラー |
イオンモール甲府昭和店 | HTW |
イオン長岡店 | HTW |
長野店 | M3DLB |
金沢フォーラス店 | M3DLB・HTW |
イオンモールかほく店 | M3DLB・HTW |
エミテラス所沢店 | HTW |
イオンモールむさし村山店 | M3DLB・HTW |
イオンモール長久手店 | M3DLB |
ららぽーと愛知東郷店 | HTW |
モレラ岐阜店 | M3DLB |
イオンモール土岐店 | M3DLB |
追加生産分展示予定店舗(12月初旬~中旬店舗入荷予定)
※入荷状況については店舗までお問い合わせください。
店舗名 | 展示予定カラー |
ららぽーと富士見店 | M3DLB・HTW |
イオンモール日の出店 | M3DLB |
アクアウォーク大垣店 | M3DLB |
イオンモール土岐店 | HTW |
商品スペック
ボディ | 能登ヒバ2P |
ボディ仕上げ | オールラッカー(M3DLB:マルチレイヤ―エイジド、HTW:ハードエイジド) |
ネック | 能登ヒバ積層40%圧縮/ シームレス・ソフト・VUシェイプ |
ネック仕上げ | オールラッカー(エイジド) |
指板 | インディアンローズ/225R-300Rコンパウンドラディアス |
ネックジョイント | Easy Access Joint Type I(KTSチタンプレート) |
ペグ | GOTOH SD91-05M |
ナット/ナット幅 | 無漂白牛骨/42mm |
フレット | 22F/Jescar #47090NS(ニッケル) |
フロントピックアップ | HSC-SV60/F 5.8kΩ Al5 FV |
ミドルピックアップ | HSC-SV60/M 5.8kΩ Al5 FV |
リアピックアップ | HSC-SV60/R 6.3kΩ Al5 FV |
コントロール | マスターボリューム、フロントトーン、ミドル&リアトーン |
ブリッジ | SC トレモロFSO Ni |
使用弦 | D’Addario EXL110 (010-046) |
スケール | 648mm |
付属品 | トレモロアーム、ギグケース、レンチ、保証書 |
保証期間 | 3年 |
M3DLBフォトギャラリー











HTWフォトギャラリー












HJB-Premium/NOTO(H3TS)

型名 | カラー | 販売価格 |
HJB-Premium/NOTO | H3TS | ¥300,000(税込) |
能登ヒバならではのサウンド特性と演奏性をもつエレキベース
本モデルはボディ材に能登ヒバ、ネック材に圧縮能登ヒバを使用。楽器としての振動性・音の歯切れの良さなど、能登ヒバならではのサウンド特性をもちます。木材として比較的軽量である能登ヒバを使用したため、長時間演奏しても疲れにくく、快適に演奏しやすいエレキベースとなりました。能登ヒバの特性を最大限に活かすために、カスタマイズされたオリジナルピックアップを搭載。工房内で一点一点丁寧に製作しています。
ラッカー塗装のボディにエイジド加工を施し、使い込んだヴィンテージベースを彷彿させる重厚なたたずまいとなっています。
一方、能登ヒバにより軽量化が図られていることや、針葉樹ならではの滑らかなグリップ感は、エレキベースの新機軸となることを予感させます。
展示予定店舗
追加生産分展示予定店舗(12月初旬~中旬店舗入荷予定)
※入荷状況については店舗までお問い合わせください。
店舗名 |
イオン長岡店 |
商品スペック
ボディ | 能登ヒバ2P |
ボディ仕上げ | オールラッカー(ハードエイジド) |
ネック | 能登ヒバ積層40%圧縮/ シームレス・ソフト・VUシェイプ |
ネック仕上げ | オールラッカー(エイジド) |
指板 | インディアンローズ/225R-300Rコンパウンドラディアス |
ネックジョイント | Easy Access Joint Type I(KTSチタンプレート) |
ペグ | GOTOH GB2 |
ナット/ナット幅 | 無漂白牛骨/38mm |
フレット | 22F/Jescar #47090NS(ニッケル) |
フロントピックアップ | HSC-J/F 9.0kΩ Al5 PE |
リアピックアップ | HSC-J/R 9.5kΩ Al5 PE |
コントロール | フロントボリューム、リアボリューム、マスタートーン |
ブリッジ | JB700 |
使用弦 | D’Addario EXL165 (045-105) |
スケール | 864mm |
付属品 | ギグケース、レンチ、保証書 |
保証期間 | 3年 |
フォトギャラリー









オーダー担当:島村楽器北陸地区ブロックマネージャー越野(こしの)

今回の能登ヒバモデルを製作するにあたり、能登の林業従事者の皆様、木材製材所の皆様、材木商フルタニランバー株式会社様からの多大なる協力をいただきました。
今回のラインナップの大きな特徴は「ネック材に圧縮した針葉樹を使用している」ところです。
これまで当社オリジナルブランドとしては使われてこなかった材を、現在の木材加工技術によって製品として販売するに至りました。
針葉樹によるボディ、ネックが奏でる音色は独自性があり、クリエイティブな楽器演奏者にとって新たなインスピレーションを感じさせてくれる可能性があります。
ぜひそのサウンドを実際にご体感ください。
2024年12月7日・8日に開催されるギタラバTOKYOにも展示決定!

今回紹介したモデルがギター好きのためのギターの祭典「GUITAR LOVERS’ SHOW 2024(ギタラバ2024)」のギタラバTOKYO 「Evergreen Project(※)」ブースでも展示されることが決定しています。
※環境にやさしい楽器の販売とその収益の一部を森林保護活動に寄付するプロジェクトです。詳しくはこちら
ぜひ展示店舗や、ギタラバTOKYOにて実際に手を取ってご覧ください。
記事内写真提供(一部):フルタニランバー株式会社