皆様こんにちは!石田でございます!
2023年4月にPaul Reed Smithメリーランド工場を訪問しオーダーをした際のレポート前編から約1年、ようやく1本完成して日本に到着しましたのでご紹介します。
Private Stock #11050 McCarty 594 Brazilian Rosewood Neck & Fingerboard – Emerald Green
「これぞプライベートストック!」というような迫力のキルトメイプルトップにハカランダネック・指板を採用した珠玉の1本です。
こちらが選定した直後です。
元々の木目も素晴らしいですが、やはり塗装が乗ると全然雰囲気変わりますね。
各部を見ていきましょう。
ボディトップ・フィニッシュ
トップ材は先ほどもお見せした見事なキルトメイプルです。
近年キルトも最高峰のものは見かけなくなっているので、恐らく世界でもPRSが一番良いものを抱えていると思います。
こちらをニトロセルロースラッカーのエメラルドグリーンで着色しています。
Coreモデルでも以前はラインナップにあったカラーですが、その当時はPSに関しては“Private Stock Emerald Green”と別名称で取り扱っていたので、恐らく着色の仕方自体が異なるのだと思います。
Coreの場合はボディバックがブラックでしたしね。
ちなみにこのエメラルドグリーン、石田が初めてPRSを見たのがこのカラーでして、特別な思い入れのあるカラーだったりします。
以来「PRSと言えばこの色」というイメージがあります。
ボディバック
オプションアップチャージがかからないものを、ということでボディバックはオーソドックスなアフリカンマホガニー...ですが見てくださいこのフィギュアド杢。
しっかりと存在感のあるものを選んでいます。
ネック
本モデルのキモであるハカランダネック。
何度もUSA工場へはオーダーに行っていますが、ハカランダネックでオーダーできたどころか数本から選べたのは初めてで貴重な体験でした。
色が濃く、杢目が真っすぐなものを選んでいます。
指板
指板ももちろんハカランダをチョイス。
ハカランダ指板はかなりレスポンスが鋭くなるので弾くのは難しくなりますが、慣れると他の木材では物足りなくなるところがあるのが悩ましいですね。
私も“Signature”でハカランダの魅力にとり憑かれて離れられなくなっています。
インレイは以前の島村楽器60周年記念の時にデザインしてもらった、その名も“Shimamura Music 60th Anniversary Tree Of Life”インレイを使用しています。
桜をイメージした美しい花弁と指板・ネックまで覆うパーフリング、トラスロッドカバーにまで花のインレイが入る非常に美しいデザインです。
その他のパーツ類
McCarty 594をベースにしてはいますが、利便性を考えてPhase III Locking Tunerをチョイス。
さらに、これだけで数万円分のアップチャージがかかるハカランダのペグボタンを採用しています。
「どうせなら行ってしまえ...!」という精神状態だったのだと思われます。
※当時ひどい時差ボケで、立ち上がれないような体調の中オーダー詳細を詰めています。
ピックアップは“Dragon II”をセレクト。
ストックの58/15LTに比べると磁力も直流抵抗値もかなり強いハイパワーなモデルです。
PSならではの迫力のあるサウンドを活かすには繊細な58/15LTよりもこちらの方が分かりやすいのでは、ということで選んだモデルです。
※Emerald GreenだからDragon、というのもありますが。
コイルタップはできるようにしてますが、TCIエレクトロニクスが応用された最新ピックアップに比べるとコイルタップ時のサウンドは物足りないと思いますので、ハムバッキングでガツガツ弾いていただくのがオススメです。
セッション時にパワーを落としたいときなんかは便利だと思います。
ブリッジ・テイルピースはストックの2ピースタイプをそのまま採用しています。
総評
元々骨太なサウンドとダイレクトな弾き応えが魅力のMcCarty 594をもとに、Private Stockの精巧な作りとハカランダネックによるパワフルさを存分に融合させた1本です。
ともすればじゃじゃ馬感のある(実際サスティーンが長すぎてミュートに苦労します)1本となりましたが、弾きこなすことに満足感を覚えるのも一興かと。
ぜひぜひその手でこの感動を体感してみてください。
商品情報
メーカー | Paul Reed Smith |
型名 | PS McCarty 594 (EM) |
販売価格 | (税込) ¥3,098,000 (税抜 ¥2,816,364) |
JANコード | 0825362175216 |

石田 純一プロフィール
ギター演奏はそこそこに機材いじり(改造、音作り)をメインに楽しむ学生時代を送り、機材好きが高じて、「いつの間にか楽器店の店員になっていた」インドア派。
入社後はPRS(Paul Reed Smith)現地工場でのPrivate Stockオーダーをはじめ、自身の経験を活かし、多彩なブランド・ジャンルでの楽器開発も手がけています。