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【号外】PRS流ハイコストパフォーマンス「S2」限定モデルを検証!|ギターマニア石田純一の逸品入魂~気ままに想いを綴ります~

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【号外】PRS流ハイコストパフォーマンス「S2」限定モデルを検証!|ギターマニア石田純一の逸品入魂~気ままに想いを綴ります~

記事中に掲載されている価格・税表記および仕様等は予告なく変更することがあります。

皆様こんにちは!石田でございます!
今回は今までとは趣を変えて、普通に市販されている商品についてご紹介します。

というのも、現在ごく少量のみ流通しているPRSの限定モデルをようやく落ち着いて検品する事ができましたので「せっかくなので逸品入魂で取り上げてみようかな」という次第でございます。

若干マニアックな内容になりますが、お付き合いください。

そもそもPRSって?


1985年のNAMMショーで正式にデビューしたアメリカはメリーランド州のギターメーカー。

ハンドメイドのハイクオリティなエレキギターをメインに生産しており、使用アーティストもカルロス・サンタナ、ジョン・メイヤー、オリアンティなどジャンルや年代を問わず幅広い層に支持されています。

特徴的なバードインレイや美しいフィギュアドメイプルトップなどルックス面でインパクトのあるブランドですが、サウンドや演奏性も非常に優れており、私自身もその部分を気に入って使用しています。

今回はメインプロダクトである「Coreモデル」ではなく、より普及価格帯である「S2モデル」に焦点を当ててご紹介します。

Paul Reed Smith S2 10th Anniversary Custom 24 “Bonnie Pink Cherry Burst”


その名の通り、S2シリーズがデビューしてから10周年を記念して全世界1,000本限定で生産される非常に希少なモデルです。
今のところ、国内では島村楽器ミーナ町田店を含むFull Line Dealerでしか入荷していないため、入手している方も数えるほどといった状況でしょう。

S2シリーズとは?


S2は「Stevensville 2」の略です。
このシリーズの開発時に、CORE・ラインとは別シリーズとして打ち出していくべきだろうと考え、独立した製作ラインをメリーランド工房(スティーブンスビル)に設置したことからこのシリーズ名にしました。-PRS公式HPより

というわけで、いわゆる「セカンドライン」的な立ち位置なのがS2です。
一番最初のS2から取り扱いを開始していますが、正直なところ初期のS2は本当に「廉価版」といった趣きでした。

プレーンな感じのメイプルトップ、バックキャビティの中など見えない部分は塗装や木工も粗く、メンテナンスしていて木片が手に刺さったりなど...
品質が劇的に向上した今だからこそ言える内容ですね。

この10年でS2はかなり洗練されており、現在私がS2を語るなら「Coreモデルよりも薄いTop材や廉価なパーツ等を使い、コストを落としながらも、USAモデルの一つとして同等のクオリティで組み上げられた製品」といった説明になります。

トップの木材はギラギラのフレイムという訳ではなく、さらに機械加工後に時間をかけて磨く必要があるカーブトップではなく、ベベルドカット構造のトップを採用することで生産スピードを上げていたり、電装系やハードウェアは海外製廉価モデルであるSEと共通のものを使用したりと構成内容的にはコストを下げていますが、「USA工場内で一から作り上げる」という点ではフラッグシップモデルと違いはありません。

10周年記念モデルのウリ

と、いうわけで「ハイコストパフォーマンスモデル」として優れているS2の、レギュラーモデルと今回の限定モデルの違いについて見ていきます。

キューバンマホガニーネック


写真を載せましたが、見た目では分かりません...
レギュラーのS2に使用されているMahogany(基本的にはアフリカンマホガニー)と比べると、明らかに握った時に硬さを感じます。

弦楽器である以上、弦を支えるネックの強度が上がればもちろんサウンドに影響します。
他にもいろんな要素が異なっているモデルなので一概には言えませんが、サスティーンや音の明瞭さに貢献していると思います。

USA製ピックアップ搭載


個人的にはそこまで大きな要素だとは考えていないのですが、ピックアップ=マイクですのでアンプへ出力されるサウンドにはやはり影響します。

通常S2には海外製の85/15″S”が搭載されますが、10周年モデルにはCoreモデルと同様USA工場内で巻かれている85/15を搭載しています。

好みもあるのでどちらが優れているとは言いづらいですが、フラッグシップモデルであるCoreシリーズのサウンドを目指す方には嬉しい仕様です。

ルックスも結構違いますね。

電装系パーツの違い


公式HPにも詳しく書かれていませんが実は電装系パーツ、とりわけスイッチ、POT、配線材それぞれが変わっています。

85/15ピックアップと共にPRS独自のTCIテクノロジーを実現するために必要な変更なのだと思います。
ピックアップだけではなくこういったエレクトロニクスまでしっかりと再構成されているためにサウンドの違いが表れているんでしょうね。

レバースイッチの操作だけでグラフィカルにサウンド変化するのも嬉しいですね。

トラスロッドカバー


通常モデルはモデル名を刻印したものを、限定モデルは今回のみのアニバーサリーロゴが入ったものが付いています。
ぱっと見では違いが分かりにくいモデルなのでお店的には見分けがつきやすくて助かります...

バードインレイの素材の違い


通常はクレイ素材の落ち着いたルックスのバードインレイですが、限定モデルではマザーオブパールインレイを採用。
こちらもピックアップ同様USA工場内で切り出して作られています。

まとめ

非常に数が少なく、比べる機会もほぼないモデルですので色々と細部を見て記事にしてみました。

レギュラーモデルより少々高価ではありますがCoreモデルにも迫る明瞭なサウンドは魅力ですし、色んなジャンルで活躍するギターをお探しの方はかなり「買い」のモデルではあると思います。

購入を検討中の方の参考になれば幸いです。

商品情報

【号外】PRS流ハイコストパフォーマンス「S2」限定モデルを検証!|ギターマニア石田純一の逸品入魂~気ままに想いを綴ります~

メーカーPRS
型名S2 10th Anniversary Custom 24 PQ
販売価格(税込) ¥343,200 (税抜 ¥312,000)
JANコード0825362134787

石田 純一プロフィール

ギター演奏はそこそこに機材いじり(改造、音作り)をメインに楽しむ学生時代を送り、機材好きが高じて、「いつの間にか楽器店の店員になっていた」インドア派。

入社後はPRS(Paul Reed Smith)現地工場でのPrivate Stockオーダーをはじめ、自身の経験を活かし、多彩なブランド・ジャンルでの楽器開発も手がけています。

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