別室 野原のギター部屋 Vol.31 “管理人お気に入りのコンデンサー”

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別室 野原のギター部屋 Vol.31 “管理人お気に入りのコンデンサー”

記事中に掲載されている価格・税表記および仕様等は予告なく変更することがあります。

皆様こんにちは。島村楽器別室 野原のギター部屋管理人の野原です。

早速ですが、皆様はご自身のギターのコンデンサー(キャパシター)を交換したことはございますでしょうか。また、交換したことによってどれ程音が変わりましたでしょうか。

感じ方や捉え方は人それぞれ異なると思いますが、コンデンサーによる音の変化については「小さいもの」とお考えになっている方が多いのではないでしょうか。私もコンデンサーがギターの音全体に及ぼす影響は1~2%程ではないかと考えています。

それでも色々試したくなるコンデンサーですが、最近ギブソンのソリッド・ボディに搭載して良い感じだった物がありましたのでご紹介したいと思います。

1950s NOS Cornell Dubilier Tiger Wax Tone Capacitors .02uf 400v

Cornell Dubilier社が1950年代に製造していたTiger(NOS / New Old Stock)です。

Cornell Dubilier社のコンデンサーと言えば1952~1956年頃のレスポールに使用されていたGrey Tigerが有名ですが、流通量が極端に少なく、値が張ります。対してこのTigerは同時期に製造されていたものですが、比較的手頃な価格で輸入することが出来ました。

コンデンサーを交換した理由

1962~3年頃のPatent Number pickup(#PAF)を搭載したフライングVを使用しているのですが、コンデンサーはSprague Orange Drop(フィルム)でした。十分に魅力的な音でしたが、もう少しヴィンテージにあるような風合いとレンジの広さが欲しかったため交換することにしました。

前述の通りコンデンサーによる影響は1~2%程と考えていますので、交換したことで私の気分が良くなり、結果的に良い音になったと思い込むことが出来るのであれば「それはそれで良し」位の気持ちでした。

Cornell Dubilier Tigerを選んだ理由

Sprague Bumble BeeやBlack Beauty、Grey Tigerは別のギターで試したことがあったため、それらの特徴の中から今回のイメージに合うものとして同じワックスモールドのCornell Tigerを選びました。気合を入れてGrey Tigerにすることも考えましたが、定番すぎて面白味に欠けるような気がしたので選択肢から外しました。

交換してみて

同じセッティングのアンプ、ケーブルで交換の前後を比較してみましたが、一聴して音が違うのを実感することが出来ました。正直想像以上の変化で、具体的には狙い通りレンジが広がり、あわせて音の解像度も上がりました。

音の解像度が上がったと言うと、音質が硬くシャープになったようにイメージされるかもしれませんが、音の角は滑らかでいて芯がしっかりと聞き取れるサウンドです。

本体の特性も含めての表現になりますが、バイト感や倍音の豊かさも感じられますので、ギブソン系ソリッド・ボディの音を少しでもヴィンテージ寄りのテイストにしたい方は、一度お試しになってみてはいかがでしょうか。

※その後、所有する1957レスポール・リイシューにもTigerを搭載しましたが、こちらもとても良い感じになりました。

今回ご紹介したコンデンサーですが、まだ海外に在庫があれば輸入して販売したいと考えていますが、為替次第といったところでしょうか。

もし直ぐにお試しになりたい方がいらっしゃいましたら、同じコンデンサーを搭載して頂いたBizen works BURNED STDの限定モデルもご用意できますので、お気軽にお問い合わせください。

Bizen worksの坂本さんも「ずいぶん音が変わる」とコメントされていましたので、標準仕様のBURNED STDと比較されてみるのも面白いと思います。

それでは今回はこの辺で。

ギター部屋の管理人

野原 陽介プロフィール

学生の頃よりバンド活動、レコーディングなど様々な場所での演奏とヴィンテージギターショップ巡りに明け暮れる。
のちにギタークラフトを学び、島村楽器に入社。
入社後は米国Gibson社、Fender社への買い付けなどを担当。
甘いもの好き。

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